ラルバはジンガのステップから、膝から下のスナップを効かせた前蹴り「ポンティラ」を繰り出します。蹴りに乗せて放たれた妖力弾を、三月精はすばやく陣形を散開させて回避。おつむの方はチルノより少しマシといった程度の三月精ですが、そのチームワークは抜群です。そのチークワークが最大限に発揮されるのがいたずらというのが残念なところですが、三人そろってリズムに乗ってステップを踏みながら弾幕を放ってくる三月精を相手にすると、改めて彼女らのチームワークが高いレベルで完成されていることがラルバにはわかりました。
 三月精が放ってくる弾幕もまた、手当たり次第でたらめに撃ちまくっているわけではありません。ルナが放った星弾を避けた先にはすでにワンテンポずらしてスターが大玉弾を撃ち込んでおり、そちらに気を取られていると今度はサニーがいつの間にか死角に回り込んでいるといった具合に、三人いるという点を最大限に活かしてラルバを追い詰めようとしてきます。
(この三人と弾幕ダンスバトルするのは初めてだけど……やっぱり強い!)
 強いと一口に言っても、その種類はさまざまです。力が強い、足が速い……では、この三月精の強さは、一帯どんな強さなんだろう。ラルバはリズムを奪われないように必死にジンガのステップを繰り返しながら、それを考えていました。
 そして――あ、と気づきました。頭の触覚がぴんと立ち、蝶の羽根の先がふるえます。
 これ、ホーダと同じなんだ。
 ふたりのカポエイリスタがジョーゴを行うことで作られる円、ホーダ。ラルバはそれを、三月精のコンビネーションの中に見出したのです。
 もちろん、三月精はカポエイラのことは知らないでしょう。しかし、三人のコンビネーションは自然とカポエイラにおけるホーダを形作っているのです。
 ラルバはそのことに、今まで感じたことがない種類の感情を覚えました。自分でもこの感情がなんなのかよくわかりません。驚き、感動、興奮。そうした感情がないまぜになって、いい知れない衝動が体の内側から湧き上がってくるのを感じました。
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