綺羅星がごと夢うつつ、消え失せた思いはつい先程まで大事に仕舞われていた。腹ではなく、胸中に住まう虫だった。苦しみ抜いたその虫を追い出し、ようやく軽くなった胸を撫で下ろす。疳の虫のようなものである。ざわめいてざわめいてざわめいて、常に心の平静を失わせたものがいなくなる…その解放感にほっとしていた。それと同時に虫が開けた穴の存在を感じ、無性に寝込んでしまいたくなる。
 虫が逃げたのは諦めたからであった。すっかり諦めたからだ。胸中に巣食っていたのは、決して報われぬものであった。理性を司る脳はそもそも諦めていたのに、離さぬようにしていたのはこころが入っていた胸ばかりである。それを先程手放した。解放感がやってきて、拒絶反応も何も無い。予想していたのに、涙の一滴も出て来ない。やっぱり眠ってしまおうか。眠って目を閉じたのなら、夢で泣くのかもしれない。
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10月15日分書くよ
初公開日: 2024年10月15日
最終更新日: 2024年10月15日
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