魔石需要は全てに繋がっているという話
 さてそんな訳で、今までからすると驚きの速さで『スポット』を攻略できたわけだ。どうやらスピカとマスターはそれぞれ『アイテムドロップ』と『魔石ドロップ増』のスキルを持っていたらしく、この二つは冒険者としては必須のスキルだと言いながらそれぞれ1個ずつの魔石を分配した。
 ……だって、スキルって枠はあっても取得に球状の魔石が必要じゃないか。それでなくてもレベルが上がり過ぎて、装備が全部進化待ちなのに。いや、先に取っておいた方が成長が加速するのは分かるんだが……。
 そういう訳で、まず『魔石ドロップ増』のスキルを取得した。これで、最低限次の『スポット』のコアエネミーからは、+1個の球状魔石が手に入る筈だ。
「だってそうでもないと、全然魔石が足りないでしょ?」
「まぁ、それはそうなんだが」
「まぁ枠の増え方も、10枠まではコアエネミー1体でいいからなぁ。11枠目からは10体で、21枠目からは100体ってな感じで、桁が1個ずつ増えていくからなかなか伸びなくなる。20枠持ってたら1人前だ」
「なるほど」
 ちなみに、魔術と言うのはスキルに属することがほとんどらしい。
 スキルを成長させるにはひたすら使うしかなく、そういう意味でもドロップ系のスキルは早めにとっておいた方が良いのだそうだ。後は、攻撃力を上げたり回復力を上げたりと言った、基礎を固めるスキルの優先順位が高い。
「で、スキルのレベルは勝手に上がるのか?」
「いんや。武器の進化と一緒だぞ」
「だから全然足りないのよ。それでなくても設備の強化は基本的にコアエネミーの魔石しか受け付けてくれないのに。……まぁ、『スポット』を攻略させることが世界の意思こと女神様の目的なんだから、効果的ではあるのよね」
「なるほど……」
 神様の上に位置する存在である世界の意思は、少なくとも女性体で姿を見せるようだ。
 まぁそれはそれとして、今度は自分で『スポット』を選ぶ番だ。3角になっている掲示板の表をぐるっと巡り、内部の敵の種族や広さ、環境といった項目をじっくり見ていく。
 ……通り名を着けてもらうのだから、色々撃てる場所の方がいいだろう。となると、楽だが骨はパスして……広い場所で、相手の種類が多くて、けど行動パターンはほぼ一緒のやつがいいな。ただし獣系は除く。
「これがいいんだが」
「マジかよ」
「そりゃタイプが違うからそうなるわよね。活躍、楽しみにしてるわ!」
 そこまで絞り込んでも、『アベンチャーエール』では相性の悪い『スポット』だからか山ほど候補があった中から1つを選ぶ。マスターは顔を引きつらせていたが、スピカは納得してくれたので、それを受注カウンターに持っていった。
 環境は平原、相手は鳥類、360度地表においては全方位からエネミーがやってくる場所だ。数は多いが一体一体の体力は低く、遠距離にしろ近距離にしろ、近寄って来るのが遠くからでも分かる。
 まぁちょっと忙しくはなるだろうが、射的の時間だ。もし近寄られてもマスターが守ってくれるだろう。1人でも逃げ回ればなんとかなる。
「マジか……数と種類で圧し潰される未来しか見えねぇんだが……」
「そうなる前に撃ち落とす。まぁ、多少は零れるかも知れないが、それは頼んで大丈夫か?」
「大丈夫よ。1体2体なら余裕! 私も居るしね!」
 うぐぬぬぬ、と唸っていたマスターだが、スピカだけを行かせる訳にもいかず、またさっき自分がやらかしていて、約束したことだから、と、渋々な様子を隠さずながら付いてきてくれるようだ。
 ……このタイプなら以前に攻略した事もあるから、まず大丈夫なんだがなぁ。
 とか思いつつ掲示板の裏に認可印を押された『スポット』情報の紙をはりつけ、ギルド証を大きな扉に差し込んで回し、扉を開けたのだった。
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文字通り世界の皺寄せを受ける話 12
初公開日: 2020年05月04日
最終更新日: 2020年05月04日
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コメント
これは多分現代ファンタジーな感じ。
11の続き。
心の底から清々してます!! 12
乙女ゲーム世界への転生を果たした悪役令嬢。多分他には転生者も転移者もいない……筈なのに! 同タイトル…
竜野マナ
心の底から清々してます!! 11
乙女ゲーム世界への転生を果たした悪役令嬢。多分他には転生者も転移者もいない……筈なのに! 同タイトル…
竜野マナ
心の底から清々してます!! 10
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竜野マナ