よろしくお願いします。まずは着想から
テーマ「獄さんの過去を知ったら、十四くんの反応は」
モチーフ 獄さんは炎(劣等感)を常に抱いている。
故に十四に対しても後ろめたい
十四はそれを救いたい。過去とかは何が何だかよくわからないけど助けてあげたい。
思いついたネタからバーっと書きます
・「俺の心の醜い部分も愛してくれるか?」
・「どんな獄さんも、自分の大好きな人」
・十四が獄さんの過去の写真を見つけてしまう
・過去は過去、今は十四にとって誰よりも大切な人
・医者から弁護士にならなければ二人は出会えなかった
・獄さん視点でのコンプレックスを独白からの〜!十四くん視点でのオチという流れで
こんな感じでしょうか?比喩は獄さんは炎、十四くんは水に関連したものにします
では、本文作成に入ります
本文↓
 獄は常に身を焦がしている。
 どれだけ前を向いても、それは影のように後を追ってくるのだ。どれだけ見て見ぬ振りをしても、それは勢いを増して、今も尚、獄の心を焦がし続けている。
「あ、これ!」
 書類の整理を十四に手伝ってもらっていた。何かにつけて、十四は獄と居たいと強請る。自分一人でやった方が確実に効率がいいと分かっているのに手伝わせてしまうのは、結局獄も十四を側に置いておきたいからだろう。
 大体の書類はデータで管理をしているが、出先に持っていくのにプリントアウトする場合もある。そうなるとどうしても溜まっていくし、変なところで面倒くさがる獄は書類の整理を後回しにしがちなのだ。
「わぁ、すごい。これ、学生時代の獄さんっすか?」
 何故、そこに「それ」があったのか分からない。とっくの昔に捨てたと思っていたのに。──中学生の頃くらいの写真。二十年前でも十分に面影が残っている。
「自分より年下の獄さん、可愛い……泣きぼくろですぐに分かっちゃったっす」
「お前に可愛いなんて言われると……」
 複雑だな、そう言おうとしたが続きが出てこなかった。学生服に身を纏った自分。その隣にもう一人。その涼やかな表情を見た瞬間、カッと腹の底から頭を突き抜けるように感情の火柱が上がる。
「見るなっ!」
「え、あの……」
「っ!」
 十四の手からそれを取り上げるとクシャクシャに握りつぶした。それだけでは気が済まず、再び広げてビリビリと千切る。古ぼけた写真は見事にバラバラになり、やがて床に散っていった。
「あ、あの、ご、ごめ……」
 突然の獄の怒りに十四はただごめんなさい、ごめんなさいと繰り返す。余程怖かったのか単語すらも上手く言えてなくて、荒い呼吸音だけが響く。
「……すまん、お前のせいじゃない」
「ゔ、ゔぇ……グスッ」
「泣かないでくれ、ごめん」
「だって、自分が」
「お前は悪くない。俺が悪かった」
 十四の涙を見た瞬間、スッと頭が冷えていく。冷静さを取り戻して、必死に十四を宥めても一向に泣き止まない。普段は泣くな、なんて叱ったりもするけれど。流石に今回は獄の責任である。何も言えない。
「ちょっと頭を冷やしてくる」
 いつもなら十四が泣き止むまで宥め続けるのだが、心の片隅で劣等の炎が燻っている。十四の側にいるのが急に苦しくなって、獄は部屋を後にした。
「何やってんだよ……」
 部屋を出た瞬間、情けなさが一気にこみ上げてくる。ポケットの中に入っていたクシャクシャの煙草に火をつけた。煙を吐き出したところで、ここは禁煙だったかどうかと思い止まったが、煙草の火を消すことはしないまま、ゆっくりと煙を吐き出す。紫煙は白く、獄に纏わりついて、溶けて消えていく。それなのに、劣等の炎はいつまで経っても消えやしない。
 もう過去に囚われたくないのに、絶対に勝てない相手を思い出す度に、自分の中で炎はうねり暴れ出す。そして深い火傷を残して、鎮火された後もいつまでもジクジクと痛みを残す。
