00:00
英語(英会話)』『オレンジ(橙)』『I LOVE YOU』
オーガスはその白衣を翻し、せわしなく部屋の中を動き回る。
「オーガスさん」
「……ああ、来てくれてありがとう」
ぺこりと頭を下げたオクトは、つなぎを着て辺りを見ていた。
横たわるのは彼を写した機械人形。とある計画のため、この世界の人間たちの中から選ばれた者をかたどりその記憶すら写すのだ。彼は、その計画の為に選ばれた協力者の一人だった。
周りには、オーガストのように白衣を着た研究者。場にそぐわない自分の恰好に、手慰みに太ももを擦る。
そこで、渡そうと思い持ってきた小瓶の存在を思い出した。
「そうだ。オーガスさん。また貰てくれますか」
ごそごそと取り出したのは、彼が作ったマーマレードのジャム。ずいぶんと前に趣味で作っているのだとと話、その時から毎年オーガストへプレゼントしていた。
「ああ、ありがとう」
今年のジャムも美味しそうだ。嬉しそうに笑うオーガストにつられ、緊張していたオクトも微笑む。
「君の作るマーマレードは格別だからな」
「そんな。おばあがわけてくれるオレンジが美味しいんです」
「そうか?……でも、君が作ってくれたマーマレードは好きだぞ」
思いがけない言葉に、オクトはびしりと背筋を伸ばした。ぎゅうとつなぎのズボン部分を握り、せわしなく視線を揺らす。
「そ、そんなっ……。でも、そう言ってもらえて……嬉しいです」
俯いた顔は真っ赤で、その様子に再びオーガストは笑った。
「緊張はほぐれたか?それじゃぁ今日も計画の協力を頼む」
オクトは政府の研究所へ定期的に訪れていた。
記憶を写すための装置。すべて機械が行うため、被験者はこの施設へ訪れてベッドへ横たわるだけだった。
「オーガストさん、俺はどうして選ばれんですか?」
「優秀な修理工だと聞いた。選出理由はそこだろう?」
それは、そうなんですが……と、彼は気おくれした様子で視線を揺らした。
「私は……君がこの役割を負ってくれてよかったと思う」
機械を操作しながら、オーガストはなんともなしに口にする。
「……どうしてですか?」
オクトは不思議そうに彼の背中へ顔を向けた。
「ほら、動かないでくれ」
「すみません」
機械に沿うよう頭の向きを直すが、それでも視線はオーガストへ向けたまま。
その視線にくすぐったさを感じ、オーガストは肩を震わせた。
「私は計画の要となる時計塔を管理することになる。私が持つ懐中時計。そしてその時計塔。それらのメンテナンスを、君に任せることになるだろう」
「そう、なんですね。……なんだか、実感がないな」
政府の研究者ではなく、一般市民から役割に適性のある人物を見つけ協力を仰いだのだ。この計画の重要性なんて、想像もできないのだろう。
「君は君の仕事をしてくれればいい。今までのように」
オクトがこの施設へ訪れたのは、ずいぶんと前の事。その間に何度も季節が廻った。計画に必要な道具のメンテナンス方法を学びながら、少しずつ己の記憶を機械人形へと写していったのだ。
「我々は眠り、その代わり我々を写したこのロボットドールたちが世界を回す。彼らが眠りに就く頃に、再び我々が目を覚ます」
「ずいぶんと長い期間眠りに就くんですよね?起きた時、世界はどうなっているんですか?」
不安を抱いた瞳に、オーガストはふるりと頭を振る。
「わからない。けれど、希望を求めてこの計画を実行するんだ」
この計画については、しっかりと説明を受けた。けれど、オクトには壮大過ぎて理解が追い付かなかった。ただ、途方もない時間をかけて行われる計画。その結果がどう転ぶかは未知の領域。
滅びかけた人類が一縷の望みをかけて大博打を打つ。そんな印象を持っていた。
「オーガストさんは……希望の先を見ているんですか?」
「ずいぶんと詩的な言い回しだな」
ぼんやりと口を付いた言葉を揶揄われた気がして、オクトはすみませんと狼狽えた。この荒廃した世界の先を見据え、ただただ計画を遂行していくオーガストに対し、その言葉が思い浮かんだのだ。
柄にもない言葉を選び、今になって恥ずかしさがこみ上げる。
「謝ることはない。そんな風に思ってくれて嬉しいんだ」
カット
43:51
葉月 翔
どなたですかー!?
43:58
葉月 翔
wwww
44:06
葉月 翔
いらっしゃいませ~
44:07
ななし@12d3c0
🙄
44:16
ななし@12d3c0
こんちゃす〜
44:21
葉月 翔
こんばんは~
44:34
ななし@12d3c0
🙇
44:47
葉月 翔
しがない二次創作のワンライですが、お時間あればご覧になって行ってください。
チャットコメント