今年の夏は7月に入ってもまあまあ涼しいなあとか思ってたら案の定猛暑の予感。
しかし、こういうときこそ外に出なくてはいけません。夏コミ原稿で缶詰になるのもいいですが、社会的存在たる人間としてはやはり社会的との接点を持たねば。
というわけで行ってきました「OPEN GAME FEST 2026」!
京都で開催の同人ゲームイベントということで簡単に行ける距離だったのでさっそく申し込み。せっかく近所でこうしたイベントが開催されてるなら積極的に参加していこうと思います。そうでもしないとヨレヨレの引きこもりになってしまう。
会場である京都コンピュータ学院へは、公式サイトによれば徒歩7分とのことでしたがまあ迷った迷った。
わたくし人形使いは曲がり角が3つ以上ある場所から脱出が困難なのでもうだめです。ミニマップを表示してくれ。
もちろんスマホのナビも使いましたが、ふと気がつくとルート案内が徒歩ではなく車になってたせいでえらい回り道のルートを強いられており、夏の日差しに実を焼かれながら己のスカポンタン具合を呪うばかり。
そんなこんなでようやく到着した京都コンピュータ学院。今調べてみたら日本最初のコンピュータ教育機関だそうですね。
なので1階フロアにはIBM370からニンテンドースイッチまでさまざまなコンピュータが展示されており、いきなり「日本最初のコンピュータ教育機関」としての格を見せつけてくれます。
そして会場へ向かうエレベータの前にはなんと、世界最初の真空管コンピュータである「ENIAC」が!
ENIACと言えばオメガブーストですよ。
いやーいいもん見させてもらいました。これだけで汗だくになって歩いてきた甲斐があります。
今回は試遊スペース以外にも大ホールでのセッションが行われていましたが、試遊優先で回ってきました。
ではさっそく、今回プレイさせていただいたゲームの感想を書いていきたいと思います。
・こふんは生きている-マホロヴァ・クラブの死体さがし-(CAVY HOUSE)
「こふんくん」が友達の「はにわくん」とともに、公園のさまざまなギミックを解きながら自分の中に入ってくれる死体を探すというシュールな設定のAVG。要求スペックが結構高いので、体験版をプレイしたときはそろそろスペックが貧弱になってきたPCだと不安でしたが、steam版だけでなくPS5でも出ているそうなので安心。
大人になると「公園で遊ぶ」という行為がそもそもファンタジーになってくるもの。なので本作のシュールな設定からののどかな公園の光景はなんともノスタルジーを刺激されます。
また、自分の中の良ゲー判定基準に「キャラを動かしているだけで楽しい」というのがあるんですが、本作のプレイヤーキャラであるこふんくんのどくとくのふにゃふにゃした手触りは、そこらへんを歩かせているだけなんだか楽しくなってきます。
なんというか、「ちょっとだけ世界線がズレた世界のNHK」といった感じの作品です。
・P4ST3L(UsaginO)
タイトルは「パステル」と読みます。
病院着姿の少女を操作してbackrooms的な謎の施設を進んでいくTPS。戦闘よりも探索とリソース管理、そしてなによりその不気味さを前面に押し出した作風です。
プレイヤーキャラには弾薬やライフの他にも空腹と乾きのパラメータがあり、限られたインベントリとアイテムをやりくりして進んでいく必要があります……というのをしばらくプレイしてからでないと気づかなかった俺に乾杯。
前述のとおり、本作はFPSとしてよりもホラーの方に比重が傾いている作品です。試遊の際にはヘッドホンを使わせて頂いたんですがこれが実に効く。ゲーム中はBGMがなく環境音のみなんですが、・Umknot!(PFJ)ので不安感が抜けません。この常に不足と不安に苛まれながらプレイしていく雰囲気が実にいい。途中、ボーナスアイテムとして登場するアヒルちゃんが唯一の癒やし。
しかし本作でいちばん印象に残ったのは、隣の席でプレイしてた方がめっちゃくちゃビビってたことかもしれない。
・行列のできる武器鍛冶屋(KansyaGames)
鍛冶屋となって武器を作りつつ行列をなす客をさばき、魔物たちとの戦いに勝利せよ!
