『傷だらけの愛を』の続きを書いていきたいと思います。交流する座布団です。
今日の座布団のくりんば
雨に降られる。途中のバス停で雨宿り。夕立かな、と空を見上げるその人のシャツが肌に張り付いて透けている。目に毒だから、上着着てて。
#今日の二人はなにしてる #shindanmaker
これをいいかんじに書きたいな
①まんばちゃんと大倶利伽羅くんにお友達を作ってあげたいな……香る程度でいいから……美術科映像科合同バーベキューとか5~6人で 大倶利伽羅(映像科)、山姥切国広、御手杵、獅子王、歌仙兼定、鶴丸国永?
食堂で大倶利伽羅と昼飯を食べているといつものメンツが集まってきた。獅子王、御手杵、鶴丸、歌仙、大倶利伽羅、俺の六人だ。それぞれ弁当だったり、定食だったりを食べているところで、獅子王が皆の注目を集めている。
「夏休みバーベキューしようぜ!」
映像科の獅子王の田舎のお爺さんが空き家を持っていて、掃除ついでに肉でも焼いたらいいとのことらしい。
「じゃあ俺が車出すぜ」
美術科の御手杵が車を出してくれるらしい。運転は免許持っている組で交代制になった。
「俺は驚きの遊びを調達してこよう!」
映像科の鶴丸には美術科の歌仙がお目付け役としてついていくことになった。
「じゃあ俺たちは……食材か」
「六人分の食材だからな、大倶利伽羅頼むぜ!」
「国広に任せたら予算オーバーだろうからな」
「そんなことない。華麗に食材を調達してみせる」
「無理だな」
「肉買ってきてやらないぞ」
そんな感じで俺達は六人で夏休みはバーベキューをすることになったのだ。
大倶利伽羅とは肉とその他を買いに行った。大きな業務用食品市場で肉屋と魚屋と八百屋が屋台のように並んでいる。威勢のいい集客の呼びかけや値切りや雑談が聞こえてきてざわざわしている。
水をよく使うのか通路は水で濡れていて、大倶利伽羅が長靴を履いてこいと言っていたのが理解できた。
「肉を買うんだったな」
「野菜が先だ」
「野菜なんてオーダーにあったか?」
「米も買うぞ」
「どうして」
「この予算じゃ肉だけで腹を膨らませるのは無理だ。男が六人もいるんだぞ」
それもそうか、御手杵は三人前くらい食べるし、俺もあるだけ食べてしまう。大倶利伽羅も見た目にそぐわずいっぱい食べるのだ。
野菜はジャガイモ、タマネギを買った。大倶利伽羅の個人的な趣味でピーマンを丸焼きにしたいそうで、それも購入。
「重い」
「頑張れ荷物持ち」
空っぽのリュックに野菜を入れて、次は肉だ。
「肉っていっぱい種類があるんだな」
「国広だけだったら、肉か魚かそうじゃないか、くらいしかわからないから楽でいいんだけどな」
「流石に豚肉と鶏肉くらいはわかるぞ」
「ほんとか?」
疑う眼差しが少し痛い。この間大倶利伽羅が作ってくれた肉巻きおにぎりは豚肉だったと思う。多分。
「カルビとタン、トントロがあったらいいだろうか」
「こっちの小間切れは安いのに駄目なのか」
「そっちは肉が薄くて網にのってもすぐに焦げるぞ」
大倶利伽羅はパックされている肉のグラムをしっかり見て、一人あたりの肉の量を計算しているようだった。
ふと手に取った業務用と書かれた袋には手のひらよりも大きなウインナーがごろごろ入っている。
「ウインナーは駄目なのか?」
「加工食品は高いからパスだ」
「そうか……」
「……一人一本しか食べられないぞ」
「ああ!」
業務用のウインナーの中から六本入りを見つけて籠に入れると大倶利伽羅はまた計算をし直す。
横で見ていても何をしているのかさっぱりわからない俺は、辺りを見回ってくることにした。