「無敗、か」
 勝ちにこだわってきた。勝利こそ獄の全て。勝てば自分の望むものが手に入る。もう膝をついて地面を呆然と眺めるのはごめんだ。誰にも、負けたくない。
 何より十四を護ることが出来たのも、好きになってもらえたのも獄が「勝利した」からだ。そして今の関係を維持出来ているのも、獄が勝ち続けて十四の理想の姿でいるから。
 あんなにも取り乱した姿を見て、十四は軽蔑しただろうか。幻滅したかもしれない。不安が次から次へと襲ってくる。気付いたら上手く煙草が吸えない。獄の中の炎が肺すらも焦がしてしまったのだろうか。
「……十四は、こんな俺でも愛してくれるのか」
 心の中、真っ黒に焦げた劣等の塊を抱えながら生きる獄。愛してもらえるのだろうか。もう、失いたくない。失ってばかりの人生と決別したかった。
「どんな獄さんでも、自分は大好きっすよ」
「うわっ!」
 いきなり声をかけられたものだから、思わず肩をびくつかせた。煙草の灰が落ちる。まだ部屋で泣いているだろう十四がすぐ後ろに立っていた。
「いるならいるって言えよ」
「声掛けづらかったんすもん」
 あれだけのことがあったのだから、そうなるのも無理はないだろう。まだ心がささくれだって落ち着かない。どう言葉を切り出せばいいか。
「あの、獄さん。よく分からないんすけど……獄さんは獄さんだから。自分のたった一人の、大事な人っす」
「なぁ、もしも。俺が負けても、そう思ってくれるか?」
「当たり前じゃないすか」
「心の中に、どす黒いもん抱えていても。愛してくれるか?」
「……生涯愛することを、誓うっす」
 結婚式かよ、なんて思わず笑ってしまった。それを見て十四も笑う。たった一言で劣等感がみるみると小さくなって消えていった。獄の中を燃やし続ける劣等感を全て飲み込むくらいの愛の津波。焦げ付いた心ごと攫っていく。
「はは、お前……重すぎるよ」
 その重すぎる愛に救われている。だからどうか、ずっとずっと側にいてくれ。永遠なんてわがまま、言わないから。
(獄さん、やっと笑ってくれた)
 先ほど、十四が見つけた写真を見つけた時の怒りに飲まれた瞳ではない。十四の大好きな獄に戻ってくれた。
 隣にいると、本人達が思っている以上に互いが分かってしまう。獄が過去に対して傷を負っているのを何となくであるが、十四は分かっていた。
 でも昔なんてどうでもいい。負けたってこの愛が薄まることなんてあり得ない。どんな獄も愛している。いつ、どんなときでも。
 心が真っ黒だと言うのなら、この涙を星にして散りばめて、満天の星空にしてしまえ。火傷のように過去の傷が痛むのならば、絶えず涙で水を注ごう。そしてキズ薬の代わりに「大好き」を沢山塗り込んでやる。
 抱え込んだものが溢れて、どうしようもないのなら十四が代わりに泣けばいい。きっとその為の泣き虫なのではないか、なんて言ったら言い訳だなんて怒られるかな。
 獄の過去があったからこそ、今こうして自分が生きている。過去が悲しいことばかりだったのなら、その分幸せを沢山あげたい。獄が後ろなんか振り返るのも忘れるくらい、いつも側で笑っていよう。
おしまいです!
10分オーバー…ちょっと文字数計ります
2466文字でした!
こんな感じでいつも書いてます。みんなが見てると緊張しますね…またやりたいと思います。お付き合いありがとうございました!
追伸
推敲は今回は見逃して下さい♡
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ひとじゅしワンライお題「過去」
初公開日: 2020年04月05日
最終更新日: 2020年04月05日
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