本作は鍛冶屋の少女・ミサを操作して店を訪れる客が求める適切な武器を作るアクションゲーム。
武器の作成はタイミングよくボタンを押すことでハンマーを振り下ろすというタイミングアクション。本作で特徴的なのは、ここに「記憶」と「推理」という要素を入れ込んでいる点。
客にはそれぞれ求めている武器があり、プレイヤーは客ごとに異なる武器を適切に選ばなくてはなりません。その根拠となるのが客との会話内容。会話から求めている武器を素早く推測して素早く武器を作れば、それだけ早く客をさばくことができるというわけです。
本作でうまいなーと思ったのが、この部分にコンボの概念を入れていること。つまり、ノーミスで武器を特定し作成することでコンボが繋がるわけです。「特定の作業を繰り返すお仕事系のゲーム」はたくさんありますが、本作はこのコンボシステムによって独特のスピード感を与えてくれます。
また、本作では同じ客がリピーターとしてやってきます。客の求めている武器は変わらないので、客の顔を覚えることでこのスピーディなコンボをさらに効率よく繋げることが可能。
夜になると始まる魔物との戦闘パートでは自分が鍛えた武器が実際に使われるので、自分の仕事の出来栄えを確認する楽しみもあります。
・PadPod(Team Setowari Project)
結局あんまり使わなかったPS4コントローラーのジャイロ機能をフル活用した、非常に意欲的な3DSTG。
特徴はなんといっても操作がジャイロ操作のみという点。視点のリセット以外ではボタンは一切使いません。
自機のショットはオートで発射され、移動はコントローラーを画面に対してそのまま移動させます。最初はハンドルや操縦桿のように操作する感覚が抜けなくて操作に苦戦しましたが、慣れるとスムーズに操作できるようになりました。
そして3種ある武装もすべてジャイロ操作のみで使用します。どういうことかというと、それぞれ右に90度、左に90度、そしてコントローラーを裏返しの180度回転させることで発射するわけです。もちろんこれらの武装は自機の左右と底面に装着されているので、視覚的にも直感で操作可能。
「シンプルで直感的な操作」というのはたびたび使われる惹句ですが、本作は思い切って操作をジャイロのみにすることでこの「シンプルで直感的な操作」を実現した作品だと言えるでしょう。
・MACHINA X GHOST(K.T.SOFTWARE)
もう何度か体験版を遊ばせていただいた本作、今回はステージ4を試遊させて頂きました。
敵の実体弾とエネルギー弾に対し、ショットで破壊かバリアで防御かの2択を常時迫られる本作、やはりその真骨頂というか特徴が色濃く出るのがボス戦ですね。
ボスの形態変化がかなり豊富に作られているので、どの攻撃にどの方法で対応するかという一種のパズルゲームのようなプレイ感がありました。
また、これは気のせいかもしれませんがこれまでの体験版よりもロックオンミサイルの威力が上がってる気がしました。なのでボスの部位破壊や中型機の連続撃破などの爽快感がかなり増強されてる印象でした。
あと、個人的にSTGの華のひとつが爆発だと思ってるんですが、本作の爆発エフェクトは小規模なものから大規模なものまで迫力があって好き。
完成が楽しみな1本です。
・レイザンヴァ・グランドクロス2(ES/4 RAYNEX)
こちらも数回すでに体験版を試遊させて頂いた「GRAND CROSS ReNOVATION」の精神的続編となる作品。
今回は巨大ボス「ラーウィング」をはじめとするボスとの対戦を楽しめました。前作は超攻撃的に「攻め」のゲーム性だったのに対し、今回は幕間に放たれる強力な攻撃を防御してエネルギーに転換する「守り」のゲーム性になっている印象。
とはいえ、今回は太陽剣に代わって「サンガリアンソード」というライフを削って敵や敵弾をなぎ倒すという攻撃性は健在。なので、この攻めと守りをどう使い分けるかが重要なポイントになりそうな予感です。
また今回は意見を求められたので、いろいろと感想を直接口頭でお伝えさせて頂きました。こうやって制作者の方に直接自分の感想を伝えることができるのはやはりリアルイベントの最大の魅力だと思います。
あとこれはあまり詳細な言及は避けますが内部資料をバカスカ見せて頂き、ゲーム制作の裏側を垣間見ることができました。これ大丈夫なんですかね……。
