この孤児院は、身寄りのない獣人の子どもたちを集めた場所で、クリサンセマムと呼ばれています。ここでは、学齢期前の子どもから大学生まで、幅広い年齢の子どもたちが暮らしています。大学三年生で、二十歳のユウゴが子どもか? と言われると、難しいところはありますが……大学に通いながら、孤児院の仕事をしているので、実質、住み込みで働いている従業員のようなものだと思ってください。高校を卒業した子どもたちは、概ねユウゴと同じような生活を送ったり、家賃と食費代わりにお金を納め、ここに住み続けたり、就職して出ていったりと様々ですが、皆穏やかに、仲良く暮らしていました。
 ここに暮らしている子どもたちの中に、一際仲の良い狐と猫の男の子がいました。狐の子はキースといい、兄が二人いて、兄弟みんな仲良しなのですが、猫の子であるメイベルと同じ部屋で暮らしたい、という、たっての希望で、兄たちとは別々の部屋で暮らしています。
 部屋が別れているとはいえ、孤児院では、概ね皆共同スペースに集まって過ごしているので、寝るところが一緒、という程度の違いなのですが、中学生と高校生の若い二人にとって、それは重要なことでした。
 学校から戻って夕食を食べ、共同スペースで仲間たちと遊んで、順番に風呂に入ると、部屋に戻って寝る時間です。皆、風呂の待ち時間の間に宿題を終わらせてしまうので、部屋に戻ると、もう寝るしかありません。
 キースとメイベルは、キースの兄弟たちと一緒に風呂に入ると、二人で部屋に戻って、ふふっと笑いあい、部屋に鍵をかけました。これからは二人だけの時間です。
 まだ中学生と高校生なので、あまり過激なことは出来ませんが、二人でベッドに入ってキスをしたり、体を触り合ったりは、毎日のようにしていました。兄たちにはバレないように……と気をつけているつもりでしたが、二人部屋で生活している時点で、大体バレています。そうでなくても、普段から距離が近すぎるので、気付いていないと思っているのは、当の本人たちだけなのでした。
「先輩、もう寝ちゃう?」
「うん……ちょっと、教えて欲しいことがあるんだけど、良いかな」
「もちろんだよ! なんでも聞いて」
 残念ながら、年上のメイベルはあまり賢くありません。高校生で、キースより三つも年上ですが、勉強でわからないことがあると、良くキースに教えてもらっていました。これはメイベルがどうこうというより、キースが勉強が好きすぎて、高校生どころか大学生レベルの勉強もほとんど理解出来てしまっているからなのですが、人前で年下に勉強を教えてもらう、というのは、ちょっと恥ずかしくて、二人きりの時に、こっそり教えてもらうようにしているのです。
 部屋に備え付けの机に座って、メイベルは教科書とノートを開きました。今日は数学を教えて欲しいとのことです。今日習った内容らしいのですが、あまりついていけなかったらしく、メイベルはうなだれて、キースの説明を聞いていました。
「で、ここの公式を使うと、あれがこうしてこうなって、答えがわかるって感じだよ~」
「な、なるほど……」
 キースの説明はいつも的確で、授業で聞いているより、ずっとわかりやすい、とメイベルは感心しました。キースは将来何になるんだろう。こんなに頭が良いのだから、学校の先生、いや、どこかの研究者にでもなって、すごい発明をしたりするのかも。自分の恋人が大物になるというのは、誇らしくもあり、ちょっと寂しくもありましたが、キースはいつも生き生きとして、楽しそうにしているので、素直に喜ぶことにしました。
 思っていたよりずっと早く勉強が終わったので、メイベルはキースにお礼を言って、教科書とノートを閉じました。どうにか赤点をとらずに済んでいるのは、間違いなくキースのおかげです。キースはいつもどおり、どういたしまして、と笑って、メイベルの手を取りました。お礼はベッドでもして欲しい、ということのようです。
 メイベルは部屋の電気を消して、着ていた寝間着を脱いでしまうと、するりとベッドにもぐりこみました。ベッドの中では、すでにキースも真っ裸で待っています。毛布の下で、キースのもふもふのしっぽが揺れているのがわかりました。早く来て欲しくて待ちきれないのでしょう。
 素肌同士が触れ合うと、
あっ エッチなの書いたらあかんのか…?とりあえずここまでにして、加筆して後ほどあげときます・・・
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ほろよい配信②
初公開日: 2020年04月26日
最終更新日: 2020年04月26日
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