10月はもう見たい映画のラッシュがすごいことになってるのでとても大変です。この上に冬コミ原稿やらなにやらも重なっているのでとても大変ですが映画鑑賞は栄養補給なので見ていきますよ。
というわけで今日は豪華三本立て!
まず1本目はこの作品!
本作の名前を知ったきっかけは、なにを隠そうグラスホッパー・マニュファクチュアの「killer7」だったりします。内容に関してはミリしらというかゼロしら。
舞台は近未来の日本の何処かにあるという街、サンダーロード。そこは数々の暴走族たちがしのぎを削り、激しい戦いを繰り広げていました。
その中でも武闘派で鳴らすグループ「魔墓呂死(まぼろし)」のリーダーである健は、警察による苛烈な取締が強化されていく中で、協定を結ぶ平和路線に切り替えることを決定。しかしこれに納得がいかない特攻隊長の仁は健のもとを離反。
仲間を連れて暴走行為を繰り返す仁。その行為に制裁を加えるべく、新たな連合組織・エルボー連合が動き出します。その戦いの中で片手片足を失う重傷を負った仁は、一時は麻薬漬けになりながらも、武器商人と接触。漆黒のバトルスーツに身を包み、最後の戦い、そして最後の暴走に向かいます。
前述の通り内容はまったく知らない状態で見たんですが……なんというか……すっげー映画でボーゼンとなってしまいました。今日びスクリーンにデカデカと「憂国烈志」の四文字は色んな意味でアウトだろこれ……。
本作は他にも全体的にワードセンスが切れ味鋭く、やれ「デスマッチ工場跡」だの「バックブリーカー砦」だのといったワードにめまいがしてきます。というか冒頭のスタッフクレジットでいきなり「制作 狂映舎」と来たもんだ。なにそれ……こわ……そんな名前秋田書店のマンガでしか見たことないぞ……。あと「スーパー右翼」って……。
また本作は公開45周年ということで、「カ◯ワ」「キ◯ガイ」といった完全NGワードも遠慮なしに出てきます。(※本ブログは未就学児でも読めるよいこのブログです。わからない子はお父さんやお母さんに聞いちゃだめだぞ!)
かように本作は、色んな意味で暴走してる作品です。しかし作中のバイオレンスの数々の中には明白な哀しみを感じました。悲哀と喪失の物語なんですよね、本作は。
本作にて暴走を繰り返している青年たちは、衝動を持て余してそうした行為に及んでいると言うよりは、社会規範……というよりも、自分を取り巻く世界そのものという束縛から逃れて自由を希求しているように見えました。しかし、希求するのは得られないから。
前半から中盤にかけてはさまざまなグループに所属し戦いを繰り広げていた青年たちも、あるものは魔墓呂死初代リーダーである剛の国防挺身隊に引き込まれ、またあるものはいつの間にか警官として社会に適合している。仁と反発していた健に至っては、最終的に仁と戦う流れになってしかるべきポジションであるのにもかかわらず、ストーリーからフェードアウトしてしまいます。
檻の中から出ようとしてもがき、檻の外に出たところでひとまわり大きな檻にいることを思い知らされるだけという。
そんな中で仁だけが、片手片足を失いバイクにも乗れない体になってもなお、我を貫き通すために暴走(はし)り続ける。もはや暴走(はし)ることだけがその存在意義となり、自分を取り巻く決して抜け出せない檻たる「街」そのものに対して反旗を翻しひとり戦う仁の姿には、ある種の羨望を覚えました。
そしてラスト、傷つき力尽きかけた仁が、それでもバイクに乗って走り去るシーン。片足を失っている仁に対し、スラムの少年が言います。「そんなんでブレーキ踏めるのかよ?」
これに対し仁はなにも言わず、ニヤリと笑って去っていきます。そう、もうブレーキを踏む必要はない。
そしてラストシーンは、OPの大地に横たわる主なき鉄馬につながるという……。
いわゆる暴走族というのは今でこそ珍走団なんて言われてますし、そうした行為は明らかに反社会的行為だとは思いますが、この作品が作られた当時には、彼らのそうした姿にロマン以上のものがあったのではないかと感じました。
2本めはこの作品!
