矢のようにまっすぐ放たれた斜め上への前蹴り「シャバ・ジラートリア」に乗せた会心の妖気弾が、三月精を狙います。
 しかし、三月精もさるもの。その動きはスターが間一髪読んでいました。
「みんな、散開よ!」
 ひとりでさっさと逃げ出しているスターに続き、ルナとサニーも慌ててフォーメーションを解除し、ほうぼうに逃げようとします。ギリギリのタイミングで、ラルバの放った一撃は散り散りに逃げようとする三月精のあいだをすり抜けてしまう――そう思えた瞬間!
「あまいっ! くらえ、ワイドアタック!」
 ラルバの掛け声に呼応するように、放たれた妖気弾がまるで投網のように大きく広がりました。その大きさは、今まさに逃げようとしていた三月精全員を飲み込むほどに大きくなり――
「うわあっなにこれ!? こんなの避けられ――」
「ちょっとスター、どっちに逃げればいいの!?」
「ふぎゅーっ、ふたりともどいてってば挟まってる挟まってる!」
 慌てた三月精はふたたび団子状態に。そして結局逃げ場を失ってしまい
・vsクラウンピース続き
「ううう、やばいやばい! このままじゃ負けちゃ……うわぁっ!」
 ピースの攻撃は複雑かつ強力です。左右から迫ってくるレーザーに気を取られていたラルバは、その間から飛んできた星弾に被弾!
 一回ミスしてしまうとなかなか体勢が立て直せないもの。さらに暴走したピースのリズムに飲まれかけていたラルバは、連続して被弾してしまいます。もう残り体力が少なく、危険な状態です。
「こうなったら……!」
 ラルバは懐から、これまでの戦いでも勝利に貢献してきたタチバナの花を取り出します。ここで溜め込んできた妖力を使ってしまうとあとで苦戦しそうですが、ここで使わなければ一気に押し込まれて負けてしまうでしょう。
「ライフ回復! なんとか持ちこたえなきゃ!」
 決断したラルバは、花に溜め込まれていた妖力を一気に開放。降り注ぐ光がラルバのライフを回復させていきます。
「うおーっ! ラルバってば、そんなことができるのか! すごいぞーっ!」
 相変わらず自分の力に振り回されているピースが、目を回しながら歓声を上げました。
 ライフ回復でなんとかその場をしのいだラルバですが、ピースにはほとんどダメージを与えられていません。そのうえ、ピースの攻撃はますます激しさを増してきました。
「その花すごいな! そんなにすごいことができるなら、これでどうだーっ!」
 ピースがその手に持った松明を激しく振り回します。松明の光に導かれるように、なにか巨大な力がピースの頭上に集まってきました。その力はみるみる大きく、そしてはっきりとした形を取っていきます。
「え……ちょ……これって……!」
 どんどん大きくなるその力は、ラルバの姿をすっぽり覆い隠すほどの影を投げかけています。丸く大きく、そしてどこか不気味な光をたたえたその姿は、妖精でも人間でも見慣れたあの姿。
 そう、月です!
 かつての月の都の住人たちが幻想郷に侵略してきたという異変で、ピースをはじめとする月の住人やその関係者が霊夢や魔理沙たちと戦ったという話はラルバも聞いていました。特にピースの巨大な月を召喚しての攻撃は、妖精とは思えないほどの強さで霊夢たちを苦しめたと言います。その力が、今まさに自分の目の前で展開しているのです。これはもう、弾幕ダンスバトルの範疇を超えています!
「うわーっ! ちょ、ちょっとピース! これ反則! 反則だって!」
「そんなこと言ったって、もう止めらんないぞー!」
 ピースが目を回しながらくるくる回るのに合わせて、ピースが召喚した巨大な月が、ズズズズ……と音を立てて回転し始めました。ラルバの蝶の羽が危険を感じ取ってぴりぴりふるえ、触覚がしびれてきます。
 ラルバがなりふり構わずとっさに後ろに飛び退くのと、巨大な月が空間を薙ぎ払うのがほぼ同時。もう少し反応が遅れていたら、ラルバは今ごろおせんべいみたいにぺしゃんこになっていたことでしょう。背筋に冷たいものを感じながら、ラルバは反撃に転じ……られません!
 月の回転軌道を追うように展開された星弾に続けざまに被弾したラルバは、完全にバランスを崩してしまいました。さらに、バランスを崩したところに月が覆いかぶさるように襲ってきます!
「ひえーっ! あ、あぶなーい!」
 ラルバはほとんど反射的に側転「アウー」の動作でかろうじて巨大な月がハンマーのように振り下ろされるのをかわしました。片足を伸ばして着地したラルバはそこで動きを止めず、さらに「アウー・ネガチーヴァ・コン・ホレー」に繋いで、続いて襲ってくる星弾をなんとか回避。
(リズム、リズムを取り戻すんだ……!)
 回避動作を繰り返しながら、ラルバは懸命に自分のリズムを取り戻そうとします。しかし、ピースの圧倒的な火力はなかなかそれを許してはくれません。とにかく、あの巨大な月が攻撃面でも防御面でもあまりに強力で、あれをどうにかしなければ勝ちの目はないでしょう。
(……って、どうすればいいの!?)
 ラルバは無意識に、懐にしまったタチバナの花に手をやって考えます。これまでの戦いでも、勝利の決め手になったのはこのタチバナの花でした。なら、今回もなんとかこの花の力で事態を解決できそうなのですが……。
(スピアアタックじゃあの月を貫いてピースにまで攻撃を届かせるのは無理だ、ワイドアタックじゃ意味がない……ライフを回復しても戦いが長引くだけ……どうしたらいいの!?)
「あはははー! ラルバ、攻撃してこないなら一気に勝っちゃうぞー!」
 ピースが掲げた松明の光がさらに強くなります。すると今度は、その光に当てられたのか、まわりにいた妖精たちが集まってきました。さらに、巨大な月がいきなりいくつかの破片に割れたかと思うと、それぞれの破片が小さな月に形作ります。
「うえええっ!? そんなのあり!?」
 驚きの声をあげる暇もあらばこそ、集まってきた妖精たちは形成された月に玉乗りのように乗ってつぎつぎとラルバに向かってきました。
 妖精たちもすっかりピースの松明の力に当てられて楽しそうですが、それを相手にしているラルバはたまったものではありません。
 前からの月の突進をかわしたと思ったら、今度は後ろから。目まぐるしく転がってくる月の勢いに、ラルバはもう避けるのが精一杯です。さらに、ほとんど無尽蔵かと思えるほど力を出しっぱなし状態のピースに対して、ラルバの力はいよいよ底をつきそうになってきました。ここで起死回生の一撃を放てなければ、今度こそ勝ち目はなくなってしまいます。
 しかし、暴走状態のピースの、これまで弾幕ダンスバトルをしてきたどんな相手よりも圧倒的な火力の前にラルバは打つ手がなく、攻撃に移ることができません。
 と、かろうじて避けた月の表面に、ぴしりと硬い音を立ててヒビが入るのを、ラルバは視界の端で捉えました。背筋に電流のような悪寒が走るのと、体がほとんど勝手にカポエイラの基本の側転「アウー」による回避動作を取るのがほぼ同時。
 瞬間、ラルバのすぐそばを通り過ぎた月の全体にヒビが入り――爆発!
「うわああっ!」
 直撃はかろうじて避けたものの、ラルバは爆風のあおりを受けて大きく吹っ飛び、地面に倒れてしまいます。
 慌てて体を起こしたときには、
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