やほ〜夜遅くにこんばんは ふぐです
今日も書いていこうと思います  がんばります!!
まさかどくん『ましろに酩酊』
………
夜が深くなってから私はまさかどくんに会えてない。
タイミングよくまさかどくんから『元気?』とか送ってきたらいいのに、と思いながら日々を重ねてきたが、全く音沙汰もないのが現実だ。
二個上の、元バイト先の先輩だったまさかどくん。お互いバイトを辞めて社会人になってから、あっちも忙しいのか連絡が途絶えたまま、私は彼の背中を思い振り返るのに、きっとまさかどくんは私のことを覚えてすらも無いんだろうなと思っていたから何もできずに、片想いをすることをやめようと思っていた。
きっとまさかどくんが公務員になっていたら、土日祝は休みだと思うから、たまたま今日の土曜が休みだった私から『元気?』と送った。寒くなってきた冬の真昼、何することも無いただの休日、だらだらとベッドの上で携帯をいじっていると、ピコンと鳴った通知音に飛び起きる。ちょっと鼻息が荒くなった、ローソンの公式LINEだった。
「くそ、」
何することもない休日、上から降ってきたローソン公式LINEの通知をタップすると、誤タップしてしまったのかまさかどくんとのLINEが写される。
ローソンからのLINEが来たことに間違いはなくて、まさかどくんから返信が来たことも間違いではないらしい。まさかどくんらしいひらがなのほわほわした感じで『元気やよ』と、たった四文字は、私には充分だった。
「風邪引いてないですか」『引いてへんよ〜 〇〇ちゃんは大丈夫?』
「大丈夫です」『よかった』「今日はお休みやったんですか?」
『うん、社会人になってから土日祝日休みもらえるようになってん』
「めっちゃいいですね!!」『〇〇ちゃんは今年から就活?』
「私も社会人です、でも固定休は平日で…時々土曜に貰えたりします」
『毎日頑張ってるんやな〜』
「そんなんまさかどくんもやん、」
なんか、まさかどくん、また脳死のまま甘やかすムーブしてるやろって返したかったけど、この返しも…なんかな、って思ってつまづいてしまった。
「まさかどくんも毎日頑張ってえらい」『ありがとう笑』
「いつも休み何してるんですか?」『何もしてへん〜散歩するんも行き飽きたし』「毎週散歩してるんですか笑」『そう…誠也くんにおじいちゃんやんって笑われた…』「おじいちゃん〜」『おじいちゃんちゃいます〜』
文字を打って送るだけで心がどきどきしてちょっと指先が震えて誤字しそうになってること、まさかどくんは知らないんだろうな。LINEだけじゃ足りなくなって、顔を見たくなったって言ったら、きもいって思われるかな。会いたい、ということをどういう風に言い回したらいいだろうか。
やり取りをしているうちに、カーテン越しに分かる空の色が段々と暗くなっていって、ああ、休日が終わってしまう、と。急いでしまったのかもしれない。
『今、大学の近くのコンビニ来てんねんけど、〇〇まだ家変わってへんかったら、今から来ん?』「え、いきます」『結構寒いからあったかくしておいで』
え、ねえ、すきです。文字としては打てなかったけど声にまで出てしまった。まさかどくんには届いてないけど、ひさしぶりに今日LINEしただけなのにそんなこと言われたら、そんなの好きだったことぶり返す。
――
「コンビニ、着きました!」
チャリから降りてすぐにLINEを送ると出入り口から出てきたまさかどくんと目が合う。手を少し上げるまさかどくんの手とか、変わらないようすの表情とか、背丈とか、こう…なんか、すきだな〜〜という…感じで。
「ひさしぶり〜」「お久しぶりです…サンダル、寒くないんですか?」「〇〇ちゃんも薄着やけど寒ないん?あったかくしておいでって言ったのに」「激チャしてきたのであっついです」「えーでも、女の子なんやし。夜にそんな短いの、危ないで?」「…短いって言っても膝上ですし」「膝上フェチおるかもしれんやろ〜?」「いないですよ」「俺が膝上フェチやったらどうする?」「え…、えぇ?どうする、って言われましても……膝枕くらいなら」「もー、〇〇ちゃんからノリ気なったらあかんやん」
そんなくだらない時間でも、笑いながらふと見えたまさかどくんの持っていたスーパー袋の中に、確かに四角い箱が入っていて。
「……まさかどくんって」「ん?」「たばことか吸う人でしたっけ」「ぁー…これ、なあ」、「元カノが好きやって、その影響がまだ続いてるみたいやな、」
"続いてるみたい"ってなんだよ、それ。自分のことなのに他人から言われるまで無意識に買って吸ってたってこと?元カノの存在のせいでまさかどくんが早死になってしまうんだよ、って考えてどうでもいいような感じで「ふうん」と返した。
