「……俺の家に何やら新しい家族がいるな」
私が座るソファーの隣にちんまりと存在しているものを見て、彼がそう言った。そう、それはさっきくじ引きで私が引き当てたもの。
「かわいいでしょ。アルハイゼンにちょっと似てない?」
「……似ていない」
「ええ」
残念だ。銀色の綺麗な毛並みをしているかっこいい猫のぬいぐるみ。それを引き寄せてお膝に乗せ、ゆるく抱き締めた。
「名前をつけてあげようと思うんだけど、何がいいかなあ」
「間違えても俺の名はやめてくれ」
「えへ、ばれた。アルハイゼンはどんな名前がいい?」
「……」
じ、と私の膝に乗るぬいぐるみを見つめるアルハイゼン。たっぷり数十秒は思考して、ぽつりと呟いた。
「──」
「いや私の名前じゃん。却下」
「そうか」
何言ってんだほんとに。
「え、なんで?自分の名前は嫌がったのに」
「俺が知る中で──という名はこの世でいちばんかわいらしい名だ」
「そうですか、嬉しい」
アルハイゼンって急にそういうこと言い出すからちょっとタイミング掴めなくてぽかんってなることもあるけど、やっぱり嬉しいものは嬉しい。
「それと、君はその人形を俺に似ていると言ったな」
「うん」
「……………、いや、良い」
「え?」
なんで。そこまで言ったのならもう最後まで言って欲しいんだけど。
「……まあいいや、このゼンくん、どこに置いてあげよっかな」
「結局俺の名前にしたのか」
「いや。アルハイゼンはアルハイゼンで、この子はゼンくんだから」
「そうか」
……うん?何やら言いたげにこちらを見つめるアルハイゼンに、わたしは首を傾げてどうしたのかと尋ねた。
「……やはり、その名は駄目だ」
「ええ。なんで?」
「それは、昔に君から呼ばれていた俺の名だ」
あれ、そうだったっけ。……いや、ほんと、そうだったかも。
昔はあんなにアルハイゼンのことを呼び捨てするのを嫌っていたのに、今となってはもう今の呼び名でしか彼を呼べなくなっている。不思議だな、なんだか。
「またゼンくんって呼んであげようか?」
「それは良い。反応がいちいち可愛らしかった昔の君に戻ったようで」
タマズサさんへ ありがとうございます なんか気付いたら10分超えてたびっくり 取り敢えず終わります!!!!ありがとうございました!!!!!!!!