割と書いたものの、見返したらメイク剥がれた騒動の時点のカチオン屋上で姐さんが櫛を使っていた
無事だったわ良かった~~いつも持ち歩いてたのかな
それはそれでエモいね、肌身離さず大事にしてて……
なので、ボツ!!
それはそれとしてこの視点は大事にしたいね(明治と令和の時間をジャンプした姐さんという考え方について)
避難前か避難して少し落ち着いてから何かしら漁ったタイミングはありそうだけど。
やはり時系列整理(年表)は基盤になるからサボったらいかんな……
被災翌日
流されてることが判明(明け方)
屋敷が砂浜にたどり着く
倒壊
カチオン移動、炊き出し手伝いなど
(夜に泣き出す子供たちのためにリリィがアカペラ、数日経ってる?)
幸太郎が徐福と救助される
(一晩以上も浸かってたん?低体温死するわ……今さらか)
徐福が病院へ
幸太郎が"豪雨から一夜明け"のニュースで屋敷がなくなってるのに気付く
~徐福の店がどこにあるかによるけど、移動に時間を要したと仮定~
ミサに頼んで松浦川を遡る
このとき海岸までいって瓦礫からメイク道具回収したのか?
カチオンでミニライブ中にお面がパリーン
メイクしなおし
幸さく屋上
数日空く
ラジオでライブの告知
あとお役所的にあのレベルの被災の翌日かそこらで、人家もない砂浜の瓦礫撤去に絶対人員は割かねぇはずなので幸太郎がニュースで見てた重機のアレは見なかったことにできます
(最優先は公道で、他にもどかすべきものたくさんあるし……)
いつもの"原作を元に発想を膨らませました"でいけなくもないか……?
ーーーーーー
映画で意外と腕力がある姐さんが可視化される→
瓦礫とか片付けないといけないときに活躍しそう→
そういや二期で屋敷ぶっ壊れたときの残骸はどうなったんだろう→
姐さんの私物……特に煙管と櫛は……?→
他の皆も私物はあるだろうけども、何もかも変わり果てた平成令和の佐賀で、姐さんの明治の品物の重みは少し他のメンバーと違うんじゃないかな→
回収されてたらいいけど、カチオンでチャリティライブの練習するだけでもギリギリだったろうから、最低限のものしか回収できてないんじゃないか→
いつも使ってた櫛無しでライブに臨んだのかなぁ……→
でも映画では煙管無事だったから、きっと櫛も無事だよ!!回収したよ!!(同じものである保証はない)
→回収したとしたら……
瓦礫の山から櫛を探すのを、リリィが手伝う話。
姐さんの失くしたものを幼いなりに理解しているリリィちゃん、という幻覚。
メンバーの中でもゆうぎりは一人、分厚い百年以上もの歳月を飛び越えてしまったのだ。
決して表に出さないけれど、リリィは敏いからその孤独を想える。
本番前、幸太郎の完璧なヘアセットの後も、丹念にくしけずる姿を見ているリリィは、その理由を察している。
髪をとかすことではなく、その櫛に触れていることにこそ意味があるのだ、と。
「人にもらった」としか聞いていない、その赤い櫛。
落語や時代劇でそこらの大人よりはるかに教養のあるリリィは、女が誰かに櫛を贈られる意味をもまた理解していて。
誰にもらったか、なんて野暮なことは聞かないし、別段聞きたくもないと思う。
ただ、分かる。
それをとても、とても大切にしていた、ということだけは。
★見つからなくて諦めかける。
「わっちも童子じゃありんせん。これ以上駄々をこねるわけには……」
「ううん。愛ちゃん言ってたじゃない。回収するのは"ライブに必要なもの"、でしょ?」
じゃあ絶対に見つけなきゃ、と腰に手を当ててリリィは瓦礫の山の上に立ち上がる。
その背後の水平線が、淡く光を帯びていく。
(ただ、浜崎海岸から水平線側に日の出は見えない。絵的には夜明けの海に日が昇って光がさして欲しいけども……)
「リリィはんは、明けの明星でありんしたか」
一番星を自称するリリィの輝きは、その時ばかりは払暁に最も相応しくみえた。
自分達は佐賀復活の運命の星とやらに導かれているらしいけれど、ゆうぎりはいつの世も一際眩しい星に手を引かれるような心地がしている。
結局櫛も煙管も見つからなかったけれど、本番前にはリリィちゃんが手を握ってくれれば大丈夫だ、と笑う姐さん。
その後もリリィは一人でこっそりしばらく探すけど、見つかる前に撤去されちゃう。
ただ実は持っていったのはパピィの会社で、建て直すため土台以外の部材は結構保管してたからその中から見つかる。
みんなの私物を気をつけてより分けてくれてた。
オマケで幸太郎の粉々ギターは再び純子によって修復されたり。
幼いながらに姐さんのそういうのを慮れるリリィちゃん尊い、みたいな話が書けたらいいね。
(未来に丸投げ)
「倒壊して二週間近く経ちますが、撤去されてなくて良かったですね」
純子の視線の先には、危険立ち入り禁止、という黄色いテープが張り巡らされた瓦礫の山。かつて彼女たちの住処だったものだ。
「でも、これじゃあ幸太郎さんの楽器とかは多分……」
「ギターは純子がぶっ壊してたし、今さらだろ」
「皆、もうライブまで時間がない。人目もあるし、すぐ戻らないと」
