「それならー、るーみゃはまりさのほごしゃなのかー」
「誰が誰の保護者だって?」
「だってー、るーみゃはいっつもまりさといっしょにいるからー」
 なんだか嬉しそうに魔理沙の膝の上で足をぱたぱたさせているルーミアを見て、霊夢が吹き出す。
「あはは、よかったじゃない魔理沙。家出娘にもちゃんと保護者がいて友人としてもひと安心だわ」
「バカ言ってんじゃねーよ。私がこいつの保護者なんだって」
「えー、るーみゃのほうがおねーさんだもーん。たぶん」
 とか言いながら、ルーミアは手を伸ばして魔理沙の頭を撫でてやる。
 魔理沙は笑いながらされるがままにしていた。
 それからしばらくして、魔理沙とルーミアは博麗神社をあとにした。そしてルーミアとも別れ、魔法の森にある自宅のドアを開ける。
「……」
 夕刻を過ぎて暗くなった中、誰もいない雑然とした家の中は賑やかな博麗神社の縁側とは正反対の静けさに満ちていた。
 足元に忍び寄る孤独感を振り払うように魔理沙は部屋の中に入り、ランプを着ける。魔力を込めた燐を混ぜたランプは室内を明るく照らし出し――その明るさが魔理沙の影を濃く壁に伸ばしている。
 その影を剥がそうとするかのように、魔理沙は帽子も脱がずにベッドに倒れ込んだ。
「あー……なに今さらこんな気分になってるんだ……」
 魔理沙がこの魔法の森の一軒家で暮らすようになったのは昨日今日の話ではない。一人暮らしには慣れているし、別に社会との交流を断って世捨て人のような暮らしをしているわけでもない。
 だが、久しく忘れていたはずの孤独感を、魔理沙は強く感じていた。
 枕に顔を押し付けて思い出すのは……ルーミアの小さな手の感触。
「頭、撫でられるのなんて……いつぶりだろうな……」
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