5話目の校正します。
章ごとに分けるかなあ。
章のタイトル考えよう。
第一章 始まり。
第二章 殺されるべき娘
出会い。
二五六年、カルシア王国の端、ザッハルト領に隣国は攻め入った。
兵力差五倍。
ザッハルト領、シルフィード伯爵は王に援軍を求めた。
しかし応じることなく、隣国の兵士によってザッハルト領は蹂躙され、シルフィード伯爵も殺された。
けれども奇跡が起きる。
兵力差をひっくり返し、ザッハルト領軍が隣国の兵士を追いやったのだ。
その活躍に不死身の兵士あり。
噂は広まり、隣国が二度とザッハルト領に侵略することはなかった。
しかし、不死身の兵士の噂を聞いて、それを作ったとされるマルクに接触を図るものが現れた。
マルクは腐っても現領主、シルフィード伯爵の叔父であり、応じることはなかった。
そうではなく、彼は己の利を考え、この地にいたほうがイザベルとその娘レイアの研究ができると王の要請に答えなかった。
けれども、裏切り者はいて、イザベルとその娘レイアが原因という情報が洩れ、屋敷に侵入者が現れた。そのものを捕獲したが、情報を得る前に死んでしまった。
その後、王から王都への召喚命令が届いた。妻も子も共に王都に来るように命令書には書かれていて、チャーリーはその意図がわかった。そして侵入者は王が放ったものということも理解した。
四年前、王は援軍を寄越さず見殺しにしようとした。
父は死に、屋敷の者も殺され、多くの村が破壊された。
そして今度は、王都に召喚して、妻と子を奪おうとしている。
チャーリーは、軍を率いて、王都へ向かった。
彼に賛同する領主もおり、協力しながら王都へ進軍する。
邪魔する領主の軍勢には兵士の一部を不死身の兵士に変え、恐怖を植え付けた。
チャーリーに同行するのはマルク、そして妻イザベルだった。
それは何かあった時のために血を提供してもらうためであった。
イザベルはチャーリーを心酔しており、王が自身と娘レイアを悪しきことに利用しようとしている、その言葉を信じて戦いに同行し、血を提供した。
血を提供するのは彼女だけ、娘レイアには何もしないとチャーリーとマルクには約束させていた。
兵士たちが次々に不死身の兵士に変えられ、戦場は混乱。
また切っても切っても動きを止めない狂ったような兵士に、恐怖を抱く者も多く、逃げ腰になる。
一瞬前まで普通に話していた友が急に狂いだす場面も見ているので、自分もそうなるのではないかと上司の制止を聞かず逃げ出す兵士も現れた。
こうなると恐怖に支配された軍は意味をなさず、チャーリーの軍はすんなりと王都にたどり着いた。
不死身の兵士の話を事前に王都に流しており、王都は逃げ惑う人々で混乱していた。城内でも恐れる者がいて、逃げる者も出始める。
臆病な王に心から尽くす者は少なく、チャーリーの王都制圧は簡単に成された。
そして、二六〇年。
チャーリーは新しいカルシア国の統治者になった。
権力を得ると人は変わる。
彼はイザベルを変わらず愛していたが、彼女を利用することに罪悪感を覚えなくなっていた。
マルクは娘レイアを実質的に人質に取る形で、イザベルに実験に協力を求めた。
カルシア王国は豊かになり、不死身の兵士をいう駒と使い、近隣諸国に手を伸ばした。
まずは最初に戦を仕掛けた国は、五年前の二五六年にザッハルト領へ侵略し、父を殺した隣国ハイヴァンだった。
ハイヴァンでは不死身の兵士の研究がされており、原因ががイザベルであることは判明していた。そのため、彼らはイザベルを逆に手に入れることを企てた。けれども成功せず、逆にその過程でイザベルを殺すことになってしまった。
「お父様、お母様は?」
「お母様は遠くにいってしまった。もう手に届かないところへ行ってしまったんだ」
「そんなお母様!」
レイアはチャーリーの腕の中で泣き続け、そのまま寝てしまった。
「今後どうされますか?」
チャーリーがイザベルを愛しているのが本当であり、その死を嘆き、彼は関わったものをすべて殺した。愛おしそうにイザベルの死体を抱いている彼を叔父のマルクは見ていた。
「レイアに代わりにさせる。もう攫われないように地下に隠せ」
「はい」
その日からレイアの住む場所は地下になった。
不便がないように彼女の部屋は以前と同じ作りにしており、飽きないようにいくつか遊ぶ場所も作った。けれども彼女が外に出ることはできなかった。
「レイア。僕は心配なんだ。君がイザベルのように遠くにいってしまうのが。だからずっとここにいてくれ」
城の地下深くに、立派な部屋が作られた。
一気に血を採取すると命の危険がある。
なので毎日少しずつ採血をした。
この研究を始めてから、あの戦いから、五年がたち、マルクは効果的に長く保存できる毒を開発していた。
カルシア国は近隣諸国を飲み込み、領地を拡大し続けて、大陸最強の国になった。
十年後、二七一年。
レイア、十四歳。
イザベラがチャーリーと会った年齢と同じ歳。
彼女は数年ぶりに、父とマルク以外の人にあった。
歳は同じくらい、自分と同じ黒髪と黒目だったので、初めて会ったのに、彼女は親近感を覚えた。
「お前、レイアっていうんだろう?ここから逃げないか?」
「逃げる?どうして」
「あ、やばい。人が来る。レイア、俺のことは絶対に誰にも話すなよ。じゃないともう会わないぞ」
「うん、わかった」
「俺の名はセオだ。またな!」
城の奥深くの花畑。
外から毎日花を運び込み、作っている紛い物の花畑。
レイアには外にいたことをほとんど覚えておらず、この地下がすべてだった。
だから、花畑はこのようなものと思っていた。
そこで、一人でいつものように歩いていたら、少年が現れたのだ。
もう少し話がしたいと、レイアは言われた通り、セオのことを父チャーリーにもマルクにも話すことはなかった。