魚介は買うことができないとのことだったので、そちらを見ることにした。買うことはないが写真でしか見たことがない大きな魚やカラフルなエビが番重の中で生きていて、見るだけでも面白い。
一番賑わっている区画があって、そこでは腕よりも長い包丁でマグロの解体をしているところだった。中落ちと呼ばれる、骨とスジの間のマグロの肉をお客さんに味見させている。あの透けた赤さは大倶利伽羅の尻尾のようだなと思わず一口いただいた。
「うんまい!」
「おお外人さんは良さがわかってるね、もう少しどうだい?」
もう一口もらって、心から美味しいを伝えるとおじさんはにこにこ笑った。
「短冊が五百円だよ外人さん」
「これは刺身になるのだろうか」
「文化包丁でも刺身にできるよ」
「俺は包丁が扱えないので、扱える者を呼んでくる」
おじさんと頷き合って、五百円の短冊を取り置きしてもらえることになった。
急いで肉屋に戻ると大倶利伽羅はいない。肉屋のお姉さんに話しを聞くと入り口へ行ったという。
そういえば文明の利器、端末があるんだったと鞄から出して電源を入れると着信十五件。ひぇっと血の気が引いた。
メッセージには一言だけ、入り口で待つ、とだけ。
ダッシュで入り口まで向かうと、荷物を持って仏頂面で端末を睨む大倶利伽羅が立っている。
「おおひゅりから……」
「国広、また端末の電源入れないまま持ってきたな」
「すみません」
「前にも連絡が取れなくなるから、制作が終わったら電源を入れろと言ったよな」
「おっしゃる通りでございます」
「人が多いんだ、心配した。市場は迷子放送とかないんだぞ」
「ご心配おかけいたしました」
「わかったならよろしい」
荷物を受け取って、リュックに詰める。肉も冷凍なので、少しくらい市場を見ていくことができるから、夢中になったものを教えろ、と大倶利伽羅が言った。
「ああ、あのな、腕よりも長い包丁で、マグロを解体していたんだ。物凄く旨いんだ」
「買ったのか?」
「一口試食させてもらった」
「変な人じゃないだろうな」
「それでマグロ買ってもいいだろうか」
「うちの包丁で刺身にしろってことか」
「ああ、できるだろか」
早くあの味を大倶利伽羅にも体験してもらいたい。でも大倶利伽羅に説明しても動いてはくれない。俺の衝動買いが多いのを知っているからだ。
「どれくらいの大きさでいくらなんだ」
「手のひらサイズの短冊というものが二つ入って五百円だ」
「走るぞ」
今日の晩御飯はマグロの刺身に決定らしい。
おじさんの所まで戻ると、この人があんたの奥さんかいと、また大きな声で笑った。
たくさんの荷物を持って、明日はバーベキューだ。御手杵から借りたクーラーボックスに食材を入れて、玄関に置いておいた。
「国広日焼け止め持ったか」
「どこに仕舞ったんだったかな」
「洗面所の引き出しに入れといただろ、使ってないのか?」
俺は人よりも色素が薄いから日光に長時間当たると肌が赤くなる、鶴丸ほどじゃないが日焼け止めは必須なのだ。しかし塗るのが面倒くさい。バーベキューでは大倶利伽羅が見ているので、塗りなおしすることも言われそうだった。
「マグロはどうだ」
「おじさんが言っていたようには切れなかったができたぞ」
マグロを文化包丁で刺身にするのは難しいらしい。出刃包丁という魚を切るのに適した包丁があるらしいが刺身を食べるのも今回だけだろう。
食卓には真っ赤な刺身と透けた中落ちが並んだ。
「いただきます」
端に挟まれ、大倶利伽羅の口へ。口が開いてマグロの嘘みたいな赤さが吸い込まれていく。ぱっと口が閉じて咀嚼する。
「うまいな」
「うまいだろ!」
