しかし、ネグザルツは直接戦闘には長けているものの電脳戦の能力は決して高くない。かつて、その超干渉能力でフォートレス級戦艦のニューラル・リンクに侵入し大規模な混乱を巻き起こしたレーヴァティンのようには行かないのだ。
とはいえ、このまま無作為に敵の補給拠点を限られた探査能力で探している余裕はない。
ネグザルツが決断するよりも早く警告(アラート)。前方に超巨大な惑星が出現した。――いや違う、惑星ではない!
出現したのは、惑星と見紛うほど巨大なワープゲートだった。次元震の向こうからは、すでに数百隻の艦隊が一気にワープアウトしてくる寸前だ。
今度こそ、ネグザルツは決断し、即座に行動に移った。すなわち、ワープゲートに向かっての突撃。
艦隊が放つ光撃が、暗黒の宇宙を切り裂く。それをかいくぐるようにしながら、ネグザルツは収縮していくワープゲートを目指す。
艦隊もすでにネグザルツの意図には気付いていた。密集陣形というよりも、ほとんど艦体を寄せ集めてワープゲートを塞ごうとしている。
ネグザルツは太陽剣を抜刀(アクティベート)。大上段(アヘッド)に振りかぶる。振り下ろされた光刃がワープゲート前の敵艦隊をまとめて切り払うが、ゲート前には次々と敵艦、大型機、中型機が密集し、再び鉄の壁となってゲートを塞いでいく。
瞬間の判断で、ネグザルツは太陽剣を懐深く突きの型に構える。出力を絞り、点の貫通力を重視した設定に切り替える。
太陽剣・穿(ウガチ)。
出力を貫通力に変更した太陽剣の業(わざ)が、折り重なってゲートを塞いだ敵機の装甲と構造体を貫通し貫通し貫通し貫通。動力炉を破壊された敵艦が連続して爆沈するのを顧みず、ネグザルツはその機体をワープゲートの向こうに滑り込ませた。