エアブー スケブ
考えながら書いてるのでだいぶ遅いと思う…30分しないくらいで一回中断しますがよろしくどうぞ
お題『ショタで結婚の約束をする快新』
※過去改変があります、ご注意ください
快斗とは幼稚園時代、大の仲良しだった、と思う。
両親同士も仲が良くて頻繁に遊んでいた。
「引っ越し?」
「……うん」
普段通りに遊びに来た快斗の表情は、普段とは違った。
笑顔が似合うやつなのに、なんだか苦手な魚がたくさんいる水族館に遠足が決まったかのような顔がすごく印象に残った。
「おやじが、マジックがもっとできる外国にね、行くんだって」
外国。
飛行機に乗ればいつの間にか着いてて、知らない人が知らない言葉で話してるよくわからない場所。
何で両親は外国に行きたがるのか分からなかった。家の方がたくさん本も読めて楽なのに、準備もしなくて楽なのに、快斗とも遊べて、楽しいのに。
「マジックもおやじも好き、でも新一も好きなのに」
もう会えなくなっちゃうんだって
その言葉もよくわからなかった。
「やだな……」
ポーカーフェイスだぜ! といつもならうるさい快斗が、変な顔をしているのがとても不思議だった。
その顔を見たくなくて俯くと、読んでいたホームズの絵本に挟んである、四つ葉のクローバー柄の栞が目に入った。
何か閃いたわけでもなく、ただそうしなければならないような気がして半分に引きちぎった。
「え! 新一、どうしたの!?」
「あげる」
「え?」
ビリビリの栞の半分を快斗の手に押しつけた。『親父に教えてもらったんだ!』と嬉しそうにマジックを披露していた手に、不格好な紙くずはなんだか似合わない気もした。
「俺からの、俺の、俺だから…だから、お守り、持ってて」
何て言えばいいのかわからない。さっきからわからないことだらけだ。いつもなら、快斗と一緒なら、わからないことなんてすぐなくなるのに。
「絶対なくさない」
快斗はすぐポッケにしまった。あんな軽い紙くずだから、今すぐにでもポッケから飛び出してどこか知らないところへ行ってしまうのだろう。
いや、
知らないところにはこのポッケの持ち主ごと行ってしまうのだ。
「ね、新一はケッコンって知ってる?」
突然快斗が変なことを聞いてきた。
「ケッコン? 父さんと母さんがしてるやつだろ?」
「ケッコンって、ずっと一緒にいたい人と大人になったらできる約束なんだって」
「約束……」
ずっと一緒にいたい人。そんなの決まってるけど、でも。
「俺、新一と大人になったらケッコンしたい、ずっと一緒にいたい」
「俺も……けど、お前、いなくなっちゃうじゃん」
そうか、快斗はここからいなくなるのかと、自分で言った言葉で実感が急に湧いてきた。
静かな空間。小鳥のさえずりも風の音も聞こえてこない。
遊び回って喋りまくったはしゃいでいた二人の想い出とも言えるこの自分の部屋は、案外静かな場所だったと初めて知った。
暖かい感触が両手に触れて、呼ばれたように快斗の顔を見た。
「絶対、絶対帰ってくるから、新一のとこくるから、ケッコンするから、待ってては……くれない?」
彼の目と自分の目に、同じような光が反射したように思えた。
「待ってるから、約束……破ったら────」
「うん!! じゃあ約束守ったら────」
なんて約束をしたのはもう10年以上も前のことだ。
机の上に当然のように佇んでいて、大掃除の度にうまく捨てられない二つの葉を見ながら、テレビでは若き天才マジシャンのニュースが読まれている。
こんなことならサインでも貰っておけば良かった。
「随分と、雲の上の人になっちまいやがったなぁ……」
この部屋は、今でも外の音も遠く静かなままだ。
子供の時に交わした約束なんて、当時はそれしか考えられないほど本気だけれども、大人になったら笑って語る想い出話となるもので。ズタズタの栞を眺めては自嘲するように、そして彼の成功を祝うように笑みだけが零れる。
連絡先は知らない。親に聞けば分かるだろうが、わざわざ聞くのも恥ずかしかった。
幸いなことに彼は有名人でたまにショーもやっていると聞いたから、こっそり見に行くぐいらいいつだって出来る。どうせ彼は自分のことを覚えてはいないし、知らない人から挨拶されても困るだけだろう。記憶力は当時からすごかったから覚えてはいるかもしれないが、所詮過去の友人だ。
知っているのは当時の彼の家だけ。もう引っ越してしまったのだから行くだけ無駄だろう。行ったところでどうにもならないし、
ピンポーン
静かな部屋にチャイムの音が大きく響き渡るように鳴った。
「はーい」
とりあえず在宅であることだけは主張しつつ、玄関へと向かう。
誰だろう
テレビの前を通り過ぎる時、丁度過去の友人がカメラに向かって笑った。
『今度からは日本を拠点に活動するつもりなので、どうぞよろしくお願いします』
「はい、どなたです……か」
玄関の扉を開けると、なぜかテレビで見た光景とそっくりだった。
「久しぶり、新一」
「なんで……」
幼い頃の面影を残して成長した彼の姿を見間違うわけがなかった。
「迎えにきた」
「迎えにきたってお前……」
わからない、わからない。
何て言えばいいのか、またわからなくなってしまった。成功を祝わなければ、おめでとうと、夢を掴んですごいなと、
「新一とケッコンの約束、果たしに来た。だから」
『待ってるから、約束……破ったら、嫌いになる…』
『うん!! じゃあ約束守ったら……
俺のこと、好きになって」
あの日の快斗の声と、全く同じ声が聞こえた。
ハートありがとうございます!嬉しい!
一旦ここで閉めますね!あとはちょこちょこ手直ししようと…
プロットみたいな書き方でしたが見守ってくださってありがとうございました!!
それでは