毎週木曜は滑り込みの日。
 というわけで今日はひさびさのインド映画2本立て。
 1本目はこの作品!
 政党大会の裏で渦巻く陰謀というポリティカルなテーマにタイムループ要素を入れた作品ということで前々から気になってた一本です。
 主人公・カーリクはドバイから友人の結婚式に行くためにインドを訪れます。その際に、理由もわからず警察に拘束されたカーリクは、悪徳警官ダヌシュコディによって政党大会でスピーチを行う州首相を暗殺するよう強制されます。友人たちを人質に取られた逆らえないカーリクはやむなく引き金を引き、現行犯として射殺され――その瞬間、カーリクはインドへ向かう飛行機の中に戻っていました。
 自分が死ぬたびに同じ1日を繰り返していることに気づいたカーリクは、死とタイムループを繰り返しながら首相暗殺計画の陰謀の謎に迫るのですが――。
 いやー面白かった!
 タイムループものは数あれど、今までになかった構成のタイムループものでした。
 いきなりネタバレになりますが、実はタイムループをしているのはカーリクだけでなく悪徳警官ダヌシュコディもだったという構造が非常に面白い。タイムループの引き金はあくまで「カーリクが死ぬこと」なので、カーリクはダヌシュコディの目的である州首相暗殺が起きるたびに意図的に死んで状況をリセットし、ダヌシュコディはそれを阻止しようとするという構図が新しい。
 インド映画は尺が長く途中でインターバルがあるんですが、多くの場合このインターバルを活用して一気に前半から後半のどんでん返しを配置しています。しかるに本作では、タイムループしているのがカーリクだけでなくダヌシュコディもだったことが判明するタイミングをこのインターバルに配置しているのが上手い。これはインド映画の大きな強みですよね。
 そして、ダヌシュコディが自身もタイムループに巻き込まれていることに気づいてからの展開がまさに急展開。両者ともにタイムループ前の記憶を持っているので前半におけるカーリクのアドバンテージは消失、一方ダヌシュコディはあの手この手で首相を暗殺しようとしますがカーリクが死ぬ=タイムループが起こればすべてやり直しというそれぞれに有利不利がある状況下での追いかけっこは、最終的に「なんとかして死のうとするカーリクとなんとかしてそれを止めようとするダヌシュコディ」というややブラックな笑いすら含んだ構造になってて楽しめました。
 「タイムループしているのは主人公だけではなかった」という展開はしばしばありますが、本作のこの差異から生じるラストの怒涛の連続タイムループは作劇的にすごく面白かったですね。
 個人的にはポリティカルな側面よりもこっちの方で大幅に楽しめた感じです。
 2本目はこの作品!
 どうも本作こないだ上映終了した「囚人ディリ」と世界観がつながってるらしいですね。「囚人ディリ」のほうは予定が合わず見逃してしまったのでどこかで見直したいところ。
 本作の舞台は連続テロ事件が発生しているチェンナイ。警察組織の工作員であるアマルは、一連の事件の裏にいるのが麻薬王サンダナムであると目をつけます。一方でサンダナムは自身の工場から消えたコカイン原料2トンの行方を血眼で探していました。
 アマルは捜査の中で、テロ事件によって殺害された無職の中年・カルナンが本当に殺害されたのかを疑い始めます。そして一連の事件は三者を巻き込む凄まじい戦いに展開していき――
 最近は日中の眠気が強くて、前半部分はちょくちょく寝てしまったのでもう1回くらい見に行きたい。
 わたくし人形使いもなんだかんだでインド映画はたくさん見てきましたが、本作のバイオレンス描写は今まで見てきたインド映画の中でもトップクラスだったと思います。なんというか、「アクションとしてのバイオレンス」ではなく「バイオレンスとしてのバイオレンス」というか。ただ単に派手なアクションというのではなく、確実な怒りと憎しみがこもったバイオレンスという気がしました。
 本作のストーリーもまた怒りと憎しみに満ちたもので、メインキャラである3人はだれもが致命的な喪失を経験しつつ血みどろの戦いを繰り広げます。
 中でもテロで死んだはずのカルマンの正体とその過去、そしてなにより自身の息子を奪ったテロを自ら行うことで復讐を成し遂げようとしている姿には、悲壮感よりもある種の神々しさすら感じました。
 インド映画を見るたびに思うのが、インド映画は「綺麗事のその先」を描いていると感じます。尺の長さもありますが、普通の作品の着地点とするところの先まで描くことで作品の説得力が重く鋭いものになっていると感じました。
 作中でカルマンが言う通り、麻薬問題は悪党を数人倒したところで無くなるものではないんですよね。自らの手を汚して、汚し続けなければいけないという。
 うーんやはりこの辺に関してはもっかい見直してから感想書きたいな。前半が歯抜けになってたので後半の展開も理解不足なんだよな……。
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塚口サンサン劇場「政党大会 陰謀のタイムループ」「ヴィクラム」見てきました!
初公開日: 2025年06月20日
最終更新日: 2025年06月20日
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