アイデア出し。
眼鏡。海、サングラス。これはダメ
なんも思い浮かばないが??
これは早まったかもしれんね
川遊び、川遊びで書こうかなあ。
ーーーー
 ある日、モスティマと苦難陳述者(以下、彼で統一)は山の谷間を流れる太い川の傍に突っ立っていました。二人の頭上の上には煌々と照り付ける太陽があって、二人は額から汗を滝のように流していました。
「泳がない?」
 モスティマは隣の彼にそう問いかけます。二人は泳ぎに来たのではなく、旅の中で消費する水の確保のために川に寄っていたのでした。その証拠に、二人の足元にはいくつもの水で満タンになったジェリカンが並んでいました。
「泳いでもいいけど……」
 彼はモスティマの提案に乗ろうとしましたが、全面的に賛成することはできませんでした。
「けど?」
「川遊びって、大丈夫なの?」
 モスティマは彼の純粋なその疑問に即答することはできませんでした。なぜなら、移動都市には人工的な池や景観を作るための川はあっても、それらは全て人の手が入って安全なものとして設計されており、一方の今目の前にある自然の川にはいったいどんな危険があるか二人にとっては皆目見当もつかなかったのです。
 モスティマはしばらく首を傾げて考えて、しかし何も思いつかなかったので、ゆっくりと河岸歩き、流れる水の傍に立ちます。そして、靴と靴下を脱いでざぶざぶと川に入っていきました。
「冷たいし、結構流れが急だね」
 モスティマは後ろにいるであろう彼にそう声をかけながら、くるぶしとひざの間くらいまで川に浸かります。そして、足元に流れる川を覗き込みました。
 そこには丸い石が所狭しと並んでいて、そこには緑色の水草が所々生えていました。そして、その水草の間を縫う様に、魚たちがモスティマから逃げていくように泳いでいました。
「綺麗だ」
 モスティマはそう呟いて、後ろの彼に振り返ろうとします。
「うわっ」
 しかし、半分ほど振り返ったところで何かぬるりとした感触を足裏に感じて、体に宙を浮く感覚が襲いました。首だけで振り返った彼の表情は、心底驚いていて、こちらに走ってこようとしているようでした。
 やがて、ざぶんと大きな水音がモスティマの耳を打ち、お尻に痛みと、体中に冷たい水気を感じることになりました。モスティマが水にぬれた顔を手で払って、目を開けると、そこには鮮やかな青空が広がっていました。
「大丈夫!?」
 一方の彼は川に入ったあたりで急に倒れたモスティマに、靴も脱がないまま川にざぶざぶと入っていきます。そして、座り込んで空を見上げたままのモスティマの隣まで大急ぎで向かうと、当の彼女は楽しそうに笑って彼を迎えます。
「いやあ、びっくりした。本当にびっくりした」
「びっくりしたのはこっちの台詞。大丈夫?」
 彼は心底心配そうな様子でモスティマに問いかけると、彼女は川の水を両手で掬い、それを彼の顔に向かって思いっきりかけます。
「わぶっ」
 突然のことにびっくりした彼は顔にかかった水を口の中に飲み込んでしまい、変な声をあげます。
「あはは、面白い声」
 モスティマはそんな彼のことを指さして大きな笑い声をあげ、一方の彼は自分の顔にかかった水を手で払いのけながら、目を吊り上げます。
「あなたねぇ……」
 モスティマはそんな彼女の怒った顔にもう一度水をかけてやろうと、両手で水をすくいあげようとしますが、それを見咎めた彼は足を大きく振り上げました。川の水は彼の大きく蹴りだされた勢いに乗って、大量に巻き上げられて、それがそのままモスティマの顔に直撃します。
「うわっ、やったね!」
 モスティマはやってくる水の塊を両手で防ぎ、素早く立ち上がります。そして、なおも水を蹴ってかけようとしてくる彼に、同じように素足を蹴り上げて対抗します。
 二人はしばらく足や、両手を使って水をかけ合い、体をずぶぬれにさせていきました。しかし、そんな時間も長続きはせず、彼は水を蹴り上げた時、足元の石が大きくずれて、バランスを崩し川に背中から突っ込んでしまいました。
 幸いにもお尻は打ちませんでしたが、もう完全に服は濡れ切ってしまうことになりました。
「冷た」
 彼は先ほどのモスティマと同じように雲一つない青空を眺めることになり、体中に感じる川の冷たさに感じ入ります。
 そして、彼の耳にざぶざぶと水をかき分ける音が聞こえ、やがてモスティマが傍に立って手を差し出します。
「ほら」
「ありがと」
 彼は一も二もなくモスティマの手を握り、
「あれ?」
 彼女のことを思いっきり引っ張りました。
 またもや大きなドボンという水音があたりに響き、モスティマと彼は折り重なるようにして川に座り込みます。
「酷い」
 モスティマは額に髪を引っ付けて、近い彼の同じように水にぬれた顔を覗き込みます。
「ふふっ、童心に帰ったわ」
 彼はいつもの仏頂面ではなく、純粋な笑みを浮かべていました。そんな表情を見てしまっては、モスティマはこれ以上の文句を言うことはできず、彼の体に密着して体重を預けることしかできませんでした。
「確かに、こんなこと街中ではできないね」
 モスティマは彼の耳に囁くようにそう言って、密着した体同士で体温を交換します。川の水は冷たく、服はそれを多く吸い込んでいましたが、二人の体温はそれ以上に暖かく、柔らかいものでした。
 彼もモスティマの体温をより感じるために、彼女の背中に手を回し、力強く抱きしめます。
「悪くなかった」
「そうだね。たまにはこういうのも良いかも」
 モスティマは力を抜いて完全に彼に体を預けながら言葉を返します。
 二人はしばらく川の中で抱き合って、やがてどちらともなく離れてゆっくりと立ち上がりました。そして、ざぶざぶと水を蹴りながら河岸の方へと歩いていきます。
 今度は倒れないように二人、手をしっかりと繋ぎながら。
おわり
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ななし@201c59
こんばんは~
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