一切れのマグロを食べると白米が三口は食べられる。時々千切り大根の味噌汁を挟むとさらに旨いのだ。二回ほど白米をおかわりして俺達は吸うようにマグロを食べたので一瞬でなくなってしまった。
今日はマグロ、明日はバーベキューと豪華な連日だ。明日が楽しみでしょうがない。
「あんた眠れるか?」
「明日は肉だろ、ちょっと無理かもしれない」
それでも満腹で布団に入ると、眠ることができた。
バーベキュー当日は快晴だった。にわか雨が降るかもしれないとのことだが予報なので、外れるかもしれない、と呑気に出発。
一度サービスエリアで止まり、運転手を御手杵から大倶利伽羅に交代した。助手席に座れと指を指されて席替えもした。
車幅と道の側溝がぎりぎりの道もあって、ひやひやしたがなんとか獅子王の指定した空き家へ昼頃についた。
大きな日本家屋で、庭つき倉庫つきだ。掃除する場所はたくさんありそうだ。
「水道は流れるらしいから、トイレと蛇口は大丈夫だぜ。じっちゃんから言われてる部屋だけ掃除したらいいから、これ全部じゃないから安心してくれよな」
掃除する組とバーベキューの準備をする組に分かれることになった。俺と御手杵と鶴丸で掃除をしていく。
以外にも部屋は洋室だった。昔は磨かれていたであろう板の間に大きな洋家具が置かれている。
獅子王から借りたバケツに水を汲んで、雑巾がけしていく。御手杵は高い箇所を、俺は家具を拭いて、鶴丸は床掃除だ。
「鶴デレラ、もっと力込めて床掃除してくれ」
「鶴デレラは雑巾絞りが弱すぎるわよ」
鶴丸は雑巾絞りが甘く、床を濡らすばかりなので御手杵が雑巾を絞ってやっていた。
窓を開けると、屋敷に風が吹いた。埃っぽかった空気が一変して、熱風が入ってくる。外を見ると、獅子王が火を起こしていた。
「そっちはどうだ獅子王」
「もう少しで準備完了だぜ」
「こっちはまだかかりそうだ」
「了解」
大体の掃除が終わり洋室をあらためて見ると、窓が磨かれそこから射す薄明かりを反射した洋家具から高級感があふれていた。俺達掃除組は達成感に感動して、掃除が終わっても窓から吹く風を感じていた。
「鶴丸の握力は女子以下だなぁ」
「雑巾を絞ったのは初めてだったんだが、ちと厳しい」
「最近は元気だったから忘れていたが鶴丸は病弱だったな」
「俺もここまでだとは思わなんだ」
風にのって歌仙の声がする。そろそろバーベキューの始まりだ。
歌仙が先に炊飯をしてくれていたらしい。一人一合白米を渡され、肉を焼くことになった。
温まった網に肉を乗せると、いい音がしてだんだん香ばしい肉の匂いがしてくる。待ちに待った一枚目のタンを食べるととろけるようだ。その後口に放り込む白米も最高だ。
「うまい」
「あー完全に同意。……なんでビール買ってこなかったんだ買い出し班」
「大倶利伽羅が肉と酒を天秤にかけたらどちらが上になるかと聞いてくるから、肉にした」
「それに日帰りだ、飲酒運転はまずいだろう」
「たしかに。しかも鶴丸は医者に止められて飲酒できないだろう」
男六人無言で肉を焼く。トレーに乗せられた肉がどんどん減っていく。獅子王は火の調子を時々確認して炭を足したり網を変えたりしていた。一番静かだったのは御手杵だ。一口目の肉を食べて、うまいと言った後、無言で食べ続けている。大倶利伽羅は網が新しくなるたびにピーマンを丸ごと焼いていて、ピーマンが苦手な歌仙に睨まれていた。
「鶴さんはもう食べないのか」
「獅子王……ああ、皆が驚くほど俺の胃袋は小さくてな、白米も食べきれるかわからない気がする」
「そんなに弱気だと、御手杵に食べられるぞ」