また、以前お届けした小説の感想もありがとうございました。これで我軍はあと100年戦えます。
・BIYOMB(しまだせいや@プログラマ)
幼少期にはこれがあれば2時間は遊べたと言われるアイテム、輪ゴム。
本作は、左右スティックで左右の手を操り、ビヨビヨ伸びる輪ゴムを使って画面上から降ってくるボールをゴールに入れるピンボールゲームです。
そもそもゲームというのは操作するメディアなので、操作が楽しくなくては楽しめません。その点本作は、「ゴムが伸び縮みする」という原初の遊びを思い出させてくれる一本です。
画面上から落ちてくるボールを、坂を作って誘導するもよし、反動をつけて放り上げるもよし。さまざまな方法で制限時間中にボールをできるだけポイントの高いゴールに入れてスコアを競います。しかし引っ張りすぎるとゴムが切れてしまったり、左右の手が入れ替わると操作が混乱したりとなかなか難しい。
この子供でも理解できるシンプルなルールと適度な混乱具合がまさにゲームと言えるでしょう。構成要素はシンプルで少ないけど、アクシデントやテクニックという方向性の拡張性があるという点で、本作はかなり理想的な「ゲーム」なんじゃないでしょうか。ちぎれたゴムを振り回すのがなかなか楽しい。
・たいせん!3文字クロスワード(仮)(motto)
今回試遊させて頂いたゲームの中でもっともアツかったの、間違いなく本作です。
本作はタイトル通り、対戦相手と交互に3文字限定でフィールドの中からワードを指定していくというもの。ワードはクロスワードパズルの要領で、上下左右から読めるものならOK。
画面写真を見てもらえば分かる通り、まるで絵本のようなファンタジックなキャラと読み仮名付きのテキストでいかにもライトな知育ゲームに見えますが実体はさにあらず。
最初はフィールドに直接ワードを打ち込んでいくんですが、本作の本当の戦いは盤面がすべて埋まってから。己の語彙力を振り絞って3文字のワードを発見していく知的興奮が実にアツい。今回の試遊バージョンではヒントありのモードでプレイしましたが、これヒントなしかつ時間制限があったりするとかなりシビアで面白いゲームになると見た。
囲碁なんかにも同じことが言えると思いますが、こういうシンプルなルールのゲームほど上級者どうしの対戦が白熱するんですよね。
ゆくゆくはこれネット対戦機能なんかも搭載してくれると熱い戦いが繰り広げられると思いますのでぜひとも。
・Ring in Ring(ストロベリーごはん)
本作もまた、画面写真を見ただけでなんとなくルールが察せるくらいシンプルなルールのパズルゲームです。シンプルと言えば公式サイトのゲームのサムネもシンプル。これくらいシンプルだとカジュアルなゲームとしてはいいんじゃないですかね。
要はリングを大きさの順により大きなリングの中に入れるというもの。まったくシンプルなんですが、だからこそ中毒性の高さを感じます。
入れる先のリングがもとのリングよりも大きければいいので、場合によっては大きさの段階を飛ばしてまとめることも可能。この辺のルールを緩めた部分がまた戦略性につながってると思います。
また、全部まとめたリングどうしをくっつけることでより大きなリングにできるものの、大きさの分だけ限られたフィールドを圧迫してしまうので、状況によっては一気にゲームオーバーになってしまうので注意。やればやるほどハマるタイプの一作です。
・くねよけ(Xiomi)
古典的なゲームジャンルである「スネークゲーム」を基盤とする一作。
操作はWASDキーでの移動のみというシンプルなもの。
特徴的なのはタイトル通り、スネークゲームのようにエサを取得するのではなく、画面じゅうを跳ね回るボールを避けて生き残るのが目的。
プレイヤーキャラは被弾するとだんだん体が短くなり、頭だけになったときに被弾するとゲームオーバー。しかし同時に、体が短くなるほど移動スピードが早くなるというメリットもあります。この「メリットとデメリットのバランス」がゲームプレイに「最後までチャンスがある」というモチベーションを与えてくれます。
しかし、自機の移動速度が早くなれば敵弾も早くなるのがまた厄介。敵弾の中にはこちらを追尾してくるものもあり、敵弾どうしがぶつかると小さな敵弾になるのでうまいこと誘導してやるのが良さそう。
「デメリットと同時にメリットも与える」というのはゲームプレイがジリ貧になるのを防げるポイントなんですが、言うほど簡単に実装できるものでもないよなあと思います。
