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翌朝も雨。
シトシトと窓の向こう側で、淑やかな音色を響かせている。獄はどうも雨が好きになれない。出勤時に革靴が濡れるし、スーツも湿気を吸っていつもより重くなる気がする。元々、気圧の変化に弱いのかもしれない。好きになれない理由を挙げるとキリがなくなるので止めた。
こう言う日に限って早く起きてしまう。十四はまだ寝息を立てていた。耳を済ませる。密やかでしっかりと意識を向けないと聞き取れないくらいの微かな寝息。朝起きて、十四の寝息を聞くとそれだけで一日が良くなると思えた。まだ止まないであろう雨も、さっきよりも疎ましくない。
「ん、……う」
長い間近くにいると十四の様々な一面を垣間見る。出会った頃は笑うことも泣くこともせず、俯いてばかりだった。今では泣いたり、笑ったり、拗ねたり、照れてみたりと、まるで万華鏡のように絶えず変化していく。
一緒に寝るようになってから知った癖。寝ている時、咀嚼するように口をもぐもぐと動かすのだ。夢の中でどんな美味しいものを食べているのだろう? 一度、本人に聞いたことがあるが、十四自身も初めて知ったらしくやたらと恥ずかしがっていた。一方の獄もイビキを指摘されて、恥ずかしさと申し訳なさを感じた訳だが。
「……かわいいんだよなぁ、これが」
どんなに背が伸びても、男らしい体付きになっても、獄にとっていつまでも可愛い恋人。自分よりも身長が大きくなったのに、もぐもぐと口を動かす様は小動物を連想させる。寝る時や、獄に寄り添う時。長い四肢を折り曲げるようにして、体重を預けてくる。虐められていた時の癖なのか、そう尋ねたら唇を居心地悪そうにムニムニと動かした後。
「ちっちゃくなったら、獄さんも可愛いな、って思ってくれるかなぁって」
流石にもう伸びることはないと思うが、今より大きくなっても「可愛い」と思う気持ちは変わらない。何度言っても、縮こまる癖は直らないままだ。
十四と付き合ってから、世間とのズレに苦悩する場面が増えた。でも、それ以上の幸せを十四がくれる。
──これでいいんだ。間違ってない。俺も十四も、何一つ間違ってない。
空が逆さまになって、地面が崩れ落ちたらいい。そうして世界が生まれ変わってくれたら、この関係が「間違い」ではなくなる。馬鹿なことばかり考えてしまう。
「ひとやさん?」
「……おはよ」
「手……」
いつの間にか手を握っていたようだ。それも結構な力で。慌てて手を離す。だが、それを追いかけるように十四の方から再び指を絡めてきた。
「ごめん、強く握り過ぎた」
「大丈夫っす」
「起こしちまったな」
「どうせ起きるし」
「……痛かった、だろ?」
「痛くてもいいっす。離れちゃう方が、嫌」
ギュッギュ、と何度も力を込められる。応えるように握り返すと嬉しそうに目を細める。足りない。この美しい男をもっと、摂取したい。唇を合わせる。十四の薄い肉付きの唇、獄の少しかさついた厚ぼったい唇。正反対の唇。どれだけ熱いキスをしても融解して一つにはならない。
「今日の予定は?」
「練習はお昼には終わるんで、獄さんに合わせられるっすよ」
「早めに仕事を終わらせるから、どっか買い物でも行くか」
「え? 何かありましたっけ?」
十四の目線がカレンダーの方へ向いた。どうやら何かの記念日だと思ったらしい。意外にも、十四は記念日とかにこだわるタイプではない。獄の誕生日などはしっかりと覚えているが、それ以外。特に自分に関することに対しては若干疎いところがある。
「別に何の日でもねぇ」
「あ、良かった。大事な日を忘れちゃったかなって焦ったっす」
「別に何もなくてもいいだろ。最近、デートらしいこともしてないから」