「鶴丸、俺の買ってきたウインナーは食べるよな?」
「あ、ああ頂こう!」
鶴丸は俺達の食べる肉の半分ほどしか食べることができず、途中からベンチに横たわり、胃を休めていた。
鶴丸の白米は歌仙が食べることになったが、鶴丸の分でまだ焼いていない肉の奪い合いが戦争だった。
俺も肉が食べたい。なんてったって今はカルビ。柔らかい肉から出る肉汁が白米とマッチして止まらないのだ。
御手杵も獅子王も、箸を鳴らして肉が焼けるのを待っている。
「行儀が悪いんじゃないかい君たち」
「肉を前にして行儀もくそもあるのか」
「肉の前では俺達は野獣なんだ」
「野獣にはしつけが必要なようだね」
歌仙が怒ると怖い。俺達は行儀よく肉をひっくり返した。
大倶利伽羅は延々ピーマンを網の隅でころころ転がしている。真剣なので誰も突っ込まないが、大倶利伽羅の肉、獅子王に食べられているのだが承知しているのだろうか。
「大倶利伽羅それ楽しいか」
「丸々のピーマンは旨いぞ、一口齧るか」
齧りかけの焼きピーマンを差し出されて当社比嬉しそうに言う大倶利伽羅が可愛く見えて、思わず一口貰う。
熱々のピーマンは苦いと思ったが、ほんのり甘みがして美味しい。さらに咀嚼を続け、これは白米とも合うかもしれないと思った。一口白米を食べるとやっぱり旨い、ここへカルビを食べたらどうなってしまうんだろうか、網から自分のキープしていた熱々のカルビを口に入れる。ピーマンの苦みとカルビの甘みのコラボレーションは最高だった。
「大倶利伽羅天才だな」
「そうだろう、そうだろう」
大倶利伽羅は胸を張ってうなずいた。
「さあそろそろトントロを焼くから、皆一歩下がるんだ」
歌仙がトントロのトレーを持ってトングを鳴らした。
「どうしてだ? そんなに火も大きくないし、危なくはないだろう」
「トントロはね、燃えるんだよ」
「脂が多いからだろうな」
俺はいまいち想像ができないでいた。皆が一歩下がると歌仙はトントロを野菜炒めのように網に流し、炒め始めた。じゅわんと脂混じりの匂いが上がって、どんどん火が大きくなる。
「肉が燃えてる!」
「歌仙、俺カリカリがいい!」
やっと喋った御手杵が箸を持つ手を上げて、大きな声で言った。
「そうだね、僕もそれがいいと思っていたんだ」
トントロはカリカリに仕上がった。ほとんど脂で真っ白で溶けてなくなるのかと思いきや、サクサクとした歯触りでこれもまた旨い。タンとカルビと白米で腹いっぱいだったのにも関わらず、俺達はトントロをパクパク食べた。
俺達は片付けをした。ゴミの分別をするだけだったので早く終わり、食休めとして鎮火していく火を眺めながら雑談をしていた。
「腹いっぱいだー」
「食べすぎたな」
「あんなにあった肉が一欠けらも残らないとは思わなかった」
「鶴さんがここまで病弱だとは思わなかったけど、大丈夫か鶴さん」
「見た目と合致していて逆に驚いただろう? 少し休んだから大丈夫だ」
「無理しないでおくれよ」
「鶴さんと歌仙はこの後何か考えているんだろ。楽しみだぜ」
「ああ、楽しみにしていてくれ」
炭も鎮火したところで、バーベキューの片付けは終わった。
鶴丸と歌仙は端末で地図を呼び出し、俺達を連れて丘を上がっていく。
なんでもこの先に川があるらしい。地図で見た限りなのでどれくらいの規模かわからないが近くまで行くそうだ。
鶴丸は早々に息切れをして、最後尾を歩いていた。
「鶴丸持とうか」
「ああ頼む」
御手杵が鶴丸を背負った。鶴丸は荷物のことだと思ったらしく悲鳴を上げて抗議したが、一団が早く進むようになると、地図を持ってあっちだこっちだと指示しはじめた。
