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 ……そういえばさ。
 不意に、シェントゥが切り出した。
 軽食と風呂のあと。太陽は西の方にむかっているとはいえ、まだ午後も浅い時間帯だ。今日一日は休養に充てようと暗黙の了解のまま、なんとはなしに一緒にシェントゥの部屋に戻り、そのままなんとはなしのまま、当たり前のように並んで長椅子に腰を掛ける。
 色々と、一区切りはついたのだ。ほっとしたまま、茶の用意も何もなく互いに疲れた心身をさらけ出す。リーダーと副リーダーがそろいもそろって情けない、なんて言葉まで揃うのだから世話がない。寝るなら寝室に運んでやるぜ、と未明のやりとりを逆転してやると、そいつはちょっと、と、シェントゥがげんなりとした顔を見せた。
 会話というより、互いがこぼした独り言についつい突っ込みを入れるような、昼下がりのだらけた時間に浸っていたさなかの呼びかけだ。なんだ、とばかりに顔を向けたフリックは、シェントゥの思いがけない真顔に面食らう。
「今度、酒の飲み方を教えて欲しい」
 続けられた要望はさらにフリックを面食らわせるものだった。背もたれに預けきっていた身体を起こし、フリックはシェントゥの顔をまじまじと見つめ返した。
「……は?」
「いや、だから、酒の飲み方を」
 何を言い出すのやら、と
「……お前、酒は嗜んでるだろ」
「儀礼としてだけだ。食事の前の乾杯なんて、挨拶みたいなものだろ。そういうのじゃなくてさ」
「酒場に連れてけっていうなら俺よりよっぽど適任が……あ、いや」
「お忍びで騒ぎの中を逃げ出すってのも面白そうだが、さすがに今の立場じゃな」
「……そういうことか」
「うん、……あまり褒められた事じゃないのかもしれないが、こういうときに、酒が欲しくなるのか、って気分でさ」
 
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