The Unknowns 1話
前回までのあらすじ
再就職先に来たのに誰もいないんだけど、開いてたから中入っちゃったマンなアトラスくんなのでした。
「誰かいるなら返事してくださーい!」
 アトラスは歩いていると、ちょっとした違和感に襲われた。さっき、はく製と鎧が向き合ってなかったか? さっきまでずっとはく製同士、鎧同士で向き合っていたはず。そのはずなのに、さっきの鎧とライオンのはく製は向き合っていなかったか? アトラスは後ろを振り返った。
 鎧と、ライオンのはく製は前のめりになっていた体をすぐに戻した。アトラスはそれを見逃さなかった。
 動いたよね? 明らかに動いたよね? いや、待って気のせいかな。目の錯覚か何かかもしれない。なんせ廊下の灯りが不安定に明るくなったり暗くなったりなんだもん。なんか自分も信用できなくなってきた。
 アトラスは、また歩き出した。十歩くらい歩いたところで、また瞬時に振り返った。鎧とライオンのはく製は流石にいち早く反応して元の場所に戻った。
 いや、動いてるだこれぇ!! 流石にわかっちゃうやつだよこれ。
 アトラスは動いたであろう鎧とライオンのはく製の元に近づいて、鎧を軽くコンコンと叩いてみたり、はく製を撫でてみたりしたが動かない。アトラスは絶対動いてるという気持ちと、勘違いであるという気持ちが両方膨らんでしまい、結局その場を離れることにした。が、少し歩くと、鎧特有の金属のこすれた音が聞こえて、アトラスは振り返った。鎧は慌てて元の場所に戻った。アトラスはその二体に呼びかけた。
「そこにいんのわかってんだよ! 出て来たらどうだ!」
 しかし、声も音もしない。アトラスは頭を掻いた。これは参ったどうすればいいのやらと頭を悩ませてると、金髪の男『アンノウンズ』に言われた言葉を思い出した。
『そうだそうだ。家にいる子どもたちはね、だるまさんが好きなんだ。何度もやらされたことがあって、それはもうマジで疲れた』
 彼は笑顔で話していた。鎧とライオンのはく製の正体はわからないが、あとすごく恥ずかしいがやってみるしかない。アトラスは彼らに背を向け少しずつ歩きながら大声で叫んだ。
「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだっ!」
 振り返ると、鎧とライオンのはく製が通路側に乗り出していた。アトラスは内心ノリノリじゃねえかとツッコんだが、気を取り直してまた前を向いて叫んだ。
「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだっ!」
 また振り返ると、鎧の方が近づいてきていて、ライオンのはく製は出遅れていた。アトラスは内心ライオン頑張れ! と声援を送った。でも、ここまで近づいてきてるなら、捕まえられるかもしれない。アトラスは少しアレンジしてみた。
「だーるーまーさーんーがーころんだっ!」
 最後を走り気味に叫んで後ろを振り向いた。すると、止まり切れなかったのか鎧が倒れて、その上にライオンも乗っかった。アトラスは二人の元へ歩いていき、しゃがんで鎧に手を置いた。
「はい、動いた」
「うあああああ!!」
 叫んだのは鎧ではない。ライオンの方だ。ライオンの姿なら、あの咆哮がイメージされるだろうが、そのライオンのはく製の口からは少々強気な少女の声がした。
「せっかくバレずに済むと思ったのに! イオン! お前が前に出て邪魔するから!」
「そっちだってわたしの足踏んだくせに!」
 鎧からも少女の声がしたかと思いきや、鎧とライオンは二人で言い争いを始めた。アトラスはそのやりとりをぼーっと見ていたが、ここで気が付いた。
 そういえば、この屋敷には子どもがいたはず。たしか、ふたり。
「あのー、ちょっといい?」
 アトラスは二人に話しかけた。
「この家に子どもが二人いるはずなんだけど、知りません?」
 鎧とライオンは静かになった。ゆっくりとアトラスの方に顔を向けた。
「なんで知ってるの」
「なんでここにいるの」
 一気に空気が張りつめ、アトラスは一歩なのでした。
「誰かいるなら返事してくださーい!」
 アトラスは歩いていると、ちょっとした違和感に襲われた。さっき、はく製と鎧が向き合ってなかったか? さっきまでずっとはく製同士、鎧同士で向き合っていたはず。そのはずなのに、さっきの鎧とライオンのはく製は向き合っていなかったか? アトラスは後ろを振り返った。
 鎧と、ライオンのはく製は前のめりになっていた体をすぐに戻した。アトラスはそれを見逃さなかった。