・無刃刀-真打-(FlytecatEmotion.INC)
「刃」の「無」い「刀」と書いて「無刃刀」。
ひときわ目を引くタイトルの本作は、SFC時代を思わせるレトロなグラフィックのアクションゲーム……に見えますが、触った感じは実質的にパズルゲームでした。
主人公は溢れ出る狂気を抑えるために刃のない刀を携えた侍。なので敵を攻撃しても気絶するだけ。しかし、敵を攻撃すればするほど「狂気ゲージ」が溜まっていき、最終的には狂気を抑えきれずに敵を殺してしまいます。
これを防ぐためにはアイテムを使ったり地蔵の前で静止したりする必要があり、プレイヤーはこの狂気ゲージが溜まりきらないように管理しながらステージを進めていきます。
この「敵を殺さない」という点がうまくパズルアクションの構成要素として機能しているのが本作の魅力。気絶した敵は足場になるので、上手いタイミングと場所で敵を攻撃し、足場にして進んでいくというパズル要素があります。
敵は一定時間で気絶から回復しますが、前述の通り攻撃を繰り返していると狂気ゲージが溜まりきってしまうので、素早く地形を理解しより少ない手数で進んでいくことが攻略の鍵となります。
試遊に使ったコントローラーがちょうどSFCのUSBコントローラーだったんですが、それもあってか久しぶりにSFC時代のレトロなアクションゲームをプレイしてる気分になれました。
・Umknot!(PFJ)
本作は、名前の通り複雑にもつれ、あるいは結ばれた紐を文字通り紐解くという、今までありそうでなかったパズルゲーム。
マウスで紐を引っ張ってほどけばクリアという書くだけならシンプルなルールなんですが、実際にやってみるとこれがまた難しい。
「フリップ」といって紐の重なりを逆転できる機能があるんですが、これを使いすぎるとかえって紐がもつれてしまうこともあるので、救済措置のはずが罠になってしまうことも。
紐の結び目や交差、裏表などがあるので見た目通りにはなかなかいかず、いつの間にか画面に顔を近づけて画面をガン見してしまいます。さらに本作にはやり込み要素として、より少ない手数、より少ないフリップ数で紐をほどくというポイントがあるので、かなり深くやり込める作品だと思います。
また本作、技能的、あるいは呪術的な「結び目」も採用しているのでそういうのに妙味がある人にはおすすめです。
・HINO(東映ゲームズ)
特徴的なグラフィックが目を引く本作は、小さな女の子「ヒノ」が悪夢の世界を旅する2Dアクションゲーム。
調べてみたところ、本作のこのグラフィックは絵師のやたら氏がボールペンで描いたものだそう。世のゲームにはいろいろなタッチがありますが、こういう手法もあるんだなあと驚きました。
本作はいわゆるダークファンタジーな世界観。画面をぱっと見たときの印象は「リトルナイトメア」と同じ方向性のゲームかな?でしたが、ゲームを進めていくうちに明確に日本語(カタカナ)が出てきたので、「迷宮物語」とかそっち方面のジャパニーズホラー……でもなく、NHKの「みんなのうた」の怖い歌感を感じました。伝われ。
アクション要素もありますが、本作はあくまで雰囲気重視のゲームになりそう。アクション重視のゲームになったらそれはそれで面白そう。
製品版の発売はまだのようなので、どちらに舵を切るか楽しみです。
……といった感じで、今回試遊させて頂いた全13本の感想を書かせて頂きました。
今回はパズル系のゲームが充実してた感じですね。
さて、17時を過ぎて試遊スペースの方は撤収の呼びかけが始まったので、わたくし人形使いはせっかくだからということで閉会式に参加することに。
閉会式では今回のOPEN GAME AWARD受賞作品が発表されました。
映えある賞に輝いたのは……この作品!
「シュレディンガーズ・コール」でした!
これもいずれプレイしないとな。
というわけで、初参加のOPEN GAMES FEST2026、のっけからかなり無駄な体力を使いましたが楽しませて頂きました。
HARF-WAYさんで記事を書かせて頂くようになってから同人ゲーム関連のイベントにも以前よりまして積極的に参加するようになりましたが、毎回知らなかったゲームや予想外のシステムのゲームが発見されるのが面白いところ。
そして今月25日にはさっそくゲームパビリオン2026夏が開催されるので、そっちにも行く予定です。
それではみなさん、次のイベントでお会いしましょう。