その日は耳が痛くなる程に静かだった。あまりにも静かで眠れないものだから、ろうそくの火は消したまま夜更かしをしていたのだ。
窓の木板を持ち上げて、視界の果てまで続く草原を眺める。月の明るい日。粗末な木のベッドに乗って、窓枠に肘をのせて、ぼんやりしているうちに眠りに落ちるだろう。と、思っていたのに。
「動くな」
気付けば後ろから見知らぬ人に抱きしめられていた。抱きしめられていたなんてものじゃない。骨が折れるんじゃないかってくらいに熱すぎる抱擁。首筋にはその逆に冷たくて固い感触。
わー。男の人に抱きしめられたのってはじめてー。
「おひょっ……」
頭の中で現実逃避をしていても、いま非常に危ない目に遭っていることには変わりない。この人は一体どこから入ってきたんだろうか。ここ二階なのに。お父さんとお母さんは寝る前に玄関をちゃんと閉めなかったんだろうか。脱走羊の回収でわたわたしてたから忘れたんだろうかこのうっかりやさんめ。
「食い物をよこせ」
「ここここ、ここ、屋根裏なんで、たた、食べ物置いてないです。一階に降りないと……」
「動くな」
いやどうしろと!
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即興小説15分
お題:名付けるならばそれは夜風
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【書く前】
ロマンチックWordシリーズきた
夜風 夜 眠れぬ夜に撫でる
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【書いた後】
最初は子供とお母さんみたいなほのぼの童話調の話にするつもりだったけど、いつの間にかこうなってた。
侵入してきたのは国に裏切られた忍び的な奴とか、組織に追われる異能者とか、獣人とか、やさぐれ異世界人とか、わりとなんでもありな気がする。普通に野盗とかでもそれはそれで
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