体調が悪い。シンプルに体調が悪く、辛い。暑い。喉が痛い。体が重い。家事の手間を省くので家が散らかる。
38.5。デジタルに表示されている
心細さから友人にラインを送った。
起きる
え〜ヨレンタ既読無視だ 既読無視は人間のやることじゃないって超天ちゃんが言ってたよってあんなに教えてあげたのにな… そもそも既読無視とかするようなタイプじゃないんだけど
ん?
バデーニだコレ!!!!!
あxtいやば!バデーニだこれ!バデーニのトークルームだ!やば!うわごめんバデーニ申し訳ない許してね ごめん…
あじゃあ既読無視してんのってバデーニか まそれなら納得いくわ あいつ既読無視の常習犯だろ 超天ちゃんの価値観でいくと人間じゃないってことになるけど、まあ、じゃあ、超天ちゃんの価値観も一般的なそれとさして大きく差はないってことになるな
間違えたごめんとかも言わなくていいか 別に 気にしてないだろ しかしほんとに大丈夫かとか熱があるのかとかないのかよ 一応友だちが38.5の熱出して死ぬって送ってんだぞ 血も涙もない奴だよほんと…
もっかい寝るかな…
ピンポーン
…宅配の予定入ってないよな…
宗教勧誘かな
ラインのバデーニ
『おい』
『起きてるのか?』
『私だ。動けるか』
マジ?
ガチャ
「バデーニ?」
「動けるようだな」
「体調は」
「隊長…?」
キノピオ隊長…?
「…症状のほうはどうかと聞いている」
「あっ、そういう…えっ」
「なんだ」
「い、いや別に…」
この人そういう気配りできるんだ…。←失礼
「一応、それらしいものは用意したが」ガサ
「えっ」
「あ、ありがとう…」
「ていうか、急にどうしたの」
「? 君が言ったんだろう。38.5℃で死ぬと」
「あ…」
アレを見た上で持ってきてくれたんだ… 誤爆って言いにくいな
「…どうやらただの誤送信だったようだが」
「えっ、あ、あの、えっと、それは…えーっと…」
」
「別に構わない。そんなことだろうと思った。ヨレンタさんあたりと間違えたな」
「は…はい…」
「…分かった上で買ってきてくれたの?」
「別に分かっていたわけではない。その可能性もあると考えていただけだ」
「そっか…あの…なんかごめん。でもすごく嬉しい。ありがとう」
金額を尋ねると逆に理由を聞かれたため、払いたいからとだけ伝えると「たかだかコンビニのゼリーごとき大した金額ではない」と教えてもらえなかった。いや最近のコンビニって何でも高くない…? 本当にいいのかな…。
「他に不足しているものはないか」
「え?」
「特になければ帰る」
「ああ、あの…」
「あの、やっぱり申し訳ないから、これあげるよ」
図書カード
「私、もう電子書籍ばっかりで紙の本を買うことあんまないんだよね
なんか…うーん…
「あ!これとか」
「どうだろう。星に関する歴史とか、詩に関するエッセイなんだけど」
「ふむ」
「読もう」
「…あ、ありがとう…」
「何故君が礼を言う?」
「…確かに」
あの…つまらなかったらごめん。その、面白くなかったら無理して最後まで読まなくていいから…私もちょっと飛ばしちゃったところとかあったし…
あの、その…あの…うん、その、そういうことです…
「」
病人には優しいんだな…
「君の選んだものなら間違いはないだろう」
いやしかしバデーニもちゃんと病人には優しいっていう
「そしたらバデーニがわざわざゼリーとか買ってきてくれたんだー」
「病人には優しんだね」
「RADWINPSのトリビュートアルバムにヨルシカのDADAが入っていなかったことくらい意外な出来事だったわ」
その場にいる全員の声がニコニコ動画のコメント化されたとしたら画面いっぱいに「お前だけだ」「お前にだけだよ」「嘘だろ」「バデーニかわいそう」「気づけ」と流れるだろう
オクジーだけが「ヨルシカがDADAなわけないし、別に意外でもないよな…」と思っていた。