2013年公開の、大友克洋監督ほか合わせて5名の実力派監督によるOP+4篇のアニメ作品。
わたくし人形使いは大友克洋監督作品はほとんど見てると思うんですが、この作品は未見だったんですよね。なのでこの機会にぜひとも見に行かねばということで見てきました。
それでは作品ごとに感想を。
・九十九
時は18世紀の日本。山中で雨に遭い道に迷った男が、付喪神の住まう社に迷い込むお話。
日本の妖怪の持つ怖さとユーモラスさを魅力的に描き出した作品です。登場するのはから傘お化けと蛇の目蛙、反物小町、そして古道具の集合体であるおそらくは塵塚怪王。
どの妖怪も魅力的なんですが、なにが魅力的って色が魅力的なんですよね。男に修理してもらって古びてくすんだ色から鮮やかに蘇る唐傘、縫い合わされて目にも彩なる姿となった反物はまさに和の美といったところ。
・火要鎮
江戸を舞台に、火消しの活躍とその裏にある悲恋を描いた作品。
「火事と喧嘩は江戸の花」なんて言いますが、本作ではそんな江戸の火災とそれに対処する火消しの対処法が具体的に描かれていて面白かったですね。こういうのってアニメではあんまり描かれない部分なんじゃないでしょうか。
現代のように放水はせずに、周辺にへの延焼を予防するために周囲の家を壊していくいわゆる破壊消火は、アニメで見るとまた色鮮やかで見事。大鎚で土塀を壊したりする以外にも、大のこで大黒柱に切れ目を入れて引き倒すといったダイナミックな描写も見応えがありました。
また、本作ではあらためて「炎の妖美」を感じましたね。まず江戸の街に火と煙が映える。そして日が燃え移った小袖が空に舞い上がるラストシーン、やはり美しい。
・GAMBO
16世紀末、戦国時代末期の寒村を舞台に、人をさらい食い荒らす大鬼と白い熊の戦いを描いた作品。
巨大なふたつの暴力がぶつかり合うさまは、まさに原初的なプロレスといった感じ。また、本作における鬼は宇宙船のようなものを根城にしているというSFチックな要素も。
現実の方でも熊の被害や目撃情報が増えていますが、改めて熊という動物の持つ暴力性を感じられました。
・武器よさらば
砂漠! パワードスーツ! 自律戦車! 廃墟! 男の子が好きなの全部盛り!!
本作だけは漫画短編集の方のショートピースで読んでたので、今回アニメ版を見るのが楽しみでした。漫画のほうはCGを使ってたのが印象的でしたが、今回はアニメーションとして非常に見応えがある作品となっています。
かのカトキハジメ氏の初監督作品とあって、ミリタリー描写は本家以上に強化されています。こういうのの完成度が高いと、もうなにかしてるだけでカッコイイ。序盤からUAVを飛ばしてカメラからの映像をチーム間で共有しつつ自律戦車と戦うという流れがワクワクです。
オチも皮肉が効いてて好き。
そして3本目はこの作品!
もう何回見てんだ?と言われそうですがお前は今までに食ったパンの枚数を覚えているのか?
冒頭のヘルダイバー降下の時点で無条件にテンション上がります。何度見ても劇パトはいいぞ。
そして何回見ても本作の謎解きはワクワクします。台風が来ると未だにTwitter(頑なにXとは呼ばない)で「ビル風でレイバーが暴走する!」と騒ぐパトレイバーおじさんは多かろう。
しかしほんとに色褪せないよなあ劇パト。1989年時点でウイルスに感染したOS由来のシステム暴走を描いているこの先見の明よ。そしてオタクならみんな大好き聖書からの引用。
零式はカッコイイし怖いし、方舟のシーンは何回見てもハラハラするし、松井刑事のシーンではプルタブ付きの缶ジュースに時代を感じます。
みんな大好き劇パト2も上映されるので10月はサンサン劇場に通い詰めねば。