初恋は夏の図書室でした。机に頬杖をついて、楽しくなさそうに本を読む姿に一目惚れをしました。
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あなたに彼女がいることをその後知りました。あなたの教室の前を通りかかったとき、初めて彼女の存在を知りました。この間言っていた「彼女の誕生日に、なんかあげたいから」唇を尖らせる藤原くんのことば、嘘だと思っていたとかじゃなく、私が信じたくなかっただけ。藤原くんに恋をする前に、この恋は叶わないってわかってたら、しなかったわけでもない。
彼女が隣にいるのにわざわざ私に声を掛けてくれるのも、わからない。檸檬が弾けたような笑顔、私に見せてほしくない。一度諦めたと思っていた恋が、また、。
藤原くんが近くに来てくれたの、びっくりして、持っていた次の授業の教科書、ぜんぶ落としちゃって。『大丈夫?』と屈託なく笑う藤原くんに必死に胸の音が聞こえないように、絶妙な距離感持ってたのに、『うわっ、ノートぎっしりやなあ!』『今度俺にも見してよ』とまたもぐいぐい、近くなる。
床にペタ、とついた膝。藤原くん越しの、藤原くんの彼女とか藤原くんのお友達とか、気になっちゃうのに、藤原くんの声とか目線とか、彼女以外の女の子に優しくするのとか、そういうのが、好きで、
〈丈〜?〉と呼ぶ、ポニーテールの女の子。先程まで藤原くんの隣にいた、藤原くんの、彼女。
振り返って立ち上がった藤原くんが私だけの藤原くんじゃなくなる。もとから違うけど、だって今まで私しか知らない藤原くんだったのに。
「また、」と手を振る藤原くん連れ去られてしまった。
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掃除の時間、廊下で走り回る男子たちの楽しそうな声が響き渡る。もしかしたら藤原くんかもって、声だけ聞いてもわかっちゃうのってなんか、恥ずかしいよなあ、なんて、図書室の小窓から覗くと、先生に怒られていた藤原くんが目に入った。ノールックで藤原くんのことが頭に浮かんだだけなのに、まさか当たると思わないもん、
藤原くんに彼女がいることを知ってから、私よくないことばかり想像しちゃうの。藤原くん、もうチューしたのかなとか、ドラマや映画とか、少女漫画でしか見たことないえっちなことしちゃったのかなとか。私変態なのかもしれない。藤原くんにこのこと知られたくないな。でもね、毎日のように、夢に藤原くんが出てくるの。私にチューしようと顔の角度を変えて近づいてきた藤原くんを拒んだその日の学校は、藤原くんとひとことも話せなかったのが、かなしかった。次見た夢は、藤原くんが彼女さんとチューしてるのを、遠くからわたしが見ていた夢だった。涙が出そうになるくらい辛かったのに、私、今でも藤原くんのことが好き。
廊下で先生に怒られてヘラヘラしてても、男の子ってかんじがして好き。距離はあるのに、ふと顔を上げた藤原くんがこっちを見て、ニヤけながら舌を出す、いたずらっこのようにはにかむ藤原くんのことが、好き。
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