「〇〇ちゃんって家このへんなん?」「…△△駅の近くです。」「え!まあまあ距離あるやん!断っても良かったのに」「だって……わざわざ今日だって何にもない日にLINEしたの、私ですよ?」「ん?そう…やね、」「なんでだと思います?」「んー、……なんで?」「まさかどくんに会いたかったからです、」「……そうかそうか。」
『なんで?』とあざとく首を傾げて、『そうか。』と大きな手のひらで私の髪を撫でるその体温。下に顔を向いたときにまた見えたお酒の缶を指差し、「私も飲める年になりましたよ」と言った。「ほな俺んち来る?」って、言ってほしかった想像のまま言ってくれるの、嬉しい。
――
ふたりで歩く夜道を抜けて、初めてまさかどくんが住むひとり暮らしのお家にお邪魔する。
ぬるくなってないけどお酒を冷蔵庫に入れ、すぐに飲みたいものは氷いっぱいに氷を入れて、淡い色のお酒を注ぐ。
「最近誰とも飲んでないから、うれしー…」「そうなんですか?誠也くんとかリチャくんとかと飲まくなったんですか?」「あの二人も忙しそうで…」「ふうーん……まさかどくん、酔ってます?」「ん、なんか〇〇ちゃんもおるしでペース狂ったみたい」「年上が先に酔うの、冷めるんですけど」「冷たいこと言わんでよ……」「……まさかどくん。」
喋り方もゆるいし、アルコールのにおいがするし、そんな強くもないお酒で酔うなんて私の中のまさかどくんとは違った。それでもさりげなく絡んだ指先があつくて溶けそうで、手の方に意識が持ってかれてるうちにまさかどくんとの顔の距離はどんどん近づいていて。まるでもうすぐキスしてしまいそうで。
「俺がほんまに膝上フェチやったらどうする?」「膝枕してあげましょうか?」「……最近、彼女とも別れたし…、人肌恋しいんよね、」「…いいですよ?」「…ほんまに?」「…っ。」
ほんとに、ちゅうをしてしまった。膝枕してあげましょうかって聞いて、半ズボンをたくし上げようとした手は両方共捕まえられてしまって、身動きもとれないまま、まさかどくんにちゅうされてしまった。
「…まさかどくん?」「泣きそうな声かわいい、ほんまは嫌?」「…い、いやじゃ、ないけど」「癒やしてよ、おねがい」「……、」
後頭部に添えられた左手の安心感がすごい。親指で耳を撫でられて、もしかしたらそういうことまでしちゃうんじゃないかと、どきどきして、る。
「まさかどくん」「俺は膝枕してほしいんじゃなくて、噛み跡付けたいなー…って思ってた」「……変態じゃないですか、」「うん、ずっと見てた。ごめんな?」「……わたしも、今日会う前からずっと、まさかどくんに彼女がおった、前からずっと、ちゅーしてほしいなって、思ってました。」
ほんとうに泣きそうになっちゃう、な。今日までのこと、全部が計算だと思われてしまったらどうしよう。自信無くして俯いていると、顎をくいっと上に向かされて、「かわいいよ」とまたキスをされた。
まさかどくんに『可愛い』と言われるたびに私の脳みそが溶けていく。朝になったら、骨だけになってしまうんじゃないかというくらい、まさかどくんの持つ熱に溶かされそうだった。
ふと目が覚めると、デジタル時計の時刻は『1:28』と表示されていて、むくりと体を起こすとベランダから冷たい風が入ると同時に、「起きた?」とまさかどくん。
「…起きました。」「体もう大丈夫なら送ってくけど」「……、大丈夫です、。」
「まさかどくん、ごめんなさい」「いや、俺も酔った勢いで」「ちがうんです。私の家、コンビニから10分で着くんです。」「……ほな一人で帰れる、な?」
そんなくだらない嘘つかなくてもこんな結果になるなら。
『ほな、一人で帰れる、な?』と言って、着替えていた私の後ろを通って行ったまさかどくんはタバコの匂いがした。
「じゃあね。気をつけて」
「……はい、」
マンションの下まで降りてくれたけどそれ以上、私が想像していた優しいまさかどくんはいなくて、ただまだ思い出に残っているのは先程の熱さと、元カノの影響で無意識に続けているらしい臭いタバコの匂いと。
まさかどくんと出会った、あのバイト先のときみたいに、まさかどくんに「またね」って言ってもらえなかったから、明日は来ない。
じんじんと痛む、膝上の内側のこれは、きっと確かに、たぶん、愛の証。
カット
Latest / 70:28
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
mskdくん
初公開日: 2021年11月26日
最終更新日: 2021年11月27日
ブックマーク
スキ!
コメント
企画のmskdくん書いてく……相変わらず口と手を同時に動かせないのろまなので見守ってほしい〜
にしはたくん
にしはたくんの死ねた書く・・・ファンタジー強めな予定
29
sezwくん
企画のsezwくんを書く
29
現パロ伍少の短い小説を書く
初めてテキストライブ使います!現パロ同棲設定なのでお口に合う方だけどうぞ~!
路也(みちや)
作業部屋
オリジナルのファンタジーBL書いてます。何かあればどうぞ。
チャット
リオネス