レイダーたちの拠点、クレーターのコアの中、その男の周囲だけ、空気が違って見えた。静謐で、しかし華やかな、まるで戦前のダンスパーティーのフロアのような。彼の名はジョニー。パリッと糊の効いたスーツに身を包み、しかしレイダーらしい口の悪さで俺を出迎えてくれた。
 Vaultの住人にはそれなりに嫉妬しているらしいが、俺たちのような76の住人と話すのは楽しいと言う。矛盾している、とは思うが、その気持ちも理解出来なくはない。自分の知らない世界の知識を持つ相手と話すのは楽しいものだ。それに、彼は年若い自分にそんな嫌味を言ってもどうしようもないと、理解はしているらしかった。Vaultで生まれ、Vaultで育った自分に、Vaultの連中はどうだと言われても、どうしようもない。生まれた時から、外に出られなかったのだから。
 それはさておき、一年以上もアパラチアで生活し、ある程度酸いも甘いも噛み分けてきた俺にとって、彼はとても魅力的に映った。平たく言うと、一晩共にするにあたり、とてもイイ思いが出来そうな相手に見えた、ということである。
「大した服装だな」
 俺が彼にそう言うと、店員のいない服屋は山程ある、と返事をした。確かにそうだ。俺も、店員のいない服屋には大いに世話になっている。彼は、洗濯の仕方は企業秘密、と続けた。なるほど、気に入った服でも、川で洗っているうちに傷んでしまうものだ。効率的な洗濯の仕方は気にはなったが、すぐには教えてくれそうにないので、俺は一言だけ返事をしてその場を去った。
「今度は俺もとっておきの服を着て、会いに来るよ」
 ジョニーはそれを聞いて、ニヤリと笑った、ように見えた。きっと、俺の意図を正確に理解してくれたに違いない。
 後日、俺はCAMPの収納箱の奥から引っ張り出した「とっておき」の服を着て、クレーターを訪れた。周囲の視線が痛い。けれど、誰からも呼び止められることは無かった。多少なりとも、彼らに顔を売っておいて良かった。いや、良かったと言って良いのか? わからない。わからないが、邪魔をされないのはありがたい、と思うことにした。クレーターのコアの中、レイダーたちの……特にメグの視線がとてつもなく痛いが、それもどうにか無視をして、俺はジョニーの部屋へと向かった。
 ジョニーは俺の姿を見て、マジかよ、という声を漏らし、しかし、好色そうな笑みで、俺の全身を舐め回すように見つめた。きらびやかな赤いドレス。履きなれないハイヒールはでここまで来るのは大変だったが、その反応を見るに、その甲斐はあったらしい。
「それがお前の「とっておき」か?」
「ああ、それなりに上等だろ?」
 ドレスの裾を摘んで、ひらひらと振ってやると、ジョニーは彼の服と同様に品のある、立派なベッドにどっかりと腰を下ろして手招きをした。
「もっと近くで見せてみろ」
 仰せの通りに、俺は彼のベッドまで、こつこつと足音を響かせながら歩いていった。ここまで来て、躓いてしまうのは恥ずかしい。出来る限り慎重に足を進めた。
「んッ……ちょっと……」
 俺が彼の前まで来ると、ジョニーは腕を伸ばして、俺の尻を鷲掴みにした。
「まさかお前の「とっておき」がこんな服だとは思わなかったよ。こういうのが趣味なのか?」
「……そうだよ。普段は隠してる……あん、んっ……もう」
 ジョニーの手が、尻から太ももへ、いやらしい手つきでするする滑っていく。まずい、もう、勃っちゃう。
「隠してたのに、こんな格好でここまで来たのか? 皆、どんな顔してた?」
「すごい顔してたよ……んっ、いやらしい目で見てた奴もいたかも……」
「だろうな」
 ハイヒールのせいもあって、今にも足がもつれそうだった。ジョニーは平然と、俺の下半身をゆるゆると撫で回している。思っていたように、彼はとても意地悪だ。早く、もっといじめて欲しくなってくる。
