そんなパチュリーに、魔理沙は大げさにため息をついてみせました。
「お前なあ、図書館にこもって読書三昧もいいがたまには外に出て運動しろよ。太るぞこのへんとか。うりうり」
「むきゅーっ!? ちょっとどこ触ってるのよ!」
調べ物をする片手間で、魔理沙はさっきのおかえしとばかりにパチュリーのお腹をむにむに。今度はパチュリーが顔を真っ赤にする番でした。
「……で、そのルーミアがどうしたっていうのよ」
「弾幕ごっこで負けた」
しばしの間魔理沙に暴虐の限りを尽くされたパチュリーはすっかり涙目でしたが、魔理沙のその言葉を聞いて眉をひそめます。
「負けてあげた、じゃなくて?」
「ああ、私は最初からいつものお遊び気分じゃなかったぜ。それで負けた」
「それと妖精の様子がおかしいって話に関連があるんじゃないかって?」
パチュリーの言葉に、魔理沙は顔も向けずににやりと笑いました。
「さすが、話が早くて助かるぜ」
「で? 妖精やルーミアはどんな様子だっていうの?」
「あー、やたらテンションが高いっていうか。妖精が大量に集まって花火みたいに弾幕撃ちながらはしゃいでた。連中がはしゃぎまわるもんだから魔法の森の植物が魔力の影響を受けていつもと違う時間帯に花が咲いたりキノコが生えてきたりたいへんなんだぜ」
「そういう異変って、こないだの四季異変とかで終わったんじゃなかったの?」
「私もそうだと思ってたんだがな。で、ルーミアは……」
「ルーミアは?」
「なんか踊ってた。踊りながら弾幕ごっこしてた」
魔理沙のそのいい加減な答えに、パチュリーはため息をつく……ことはしませんでした。代わりに、ぱちんと指を鳴らすと小悪魔を呼んで耳打ちします。
奥の方に飛んでいった小悪魔は、いくつかの分厚い本を抱えて戻ってきました。
「これ、読んでいきなさい。ちなみに貸し出し禁止だからここで読んで頭に叩き込んでおくことね」
魔理沙はきょとんとしながら、渡された本のページをぱらぱらとめくっています。
「『禹歩』や『反閉』くらい覚えときなさい。あと本はテーブルで読む」
「わかったわかったお前はおかんかよ。……で『禹歩』や『反閉』ってなんだ?」
大人しくテーブルについて本をめくり始めた魔理沙に、向かいに座ったパチュリーは得意げに解説を始めます。