「で、でぇと」
最近は家で過ごすことの方が多い。外だと周りの視線が気になって疲れる、というのが正直な気持ち。十四も獄の心中を察しているのだろう。付き合いたての頃はやたらとデートスポットに行きたがったが、今は自分から「家がいい」と提案してくるようになった。獄のことになると人一倍、敏感な十四。恋人に気を遣わせるなんてしたくない。
何より、ずっと心の中にこびり付いて離れない「俺達は間違っているのではないか」という考えを、拭い去りたかった。
「へへ、デート……ひとやさんと、デート」
先程まで、トーストの乗っていた皿。こんがりと焼かれた三枚のトーストは既に十四の腹の中。細身なのに意外と大食らい。点々と食べカスが、白地の皿に散っている。それを眺めながら、何度も噛み締めるように「デート」と言葉を繰り返す。
「デート、嬉しいっす」
花が咲くように笑った。そんな眼差しを向けられたら、何も喉を通らなくなってしまう。誤魔化すように、サラダのプチトマトを口に放り込んだ。真っ赤で艶やかな小さな実。奥歯で噛みしめたら、じゅわりと口の中で広がる。ああ、なんて甘酸っぱい。
「じゃあ、行ってくる」
「はいっす!」
「練習が終わったら連絡くれ」
「了解っす! 獄さんの事務所の近くでお茶してますね」
「別に事務所に居ても構わないぞ」
「あ、いや……カフェに居るっす」
「なんだよ、今更」
遠慮なんてしなくていいのに。昨日だって事務所にアポもなく訪問してきたではないか。最初こそは叱っていたが、今では事務所の受付の人間も十四の事を知っている。カフェだと金もかかるだろうし、獄の部屋には十四専用のマグカップも置いてあった。
「作詞とか、カフェの方が捗るんっすよね。最近、カフェで作業すると調子良くて」
「そっか。ならどのカフェにいるかだけ教えてくれ」
夜にはまた会えるのに、今日は離れがたい。このまま仕事を休んでしまおうか。社会人として失格であると分かっていても、十四の側にいたかった。いつもより疲れているのだろう。
「いってらっしゃい」
いってきますのキス。一回じゃ足りない。何度も味わう。柔らかくて薄い、花弁のような唇。触れる度に熱は上がる。
「獄さん、遅刻しちゃう」
「分かってる……」
「今日は甘えん坊さんなんすね」
「時間が、止まればいいのに」
ポロリと溢れた本音。口にした瞬間、羞恥心が襲う。慌てて誤魔化そうとしても遅い。十四の顔も見れない。
「じゃ、じゃあな」
ドアノブに手をかける。扉を開けば外だ。二人だけの世界から、世間体という無数の常識の集合体へと飛び込まなければ。ドアが閉まる間際、聞こえてきた十四の声。
「自分も同じこと考えてたっす! いってらっしゃい!」
仕事終わりのことを考えると、時間が流れるのが早く感じる。久々に外で十四と過ごす。獄の家に向かう途中で、寄り道するのは違う。獄もそれなりに忙しい。一方の十四は生活リズムが不規則。更に外に出るのを無意識に避けるようになってから、マンネリとまでは言わないが、二人で過ごす時間がワンパターンになっていたのは否めない。
昼休みに入って昼食を食べ終えると、今日のデートコースを調べるくらいには浮かれていた。十四が欲しがっていたマニキュアを買ってやろうだとか、アイツに似合うトップスがあれば買ってやろうとか──お揃いのものでも買ってみるか、なんてらしくない事まで頭を過ぎる。それからお気に入りのレストランへ行って美味いものを沢山食べさせたい。
ずっとパソコンと睨めっこしていたせいか、こめかみの辺りが重く感じた。パチパチと瞬きをした後に視線を上げると、人の気配。
「天国さん、今日何か用事あるんですか?」
「ちょっとな」
「え? もしかして彼女ですか?」
「……想像に任せるよ」
