名探偵に必要とされるのは、明晰な頭脳のみではない。彼ら――、彼は観衆に対してヒーローでなくてはならない。遺恨を払拭し、遺された者たちへ安寧を授ける。安寧で包める両手が汚れていてはならない。喝采を受ける、そのつま先まで艶やかに磨かれた革靴で立っているべきだ。
 そのため、その役には清廉である人物像が望まれる。コミカルなキャラクター性を付与されたような、例えば過度に好奇心に感けるようなキャッチ―さ、またその頭脳を盾に横柄に憚る尊大さ。例えば名探偵である以外の人間性が欠落している、装束が派手であるとか。犯罪が暴かれる以外、現実には不要である。毅然と、凛とした怜悧程の精確さで述べられる事実のみが観衆を窘められる。判明した事実が誰かにとって――それまで被害者であると思われた悲哀のかたまりへ更なる奈落を見せるような――残酷だったとしても、淡々と指摘するべきだ。現実は誰かの娯楽になってはならない。起点がどのような感情に支配されて行われた犯罪だとしても、名探偵はそれを暴ける人物でなくてはならない。誤ってはならないのは、それは指摘のみに収まることである。名探偵は裁きを与える立場では無い。無論、指摘自体が相応となる場合もあろうが、人間の叡智が作り上げた社会というものは、名探偵さえも人の子と指す。
「社会的であることは常に人間への理性を問うか?」
「そこまで大仰な話をしたいわけでは無いよ。つまらなかったかな?」
 とは言え、それらはあくまでも現実の話なのである。そう言い添えると、道徳を置き忘れた無邪気な声で唇を動かす。
「では、私たちの現実を話そうか」
 そのために創られたいきものであるかのように、メルカトル鮎はぞっとするほど空の笑みを浮かべた。
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イェイイェイフゥ~
初公開日: 2020年04月26日
最終更新日: 2020年04月26日
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イベント用
webイベント用 攻めの擬態と受け
アワワワ
筋トレ
名なしのAさんは月夜に、テーブルにカップが置かれたままの部屋でフォーチュンクッキーを貰った話をしてく…
瀬をはやみ