僕の息がまたどうにか詰まってしまいそうになる。声のトーンとか話し方、しぐさそのものが僕にはまぶしくてしょうがないんだ。
君も僕のことを考えてはくれていないかな。夕日が暮れるのをまた見ながら、もうどうにもならない思いを心の中で打ち明けることしか僕にはできなかったのである。
恋愛なんてもうしないと決めていたのに、また焦り出した心を止めることはできず、走り出す身体に意識を全てゆだねていた。
「好きなわけないじゃん。」誕生日のプレゼントまで渡して、それでも口から出てきたのはそんな軽い言葉で。遊びだとわかっているならここまで好きにはならなかったのに、それを明かしてくれるには僕のお金が消えてからじゃないと早かったのだろうか。
本当に思い出すだけで反吐が出る。汚れた思い出にこれ以上干渉などしていたくない。しないためにまた恋をする。矛盾を感じたりはしたが、この好きは本物だ。間違いなんてないんだ。
「ここら辺でいいよ。ありがとう!」
「うんわかった。じゃあね」
「うん!またね!」
曲がり角に影を消して、早歩きで家までの帰路を駆け抜けていく。あの子からのメールがどうせまた後から来る。それも僕が家に帰ってからすぐの時間に。どうしても会話が始まると、途中で会話を抜け出すことができないのであの子よりも早くに帰ってやりたいことをやんなきゃいけないのだった。
面倒だなと心のどこかで思っていたのは僕ももう知っていた。それに気づいたのは、メールが来た時の通知を見てもすぐに電源ボタンを押して画面を暗くする自分を見たときだった。フィルムがあってもまだくっきり映る自分の顔をもうすぐに覆いたくなった。面倒になっているという事実に近づくのが怖かったのだと思う。
それからはあっという間だった。わざわざそっけなく返事をしたら、きっと君は呆れてもう話す事をやめようと離れるはず、そう思っていたのだ。でも君はどうしてか僕の目を見てまだまだ離れようとしない。
胸にこれ以上の重荷を持って生きていくのは壊れてしまう。そんな都合の良い便利な解釈をした自分は、あの子に「もう話しかけないで。」と言い放ってしまう。
涙を流して君が言った「好きなわけないじゃん・・・・・・。」という言葉。今の僕にはこの言葉の意味がよくわからなかった。僕は別に君に告白をしたわけじゃない。好きなんて言葉はかけていないのに、どうしてまたわけのわからないことを言うのだろう。
ああ、考えることも面倒だ。これ以上干渉するのはやめよう。そうしておこう。
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