話しかけてきたのは、仕事は出来るがプライベートであまり良い噂を聞かない後輩だった。しょっちゅう連れている女が違う、などと事務員が噂をしていたのを耳にしたことがある。獄は同僚のプライベートなどあまり興味もなかったし、仕事をしっかりこなしてくれればそれで良いと思っている。噂話を気にしている暇があったら、その分仕事を進めた方が有意義だ。
「残念だな、ちょうど天国さんに良い話があったのに」
「なんだ。この前の案件、無事に済んだのか?」
「あれですか? あれは今週末までにどうにかします。それよりも……天国さん、最近足りてます?」
「……何かだよ」
大体の予想はついたが、敢えてこちらからは何も言わなかった。彼はニタリと口元を歪める。連日飲み歩いているせいで浮腫んだ顔、目が消えてしまうのではないかというくらいに細まった。仕事の関係でなければ間違いなく彼と話すことはないだろう。
「女の子、ですよ! お、ん、な、の、こ!」
予想した通りの答え。この男は何かと獄を飲みに行こうと誘うのだ。別に飲みに行くのは構わないが必ず女が付いてくる。前は付き合いもあるので暇つぶしに飲んだりもしていたが、十四との関係が本格的なものになってからは誘いを断り続けている。
「……間に合ってるよ」
「え、遂に? 天国さんにも彼女が?」
「ああ。……だから今後は女のいる席には行けない。すまんが他所を当たってくれ」
「何となく彼女いるのかなー、なんて思ってたんですけどね。今度紹介して下さいよぉ! どんな子ですか?」
珍しく獄が恋愛のことに対して口を開いたものだから、彼も身を乗り出して探ってくる。ここで下手なことを言ったら、翌日には話のネタになるのは容易に想像がつく。心底嫌気が差した。この男の下衆な好奇心が向いただけでも、十四が汚されたような気がしたからだ。
「相手を見せびらかしたりするのは趣味じゃねぇんだ」
強制的に会話を打ち切る。少し強めにキーボードを叩いた。察しの良い彼は、獄の不快感を感じ取ったのかすぐに身を引く。彼が立ち去った後で、大きなため息が漏れた。あの男も悪い人間ではないが、女のことになるとどうも良い印象がない。彼がいつだか言っていたことを思い出す。
──とにかく寂しくてさー……女の子がいるとあったかくて柔らかいし、癒されるっていうか。男に生まれたから良い女を捕まえるのが一番の幸せでしょ。
(ああ、そうだ。俺はあの一言でアイツという人間を受け付けなくなったんだ)
彼にしてみたら特に意味もない一言だったかもしれない。でも、それはいつまでも獄の心に刺のように刺さっている。奥深くまで入り込んで、ジクジクと痛み続ける。肉を少し裂かなければ取り出すことが出来ないであろう、刺。
仕事をしていく中ですり減ることも多いだろう。獄だってそうだ。でも、それを他の誰かを使って埋めようとするなんて、勝手過ぎだと思う。どちらかというと相手に対して何かをしてやりたいと思う獄とは真逆の考え。だが、果たして自分も十割そうでないか? そう問われたら答えに困ってしまう。今ならまだ間に合う。まだ十四も成人前だ。だからこそ、若気の至りとしてなかったことに出来るのではないだろうか。しかし、手放すという選択が出来るほど、獄は強くない。
「男」と「女」が番うのが当たり前の世界で、十四を手放せないでいる。旧約聖書において、神がソドムとゴモラを天からの硫黄と火で罰した理由。それは不自然な性の営みに人間ば耽っていたから。獄は別に敬虔なクリスチャンではあるまいし、令和である今、同性愛は少しずつだが認められている。
──何をこんなにも恐れているんだ。
頭の中でもう一人の自分が問う。十四が愛おしい。それだけでいいじゃないかと。