「おいおい、もうこんなにしてるのか? 服の上からでもわかるぞ」
「だって……」
 だって、じゃないだろ、と、ジョニーはドレスの上から、つう、と俺の勃起したペニスをつついた。俺はいよいよ足を支えられなくなり、ふらりとよろけてしまった。ジョニーは手を伸ばし、自分の方へ倒れるように支えてくれた。こういうところは、とても、ずるい。ジョニーにもたれかかるように倒れた俺は、目の前の整った顔にどきりとして、離れなくては、と思い、彼の肩に手をかけた。と、その時。
「ンン……ッ、ちょっ……」
 ジョニーが俺の唇を塞いで、そのまま、体を後ろに倒してしまった。俺が押し倒したみたいな格好になってしまったが、違う。彼が――彼のせいだ。でも、離れられないのは、彼の熱い唇が、ぬるい舌の感触が心地良すぎたからだった。
「ふ、はあっ……あ、ん……」
 口内を好きに舐め回されながら、ジョニーの手は、俺のドレスの中に侵入して、太ももを撫でている。股間にはジョニーの膝がぐりぐりと当てられて、どんどん固さを増していっていた。声が抑えられずに、涎と一緒に喘ぎが漏れてしまう。恥ずかしい。ここ、ドアも何もないのに。きっと、皆に筒抜けになっているのに。でも、ジョニーは気にする風もない。
「好き者そうだとは思ってたが、ここまでとはな。Vaultで何を勉強してきたんだ?」
 ジョニーは口を離すなり、俺を小馬鹿にするように笑った。でも、不思議と腹は立たない。
「ん……こういうことを勉強しなかったせいで、こうなっちゃったんだよ」
「ふふ、違いない」
 ジョニーは俺の答えに笑うと、体勢を入れ替えて、俺をベッドに押し倒した。俺に馬乗りになったまま、ジャケットを脱ぎ、ベッドヘッドに放り投げる。蝶ネクタイを外し、ワイシャツをはだけさせると、見た目よりも厚い胸元が顕になる。それがあまりにセクシーでどきりとして、否応なしに期待してしまう。きっと、激しく、乱暴にしてくれるだろう、と。
「おい、どこ見てんだよ」
「あ……あんまり、イイ体してるからさ……」
「褒めても何も出ねえぞ」
 と言いつつ、ジョニーは嬉しそうである。ドレスの裾を踏まないように、器用に俺の足を持ち上げると、すぐにそれに気付いた。
「ったく、変態かよ。下着もつけてねえとはな」
「早くしたかったからさ……手間が省けていいだろ?」
「馬鹿。本当に、こういうことしか考えてねえんじゃねえのか……っと」
 足を大きく開かされて、局部をすっかり見られてしまうと、また興奮してきてしまった。すっかり勃起して、先端から先走りを垂らしているペニスも、ここに来るまでに準備をして、潤滑剤でやわらかくなっているアナルの入り口も、全て、目の前の男に暴かれている。
「ガキの癖に、随分遊んでるじゃねえか」
 ジョニーの指が、いきなり二本、中に差し込まれた。ぐちゅぐちゅと水音が聞こえる。縦に割れてんぞ、一体何人と寝たんだよ、ジョニーの問いかけには答えられなかった。忘れちゃったよ、そんなの。それに、久しぶりの男の指が気持ち良すぎて、答えらしいものが口から出てこない。
「あっ、ああッ、らめ、いきなり、そんなの……ッ!」
「おい、声でけえぞ」
「だって、あ、だめッ、すぐイッちゃうからあっ……」
「マジか、はええよ……まだ入れてもねえんだぞ。ほら、好きなだけイッちまいな」
「んっ、あ、ああ~~~~~❤」
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ほろよい配信③(fallout76)
初公開日: 2020年05月10日
最終更新日: 2020年05月10日
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