 動いたよね? 明らかに動いたよね? いや、待って気のせいかな。目の錯覚か何かかもしれない。なんせ廊下の灯りが不安定に明るくなったり暗くなったりなんだもん。なんか自分も信用できなくなってきた。
 アトラスは、また歩き出した。十歩くらい歩いたところで、また瞬時に振り返った。鎧とライオンのはく製は流石にいち早く反応して元の場所に戻った。
 いや、動いてるだこれぇ!! 流石にわかっちゃうやつだよこれ。
 アトラスは動いたであろう鎧とライオンのはく製の元に近づいて、鎧を軽くコンコンと叩いてみたり、はく製を撫でてみたりしたが動かない。アトラスは絶対動いてるという気持ちと、勘違いであるという気持ちが両方膨らんでしまい、結局その場を離れることにした。が、少し歩くと、鎧特有の金属のこすれた音が聞こえて、アトラスは振り返った。鎧は慌てて元の場所に戻った。アトラスはその二体に呼びかけた。
「そこにいんのわかってんだよ! 出て来たらどうだ!」
 しかし、声も音もしない。アトラスは頭を掻いた。これは参ったどうすればいいのやらと頭を悩ませてると、金髪の男『アンノウンズ』に言われた言葉を思い出した。
『そうだそうだ。家にいる子どもたちはね、だるまさんが好きなんだ。何度もやらされたことがあって、それはもうマジで疲れた』
 彼は笑顔で話していた。鎧とライオンのはく製の正体はわからないが、あとすごく恥ずかしいがやってみるしかない。アトラスは彼らに背を向け少しずつ歩きながら大声で叫んだ。
「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだっ!」
 振り返ると、鎧とライオンのはく製が通路側に乗り出していた。アトラスは内心ノリノリじゃねえかとツッコんだが、気を取り直してまた前を向いて叫んだ。
「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだっ!」
 また振り返ると、鎧の方が近づいてきていて、ライオンのはく製は出遅れていた。アトラスは内心ライオン頑張れ! と声援を送った。でも、ここまで近づいてきてるなら、捕まえられるかもしれない。アトラスは少しアレンジしてみた。
「だーるーまーさーんーがーころんだっ!」
 最後を走り気味に叫んで後ろを振り向いた。すると、止まり切れなかったのか鎧が倒れて、その上にライオンも乗っかった。アトラスは二人の元へ歩いていき、しゃがんで鎧に手を置いた。
「はい、動いた」
「うあああああ!!」
 叫んだのは鎧ではない。ライオンの方だ。ライオンの姿なら、あの咆哮がイメージされるだろうが、そのライオンのはく製の口からは少々強気な少女の声がした。
「せっかくバレずに済むと思ったのに! イオン! お前が前に出て邪魔するから!」
「そっちだってわたしの足踏んだくせに!」
 鎧からも少女の声がしたかと思いきや、鎧とライオンは二人で言い争いを始めた。アトラスはそのやりとりをぼーっと見ていたが、ここで気が付いた。
 そういえば、この屋敷には子どもがいたはず。たしか、ふたり。
「あのー、ちょっといい?」
 アトラスは二人に話しかけた。
「この家に子どもが二人いるはずなんだけど、知りません?」
 鎧とライオンは静かになった。ゆっくりとアトラスの方に顔を向けた。
「なんで知ってるの」
「なんでここにいるの」
 一気に空気が張りつめ、アトラスは一歩後ろに下がった。ライオンは鎧の上から下り、鎧は立ち上がった。
「不法侵入!」
「不法侵入!」
「はい?」
 ライオンと鎧が口々に叫んだ。不法侵入!? いや確かに勝手に入っちゃったけど、とアトラスは心の中でぼやくが、二人はそんなのをおかまいなしであった。鎧はライオンにまたがった。ライオンは先ほどよりも身体を大きくさせる。気づくと、アトラスが見上げるくらい大きくなっていた。
「天誅!」
 ライオンと鎧が叫んだかと思うと、鎧は手に持っていた剣をアトラスに振り下ろした。アトラスは後ろに下がって避けたが、また剣を振り下ろされそうになったため奥の部屋に向けてダッシュした。
「待てー!」
「逃がさんぞ、不法侵入者―!」
「うっかり入っちゃったけど、不法侵入じゃないよー!」
 二人からの言い分に対してアトラスは反論したが、その言葉は余計に怪しまれるだけであった。鎧とライオンは周りにある他の鎧やはく製を薙ぎ払いながらアトラスに迫った。
「嘘つきはダメだぞー!」
「そうだー! えんまさまに舌を抜かれるぞー!」
「えんまさまって誰ー!」