昼休みはとっくに終わっていた。仕事に戻ればいつもの「天国獄」として滞りなく仕事を進めていく。だが内心は十四のことで頭がいっぱいだった。デートが楽しみで仕方がない、なんて可愛い感情じゃない。怖くて仕方ないのだ。今すぐに十四に抱きしめてもらいたい。みっともない所を曝け出したい。でも、プライドがそれを許さない。
仕事中は私用の連絡などほとんどしないのに、気づいたら十四にメッセージを送っていた。
『会いたい。一刻も早く会いたい』
するとすぐに既読の文字がついた。間髪入れずに返信が来る。
『自分もっすよ、獄さん。お仕事頑張って下さいね。買い物、楽しみにしてるっす』
文面を視線でなぞっただけで、泣きそうになってしまった。画面の向こうで十四はどんな顔をしながら文を打ったのだろう。
会いたい。会いたい。この恐怖は十四を抱きしめることでしか拭えない。
再びパソコンに向かう。こうなったら早く仕事を終わらせて退勤してしまえ。いつも身を粉にして働いているのだ。今日くらい構わないだろう。
窓の外を見たら雨は止んでいた。濡れたアスファルトも、獄が仕事を終える頃には乾いているといいのだけれど。
結局、仕事が終わるのは定時より少し前。あれだけ早退しようと息巻いていたのに、余計なことばかり考えていたら、いつも通りの時間になってしまった。一度アレコレ気にし始めると治りがつかなくなる。
最近、三十五という年齢のせいで親族からは事あるごとに結婚に関して突っつかれる。それが引き金という訳ではないがどうでもいいことに対して立ち止まり、考え込むようになった。前は気にならなかった世間との差異にも、心を擦り減らす。件の後輩の発言だって、以前の獄なら気にならなかったのに。
「じゃあ、お疲れ様」
パラパラと返事が返ってくる。それを背中で受け止めながら、獄はエレベーターを待つ。やっと十四と会える。そう考えただけでせっかちになってしまう自分が情けない。でも、それだけ十四が恋しくて仕方がないのだ。擦り減った分を埋めてくれるのは十四しかいない。自分は誰でも良いわけではないのだ。十四だけ。十四でなければ嫌だ。女であれば誰でもいいと、そう思っているあの男とは違う。
外に出ると昼過ぎまでの雨の名残で、アスファルトは乾ききっていなかった。湿って鼠色に染まったアスファルトを暗くなった空が、更に鈍い色にさせる。日が完全に沈んだら、真っ黒くなってしまいそうだ。革靴の底で思い切り踏み締める。朝に比べれば、靴の中に充満していた湿り気も幾分マシになった。微かに残る不安感も十四の顔を見れば、すぐに治る筈だ。
十四がいたのは、獄の事務所からそんなに遠くないカフェだった。打ち合わせなんかで使われるような少し高めの価格帯のチェーン店。その片隅で、十四はノートと睨めっこしている。
「あ! ひとやさぁんっ!」
こちらを見るなり大声を上げるものだから、早足で歩み寄り軽く小突いた。店内の視線が集まっていることに本人も気づいたようで、小さく身を縮こめる。
「ご、ごめんなさいっす! 獄さんの顔見たら、嬉しくなっちゃって……これが条件反射ってやつっすかね?」
「本当、お前は犬みてえだな」
「犬じゃないっす! 自分は人間ですよぉ!」
「ああもう分かったから」
静かにしてくれ、とお喋りな唇に人差し指を当てて制した。微かなヌルつきを感じる。リップクリームだろうか。
「リップ、塗りたてで……」
「悪い、せっかく塗ってたのに」
「獄さんに、触ってもらえたんで。よれても平気っす」
獄が来るのに備えて、リップクリームを入念に塗る姿が目に浮かぶ。自分の為に美しくいようと努力する姿が、堪らなく愛おしい。自惚れかもしれないが、十四が美しくなった要因の一つに獄の存在があるのだろう。
「最近、化粧も薄くなったな」