愛の号令に、各々が返事して散る。
今にも倒れてきそうな瓦礫の山に、ヘルメットもつけていない少女たちが群がっている様子は、端から見て危険極まりない。
いくらゾンビだから怪我なんてしないとしても、通行人が来たら見咎められてしまう。
だからといって真っ暗闇では手元が見えない。明け方薄暮のわずかな時間でどうにかケリをつけねばならなかった。
「あーあ、リリィの絵本、ビショビショで砂まみれになっちゃってる~」
「あたしのたまごっちはチャリ鍵につけてて無事だったけどなー」
「信じらんない。サキちゃんが運転する自転車になんてぶら下げてたら、傷だらけになっちゃうよ?」
たまごっちが可哀想、とサキにからかわれたリリイが噛みつき返す、いつものやり取り。その横で、ゆうぎりは一際大きな柱を器用に背で押しのけて、皆が作業するスペースを広げていた。
「でも……こうなると、大事なもんは肌身離さず身に付けておくが賢いやもしれんせん。ゾンビいうんはただでさえ、いつ何があるか分かりんせんゆえ」
「そうやねぇ、今回のことで私、メイク道具抱えて寝ておけば良かった~って何度も思ったよぉ」
「私もです……これからは尾崎人形の道具の中に、応急用のメイク道具を忍ばせておきます!」
「いや、それならメイク道具をちゃんと回収した方がよくない?……って、ほら、脱線しないの!全部掘り出したいのは分かるけど、今は最低限ライブに要るものだけに絞って」
「ってぇと、やっぱラジカセと着替えくらいか……まあ着替えは最悪いいか。目標はグラサンの部屋、全員でかかるぞ!」
リーダーの号令に、たえを除くメンバー全員がガチャガチャ、とガラスの破片や割れたスレートの板などをより分ける音が響く。
「……ラジカセあったー!砂まみれだけど、濡れてはいないみたい。電池だからこれだけ動くよ!」
リリィが再生ボタンを押すと、入っていたデモテープから幸太郎のよかよかと独特な鼻歌が流れ、一同は声をあげる。
「私も、このテープ、ライブでやる曲まとめてあったみたい!!」
「でかしたちんちく!さくら!これで練習できんな!!よし、撤収すんぞ!!」
そそくさとサキが先陣を切って、メンバーが後を追う。
ようやく練習ができる。
こんな悲惨な状況下でも、ライブを強硬するとプロデューサーが決めた以上、中途半端なパフォーマンスは許されない。ましてやリベンジを銘打ったライブだ。ここまでしておいて、人々の期待を裏切るような真似をすればフランシュシュは再起不能になる。
今は、一分一秒が惜しい。
そんな中、ゆうぎりは一人、明けの空に浮かぶ瓦礫の山のシルエットを振り返った。
「……」
「……ゆぎりん、どうしたの?」
「いえ、少し感慨に耽ってしまったでありんすよ。祇園精舎の鐘の声、と聞きなした一節もこう目の当たりにすれば」
「よく、わかんない……」
形あるものは必ず壊れるもの、となにかを断ち切るように踵を返した。
★
二期のカチオンにて。
「屋敷の残骸からライブに必要なものだけ回収して、一分一秒でも練習する」という状況下。
夜中一人で起き出したゆうぎりは、フランシュシュの屋敷だった瓦礫の山を掘り起こしていた。
その手元を、懐中電灯が照らす。
振り返るとリリィがいた。
「リリィも手伝うよ、ゆぎりん」
幸太郎のメイクもヘアセットも、癪だけどいつも完璧だ。
本番前に整える必要なんてないはずなのに、いつもゆうぎりはライブの前には後れ毛を櫛で念入りにとかしていたから。
それが儀式のようなものであることをリリィは知ってる。
いつか「その櫛いつも使ってるね、お気に入り?」と尋ねたら「人からの贈り物だ」と、教えてくれた。
落語や時代劇でそこらの大人よりはるかに教養のあるリリィは「櫛を贈る」意味を知っている。
それがどんな相手かまでは、聞かなかったけれど。
「"ライブに必要なもの"は、ちゃんと持って帰らなきゃ」
目覚めて一日目、いきなり放り出された佐賀城の鯱の門ふれあいコンサートを思い出す。
社会見学で見慣れたその城郭跡は、記憶とほとんど変わらない姿をしていたが。
「すっかり、変わってしまって……」
「そうなの?」
「あい。あの濠も、わっちの頃はまるで城が小島に思えるように広々と。このように戦が無くなれば、埋めて用立てるのも、必定でありんすな」
ああでも、この門は変わらない、と銃弾の跡が残る表門を撫でる手付きが、とても愛おしそうなのが印象的だった。
ゆうぎりはいつも泰然と落ち着いているが、自分の知っている景色を見つける度、わずか声が弾んでいた。
明治時代の人。
甦ったというより、タイムスリップしたようなものだろう。
そしてもう二度と、自分の時代には帰れない。懐かしい景色も人も、永遠に過去のもの。
リリィにも、お気に入りのオモチャや服や本はあったけれど、頑張って探せば同じものや似たようなものは見つかる。
父もきっと生きてて、家もまだあって、通った学校もあるけど。
この綺麗な人には、懐かしいものがほとんど何も残ってないんだ、と思った。
だから――見つけてあげなきゃ、と。