ゲゲ郎が身体を取り戻してから何年が経っただろうか? そうして、その後、いろいろあって水木のゲゲ郎への想いがバレてしまってから何ヶ月経っただろうか? 彼らは晴れて恋人同士という関係で二人で同棲を始めていた。
小さかった鬼太郎はいつの間にかすっかり大きくなって今では一人で妖怪退治をしている。昔はゲゲ郎の仕事であった妖怪ポストに届く手紙の相談受付ももうすっかり鬼太郎一人でやりおおせるようになっていた。だから、その夜も鬼太郎は一人、山奥の湖に向かっていた。
「今日の依頼は危険な物で無いのか?」
「泉の妖怪達からゴミ掃除を頼まれているだけらしいから大丈夫じゃろ」
「ゴミ掃除?」
「人間どもがあちこちにポイ捨てをするらしい。それで湖に住む精霊達が困っているそうだ」
「手伝ってやった方が良かったんじゃないか?」
「いや……」
ゲゲ郎が意味深に言葉を句切る。水木は静かに男の次の言葉を待っていた。
「最近、ワシと水木が二人っきりになれなかった事を気にして『お二人でゆっくりしてください』と言っておった」
小学生程度の見た目から成長しないが、鬼太郎も年齢で言ったらそろそろ十八に近い。自分の父親と養父が恋仲であることを知っている彼なりの気遣いなのかもしれなかった。それにしても、まだ幼い見た目の子供に気を遣われてしまったとは。でも確かに、最近、恋人同士らしい夜を過ごせていなかったことも事実ではある。
「なら、せっかくならサービスしてやるよ」
丸めた指の間から、べ、と舌を見せる。ちらりとはだけた胸元からは左の肩から胸への古い傷がよく見えた。八重歯の見える水木の口で施される事を想像して、ゲゲ郎がぐっと息をつまらせたのは言うまでもない。
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向き
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麗威さん
初公開日: 2024年02月20日
最終更新日: 2024年02月20日
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