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●金曜午後五時の鐘が春の夕間暮れを告げて、知らず眠っていたことに気が付いた。春眠暁を覚えず、春はあけぼの、……あけぼのって、いつのことだったっけ。
「本当によく眠るやつだな、お前は」
ぼんやりとした頭を宥めるような声色は、思いがけず左耳に寄越された。普通の生徒であれば座れないような、校長室からかっぱらったような、やらかいソファで、肩と肩とが、触れあう距離で。
「……なんだよ、帰れゃよかったじゃねえか。……さては! 私の寝顔に! 見蕩れていたな! ははは、俺も罪な…」
「……存外、間違いでもないのかもしれないな」
吹き込むように囁いて、アスクレピオスはゆるりとした微笑み方を一つ。冗談で躱してやったのに、躱した先に立ち竦まれては、もう、ぶち当たるより、他はない。
端的に言えば、こいつに、オンナノコにさせられた。一週間前、このソファの上で。
アキレウスはケイローン先生とよろしくやってるし、こいつはこいつで、体よく俺で童貞捨てて、俺だけが、未だ青い春の桜がつぼみのままで、固くさもしい巷の中。
たちが悪いのが、決してアスクレピオスを悪く思えないところだった。尻の穴は無事だし、徹底したセーフティセックスだったし、決してヤリたい盛りの勢いのままぶち込まれたわけではなかった。
正直、めちゃくちゃ気持ちよかった。
オンナノコがセックスで得る快感はオトコノコの7倍! だなんて俗説をうのみにするなら、俺は完全にオンナノコにさせられた。マンコがあるでもないのに。何ならその瞬間、世界で一番オンナノコだった。アスクレピオスが童貞だなんてほとんど嘘だろうと思ったりもしたが、悔しいので俺で童貞を散らしたことにしている。●は????
気持ちよかったならいいのかもしれないと笑い飛ばせば、その瞬間に、別の疑問はわ
日の光は生徒会室の
「冬陽は郵便受けのなかへまで射しこむ。(冬の日)」