 アトラスは奥の部屋に辿り着いた。そこには暖炉、ソファーが3脚あり、床には絨毯が敷かれていた。しかし、出入り口が一個しかなく、周りを見回しても行き止まりになっていた。ドスンと音が鳴り振り返ると、鎧とライオンは部屋の中に入ってきていた。アトラスは後ずさりしたが、最終的に壁まで追い込まれた。
「もう終わりだー!」
「死ねー!」
あぁ、もうダメかもしれない。アトラスは壁に触れていた手を下ろした。すると、自身のコートのポケットの膨らみに触れる。そこでアトラスは思い出した。その間にも剣が降り降ろされようとする。アトラスはすぐさまポケットに手を入れ、中身を取り出して二人の前に突き出した。剣の動きが止まった。二人はお菓子の包みをじっと見ていた。ゆっくりと首を同時に傾げる。
「これ何?」
「何?」
「あの、お土産というか、今日特別な日でしょ? なんていう日か忘れちゃって出てこないんだけど……たまごがたくさん町に飾ってあったんだ」
 すると、二人は叫んだ。
「イースターだ!!」
 気づくと目の前には鎧とライオン、手に持っていたお菓子の包みの姿はなく、目の前にはふたりの少女が立っていた。
 ふたりともロングストレートの髪の毛に、ひとりは水色、もうひとりは黄緑色の髪色と目の色をしていた。そのふたりはアトラスから奪い取ったお菓子の包みをキラキラした瞳で見つめていた。アトラスは呆気にとられたが、すぐにしゃがみこみ少女たちに話しかけた。
「さっきのって君たちなの?」
 ふたりの少女はアトラスの方を向くと、うんと頷いた。
「そうだよ」
「だってあんた不法侵入じゃん」
 その言葉にアトラスは少し顔が歪む。
「いや、勝手に入っちゃったのは謝るけど、僕はここに来てって言われてここに来たんだよ。アンノウンズさんの家ってここで合ってる?」
 『アンノウンズ』という名前を聞いて、ふたりの少女はお互いに顔を見合わせた。その後、またアトラスの方を見た。
「パパが言ってた……」
「新しい家族……」
 家族? アトラスはびっくりした。家族だなんて聞いてなかったからだ。だが、ふたりの嬉しそうな表情を見ると、何も言えなくなった。
「ねえ、名前なんて言うの? わたし、イオン」
「んで、わたしがレオンな!」
 水色の髪の少女がイオンと名乗り、黄緑色の髪の少女はレオンと名乗った。アトラスも改めて名乗ることにした。
「僕はアトラス。アトラス・レロ・セバスチャンっていうんだ」
 すると、イオンとレオンはクッキーを一つ取り出し、自分の口元に持っていく。ここでアトラスは自身の失敗に気付いた。が、時すでに遅し。イオンとレオンはクッキーをレロレロレロレロと舐めだした。
「レロレロレロレロレロレロレロレロ」
 ご丁寧に効果音付きで。
「やめてくれー! あぁ、フルネーム言うんじゃなかったちくしょー!」
 アトラスが泣き叫んでいると、廊下から声がした。
「おや、アトラスくんもうふたりと会ってたんだね。遠いところからご苦労様」
 三人は出口の方を見ると、そこには金髪の男『アンノウンズ』がにこやかに立っていた。
「パパ!」
 イオンとレオンはアンノウンズに駆け寄った。アンノウンズはふたりの頭を優しく撫でる。アトラスは静かに立ち上がった。
「勝手に入ってすみません」
「いやいや、私こそ遅れちゃってごめんね。ところで……」
 アンノウンズは鎧やはく製がなぎ倒されてごちゃごちゃになった廊下を指さした。
「あれ、誰がやったの?」
 イオンとレオンは静かにアトラスを指さした。
「違う!」
1話 おわり。
ひょええええおわったああああああ見てくださってありがとうございました!
再度見直しというか推敲してどこかにアップしますよろしくです。
カット
Latest / 190:27
カットモードOFF
65:41
ななし@8d6002
エッ甘粕ユルサナイ絶対ニ
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向き
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完成させっぞおらああああああああああ
初公開日: 2020年05月06日
最終更新日: 2020年05月06日
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コメント
しばらく書いたらちょっとお買い物してまた再開します。
V
アンノウンズ4話をちみちみと書く回。
プロット的なものも兼ねてます。核心は書かないで胸にしまっておきます。
Vanesa
筋トレ
リチャードさんはリンデンバウムの葉が茂るころ、かつての母校で動物になってしまいたかった話をしてくださ…
瀬をはやみ