毎週木曜は滑り込みの日。というわけで今日は往年の名作アニメの2本立て。
 まず1本目はこの作品!
 「妖獣都市」「ヴァンパイアハンターD」を手掛けた川尻善昭監督剣風吹きすさび血煙の上がる凄絶忍法帖。90年代のOVA黄金時代の香る名作、今回が初見となります。
 特定の主君に仕えることなく報酬次第でどんな仕事でも行うはぐれ忍び・牙神獣兵衛。そんな獣兵衛は、ある時望月藩お抱えの甲賀組忍び・陽炎を助けます。
 陽炎は藩主の密命を受け、村を全滅させた原因不明の疫病の出どころを探っていました。しかし彼女とともに出動した甲賀組の忍びたちは、いずれ劣らぬ忍法・剣術の使い手である鬼門八人衆によって壊滅させられていました。
 ひとり生き残った陽炎を助けたことで、自身もまた鬼門八人衆に追われることとなった獣兵衛。さらに獣兵衛は公儀隠密・濁庵に毒を仕込まれ、解毒の法と引き換えに濁庵に協力し、鬼門八人衆を統べる氷室弦馬と戦うことになります。
 いやー面白かった。どのキャラもギットギトに濃いキャラばかり、さらにそれらのキャラの用いる忍法妖術のぶつかりあうバトルシーンがまた大迫力。PG12なのでゴア表現も抜群で、まさに凄絶にして妖美の忍術バトルが楽しめました。
 そしてキャストがまた豪華。
 主人公である獣兵衛を演じる山寺宏一氏の飄々とした語り口をはじめ、郷里大輔氏、関俊彦氏、大友龍三郎氏、青野武氏といったまさに錚々たるメンツが揃っています。金かかってんなー。
 そして個人的なお気に入りはみんな大好き若本規夫氏演じる盲目剣士・現夢十郎ですよ。出番は少ないですがもう声とビジュアルが強い。
 ストーリーはもうバトルに次ぐバトルといった感じで、まさに忍法帖ものの精髄が楽しめる作品でした。ラストシーンからのエンディングテーマ「誰もが遠くでバラードを聴いている」がまた染みるんだ……。
 そして2本めはこちらの作品。
 こちらの作品も今回が初見ですが、作品は知ってました。
 その知ったきっかけというのが、むかーしむかしのそのまた昔、未だ幽冥の境曖昧なりし頃に親戚の家に置いてあったアニ●ックなんだよなあ……。もう何十年前の話か。
 これまでサンサン劇場では「まさかこの作品をスクリーンで見る機会が来るとは長生きはするもんじゃのう」案件が両の手では足りないくらいになってきましたが、本作もまたそんな案件のひとつとなりました。長生きはするもんじゃのう。
 時代は幕末。育ての母と姉を何者かに殺された少年・ジローは、誤解から家族殺しの咎を着せられ、本当の父の形見として保管されていた短刀と着物の切れ端だけを手に、殺しの犯人を探す度に出ます。やがてジローは御庭番の頭目・天海に拾われ、忍びとしての教育を受けることに。
 しかし、この天海こそがジローの家族を殺した犯人でした。天海の目的は、ジローの持つ短刀「カムイの剣」に秘められた海賊・キャプテンキッドが残した財宝のありかを突き止めること。天海からの追手を退けつつ、日本を脱してセント・カタリナ島まで至るジローの旅路の果てに待っているのは一体なにか?
 いやー……カドカワだなあ……という謎の感慨を覚えました。
 世に「言語化できない感覚」はたくさんあると思いますが、その中には確実に「カドカワっぽい」があると思います。本作は実にカドカワっぽい。分かれ? たぶんこれ、ミステリー要素があると自動的にカドカワっぽいと脳が認識するスキーマがあると思われる。
 さておき、本作は132分という日本のアニメ作品としてはかなりの長尺。前述のとおり本作は今回が初見だったのでキャラはなんとなく知ってはいてもストーリーはほぼミリしら状態でした。ポスターの紹介文を見る限り、話は日本国内のみならず海外にも広がることは分かっていましたが、ここまで大ボリュームの冒険譚になってるとは思いませんでした。
 作中でもかなりの年月が経過しており、ジローも少年から青年に成長していきます。しかしジローの表情が基本的に憂いを帯びているのがいいんだよな……。成長しても心根が変わっていない、さまざまな人物と知り合い心を通わせても、その奥底には常に悲しみが横たわっているのがわかるという……。
 そして本作も忍者ものとしての側面があるのでさまざまな忍術バトルが楽しめるんですが、このバトルがまたいい。昨今のアニメではしばしば「なんでもかんでもセリフで説明しすぎ」と言われますが、本作のバトルはまさに業と術で語るといった描写。これがまた妖美かつ玄妙で素晴らしいんだよな。
 特に、後にヒロインとなるくノ一・お雪の分身殺法の美しさたるや。忍者と分身は切っても切れない要素ですが、この花散る分身描写はまさに白眉と言えるでしょう。凄絶かつ美しい。
 また、戦闘シーンのエフェクトなーんか見覚えあると思ったらアレだ、幻魔大戦だ。りんたろう監督だしな。
 そして、長い長い旅のその果てに、焼け落ちて見る影もなくなった自分の家に帰ってくるというあの寂寥感に満ちたラストシーンがやっぱりカドカワっぽいんだよな。
 いやー面白かった。前述の通り本作は今回が初見でしたが、こういう話だったのか……と感慨深くなりました。
 サンサン劇場では今後も「まさかこの作品をスクリーンで見る機会が来るとは長生きはするもんじゃのう」案件が山ほど上映されると思われるので楽しみです。
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塚口サンサン劇場「獣兵衛忍風帖」「カムイの剣」見てきました!
初公開日: 2026年09月11日
最終更新日: 2026年09月11日
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