「じっちゃんがこの辺りの野生動物は狸か蛇くらいだって言ってたけど、今のところ何にも出会わないな」
「俺達がうるさいから逃げてるんじゃないか」
「写真撮ろうと思ったけど無理か」
「おっそろそろじゃないか、水の音がする」
丘を下ると川があった。幅五メートルある小さめの川で手前の水深の浅い場所で足をつけるくらい問題なさそうだった。
鶴丸が集合写真だと三脚を立てカメラを調節し始めた。三秒でシャッターが切られ、一枚撮ることができると満足したのか鶴丸は声を上げて笑った。
「わはははははっ! 記念すべき初集合写真だ」
「これからもたくさん撮っていけばいいさ」
「そうだな歌仙」
カメラを片付けると皆で靴を脱いだ。川で遊ぶためだ。
鶴丸はどこからか水鉄砲を取り出して俺達を的にして射撃してくる。御手杵と獅子王はそれに対抗してバケツで鶴丸に水をかけるも、避けた鶴丸の後ろにいた歌仙にかかり、追いかけられていた。
俺は川の石が気になって掘り進めた。鶴丸は色んな道具を持ってきたらしく、何故か熊手も入っていてそれを使う。
大きな石から小さな砂利に変わり、砂が出てくる。じんわり川の水が染みてきて溜まるのでバケツで掻き出す。
「国広何してるんだ」
「掘ってる」
「お前下着まで濡れてないか」
「あっ……まあそのうち乾くだろ」
大倶利伽羅は石を集めていたらしい。石の中にも半透明の石があって、これはなんだろうかと聞いてきた。
「シーグラス的な感じじゃないだろうか」
「あの砂浜で採れるやつか、川でもできるんだな」
じゃあガラスなんだなとポケットに仕舞った。
しばらく遊んでいると、川が増水している気がした。俺が掘っている穴に川縁が近くなっているのだ。真新しい葉が流れてきて、上流の方で雨が降っていると判断。
「鶴丸も唇が紫だし、そろそろ帰ろう。予報の雨が来そうだ」
来た道を服を川化しながら歩く。遠くの方から雷の音がして、後ろからは雨雲が迫っていた。
「防水シートだから濡れてても構わない。車で出発しよう」
急いで荷物を詰め込むと御手杵の運転で出発した。
行きの細い道路と通り切った辺りで風が轟々と鳴り、雨が車の屋根を叩きつけるように振ってきた。
「ぎりぎりだったな」
助手席には獅子王が座り、帰りの道をナビゲートしてくれるそうだ。窓に当たる雨を見ているうちに俺は眠ってしまったようだった。
大学まで着くと俺達は車を降りた。こっちの方までは雨が降っておらず、まだ快晴だった。
「あー楽しかったな!」
移動中眠っていた鶴丸も元気になって家まで帰ることができそうだった。
「俺と御手杵はバーベキューの道具返してくるから」
「それじゃまたな」
獅子王の自前の道具だと思っていたがレンタル品だったらしい。その辺りは獅子王のお爺さんが費用を出してくれたそうだ。ありがたい。
「では僕は鶴丸の迎えが来るまで座っているよ」
「今日はありがとう、美味しかったし楽しかったぜ」
「じゃあ」
俺が荷物を持って大学を出ると、大倶利伽羅もついてきた。夏休みだし、当たり前のように俺の部屋に泊まっていくようだ。
部屋に着く頃には雨雲も追いついてきて、雨が降り始めた。
「これ、あんたにやる」
「いいのか大倶利伽羅、シーグラス一つしか見つからなかったんだろ」
「だからだ」
「そうか」
完全な丸ではないシーグラスは俺の手の上で不規則に転がった。
「兼さんがこういったものを細工するのがうまかった気がする。今度ネックレスのトップにならないか聞いてみる」
「兼さんって誰だ」
「歌仙の弟だまだ会ったことないか」
「今度紹介してくれ」
「いいぞ」
終わり