――星がそこでアベンチュリンと出くわしたのは、本当に偶然だった。
補給のために星穹列車が赴いた惑星は、どうやらカンパニーの資産だったらしい。黒い制服を着た輩がそこかしこにいて、その誰もが慌ただしく動き回っていた。よくよく見ればカンパニーの社員以外にも武装した民間人の姿もある。――どう考えたって異常事態だ。
そわり。星の中にあった良心とちょっとの好奇心が騒ぎ始める。補給品の調達は主に大人組が行なっているし、なのと丹亘はそれぞれショッピングと文献に夢中になっている。ようは、めちゃくちゃ暇だったのだ。目の前に手を出せる案件があるなら、つついてみるのも悪くない。
そうと決まれば早速行動だ。手近にいた社員に声をかける。
「騒がしいけど、なにかあったの?」
「あなたは、アベンチュリン様の……!」
つい、首を傾げる。どうしてここでアベンチュリンの名が出るのだ。
星の表情を見た彼――制服とヘルメットのせいで性別がわからないので、仮に男性として。――は、すぐに自己紹介をしてくれた。彼はアベンチュリンの部下であり、何度か顔を合わせたことがあるらしい。すぐに気付けなかったことを謝罪すれば「この制服では仕方ありません」と笑ってくれた。優しい。絶対いい人だ。
「ここであなたに会えたのは幸運だ。ぜひ頼みたいことがあるんです」
「なにを手伝えばいい?」
「アベンチュリン総監を止めてくれませんか。我々ではどうにもならなくて」
「……え?」
意味がわからないままに頷く。社員ははずんだ声でお礼を言うと「こちらです、急いでください」と星を街のはずれまで案内を始める。素直に彼についていくと、しばらくして言い争うような声が聞こえてきた。
「何度も言わせないでくれるか。足手まといがどれだけ集まろうが、足手まといであることには変わりないんだ。早くどけ、じゃまだ」
「お言葉ですが、総監の命令には従えません」
そこには大勢の武装社員と、それに押し止められているアベンチュリンの姿があった。アベンチュリンは大層いらだっているらしくはばかることなく舌打ちをし「クソったれ」と悪態をついて社員を睨みつけていた。社員は彼の視線にほんの少し怯んだようだったが、それでも「なりません」と繰り返している。武器を持っているほうが怯えているというのは、少々アンバランスに感じて面白い。
しかし全く状況が分からない。なにがあったのかと星を案内した彼に仔細を尋ねると、端的に教えてくれた。
曰く、