元々顔がいいのだから、そこまで濃くしなくても充分美しいと思っていた。ステージのメイクとなればまた別だが、今くらいナチュラルな感じがちょうどいいと思う。
「濃い化粧だと隣歩くの恥ずかしいかなって」
「別にそんなの、なんとも思ってねぇよ」
「何とも思ってなくても自分が気にするんすよ」
気にすることはない、そう声をかけてやるべきなのだが、今の獄が言っても説得力がない。世間と自分達の相違を掘り返しては、意味のない間違い探しをしている。再び、獄の心に暗い影が忍び寄る。逃げるように十四とカフェを出た。チラリと見えた作詞用のノートはごちゃごちゃと文字が書かれていて、そのほとんどが真っ黒く塗りつぶされていた。
街の賑やかさの中、二人歩けば少しだけ気分も上がる。二人でデパートを見て回るのは楽しい。獄は目的もなく店を回るという習慣がなかった。様々なブランドを見る度に十四がはしゃいでいるのを見ると、ウインドウショッピングも悪くないと思える。
「ここ、お前の好きなブランドだろ? 見ていくか?」
「はいっす!」
「しかし派手だな……」
いかにも個性派、といったブランド。どちらかというと素材だとかにこだわる獄にとって馴染みのない奇抜さ。でも、十四というフィルターを通して見るとそれも美しく見えるから不思議だ。
「あ、これ……新作」
「気に入ったなら買えよ」
「いや、いいっす。あまり襟ぐりが狭いのは好きじゃないんで」
「まぁ、それならいいけど。遠慮はすんなよ」
十四は洋服に対して「如何に自分が美しく見えるか」ということに趣きを置いている。こうして自分の長所を上手く見せるものを見極めるのも、美しさの秘訣なのかもしれない。
(しかしまぁ、前衛的っつーのか。俺には似合わねえな)
アクセサリーの類が並ぶ棚を見ながら思う。どんな高価であっても十四というフィルターを通さなければとても価値が見出せない。十四が好きだから、獄もそれを好きになる。そんなシチュエーションが最近は多い気がする。
「……ん? 気になるのでもあるのか?」
十四の視線がある一点で止まっている。ショッキングピンクのハートをあしらったブレスレット。ああ、確かにこれは十四も好きそうだ。よく似合うと思う。
「いや、大丈夫っす」
「だーかーら、遠慮はすんなって。欲しいんだろ?」
「いや、そうじゃなくて」
「正直に言え」
「……このハートの、隣のやつ」
十四が指さしたのはショッキングピンクのハートの隣。シルバーのタグにブランドネームが彫られたブレスレットだった。獄でもつけられそうなくらいのシンプルなもの。
「ハートの方じゃねぇのか」
十四は何も言わずにコクリと頷いた。すぐに店員を呼び、十四が欲しいと言ったものを購入する。店員が手際よく品物を用意して、包装をしようとしたのを十四が制した。
「あの、これ。そのまま着けて帰りたい、っす」
店員はにこやかな笑顔で対応をしてくれた。基本、こういうところでは「着けて帰る」だなんて言い出さないのに。余程気に入ったのだろう。店員が甲斐甲斐しく十四の腕にブレスレットを着ける。それを眺める十四の目が嬉しそうだったから、それだけで満たされた。
「獄さん、子供みたいなことしてごめんなさいっす」
予約した店に行く最中で謝られた。変な所を気にするところがある。別に気にしなくていい、とだけ言っておいた。むしろ嬉しかった。十四の腕に着けられたブレスレット。十四は獄の所有物であると、密かな主張が出来たから。ショッキングピンクのハートも似合うが、このブレスレットを選んで正解だった。シンプルなシルバーが手錠の片割れみたいに見えるのは、獄の独占欲が強過ぎる故だろう。
7559文字。
本日のノルマ達成致しましたので、終了致します。閲覧ありがとうございました。