めも
推し(浮石三宙)のピアスの話
→志献官になる前後
→個人的には志献官になる直前くらいが好き
過去編の記憶、ないが????
がんばります。
過去編の記憶が戻ってきたけど、この男、志献官になる前自由時間とかなかったわ。
コミカライズではいつからピアスつけてたっけな……?
タイトル
浅葱色の決意
本文
志献官になって最初の給料が入った日。浮石三宙は、志献官になるとき世話になった服飾店を訪れていた。
「ちっすー」
「お、坊ちゃんじゃん」
「もう坊ちゃんじゃなくて志献官ですー」
「そうだった」
借りっぱなしだった服を正式に購入し、代金を払う。他の服も見ていく? と訊ねた店主に、三宙は少し真面目な顔で自分の耳を指さした。
「ピアス、つけたいんだけど」
「へえ?」
店主は眉を上げて、興味深そうに三宙を見る。三宙はその視線から目を外して、小さな声で、しかし決意を込めて、言葉を紡いだ。
「志献官にはなれたけど、まだ純に上がれるかはわからない。でも、オレはもうこの道を進むって決めたから」
「決意のピアス、か」
店主はそういう客もいるけどね、と遠い目をする。浅葱色の石がひと粒のったピアスを出してきた。
「あんまり、重っ苦しいのは好きじゃないな。ほらこれ、単純にオシャレでアガるだろ?」
「……そっすね」
今まで三宙が身に着けたことのない色だ。でも、そこがいい。三宙はもう、以前までの三宙ではないのだから。
「んじゃ、そのオシャレでアガるピアス、初めての給料でいただいちゃいます! 穴ってどこで開けられますかね?」
「あいよ。うちではやってないから、おすすめのとこ紹介してやるよ」
「ありがてー! こーゆーのって、下手打つと化膿するからなあ」
「詳しいね」
「……ま、家がそっち系だったんで」
苦く笑う三宙に、そっか、と店主は軽く応じる。包装紙にくるまれたピアスを、三宙は受け取って押し頂いた。店主がよせやい、と笑う。三宙も軽く、意識して軽く、笑い返した。
後日、「おすすめのとこ」で耳たぶに開けた穴へ、三宙は浅葱色のピアスをはめた。鏡で見た自分の姿に、違和感しかなくて、でも、それが――
「アガるな」
噛み締めるように呟いた三宙は、にやりと不敵な笑みを浮かべたのだった。