なんかまた変な時間に寝て変な時間に起きるクセが再発してしまってとてもよくない。これが出ると生活のリズムが一気に逆転したり一日に使える時間が一気に減ったりするので早々にどうにかしろと心の中のベジータが「まにあわなくなってもしらんぞーっ!」と叫んでいます。
・飛べないペンギン、空を飛ぶ(冬寂ましろ氏)
 いつもの日常に突然ペンギンを自称する女の子が転向してくるお話。
 本作から感じるペンギンイメージは「変なやつ」。
 まず言及しておきたいのが本作の随所に現れる比喩表現。特に冒頭の雨の日に小学生たちが色とりどりの傘をさして登校する様子を、「床に散らばったマーブルチョコ」と比喩するこの表現すごく好き。後半でこの表現がもう一度リフレインされるあたり、おそらく作者さんも気に入ってるんじゃないでしょうかね。
 また本作は小学校のクラスがメインの舞台となってるいるんですが、その中の空気感の再現が抜群にうまい。朝、教室に入ったときのざわめきとかクラス内での男子グループと女子グループのやりとりとか、誰が誰に告白したって話でクラス内が大騒ぎになるとか。主人公の有賀くんが厄介者のペン子の世話を押し付けられるあたりもいかにも小学校のクラスって感じ。
 そして転校生の自称ペンギンであるペン子のキャラがまた魅力的。周囲を全く気にかけないマイペースなふるまいと、自分をペンギンだと信じて疑わないその姿勢はまあ変人なんですが、主人公の有賀くんからするとそのマイペースさが羨ましく思っているのが伝わってきました。
 そしてまた有賀くんは、声変わりをきっかけに自分が変わっていくことを受け入れられず、合掌退会での失敗から不登校になってしまいます。そんな彼のもとを訪れたのが、いつもとかわらないペン子が現れ、こう言います。「輪に戻れない時は誰にもやってくる。それは巣立ちのときなんだ」と。
 ペン子は自分の卵を有賀くんに託します。しかし有賀くんはその卵を抱えながらも、「普通」からどんどん離れて変わっていく自分を受け入れられません。明白な描写はありませんが、性自認の問題も抱えていた様子。そんな彼が自ら命を断とうとしたときにテレビに写ったのが「空を飛ぶペンギン」の姿だった……というラスト、「飛ぶ」という行為の持つ「希望」の側面を思いっきり強調されていてすごくいいですね。
 今日はここまで。
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