「はい!」
ああ。
その輝きが明るく、陽光のようで。
その笑顔が、吐き気がするほど気持ち悪い。
■しか愛せない不良品のくせに、ねえ。
なんで月なんて愛しちゃったの。お前。
人間でないなら人間らしく、それだけ好きであればよかったのに。
どうして。そうして、人に成ってしまった?
人であったところで、お前、どうせ、誰のことも大切にしないのに。
みるもの全てが無価値で無感動。
そんなやつを知っている。
だがあいつとお前は違う、あいつは確かに化け物だったけど、それを自覚していた。
お前は自覚していない。
歯が血に塗れていることも知らないまま、|柔らかい肉がついていた《かわいかった赤ちゃんの》骨のベッドで微睡む巨大な化物。
それがお前だっていうのに、どうして?
どうしてお前、あんな|■《クソバカ》なんて愛してしまったの?
そうじゃなけりゃ今頃私。お前をきちんと殺せていたのに。
ちゃんと|最外の名の下に、お前を殺していたのに、どうして。
だけど、いい、
しょうがない。
愛してしまったのなら、仕方がない。
この世界で、愛を尊重しないはあり得ない。お前と違って。
お前を大切にしないここはお前の大切じゃないも大切にする。
その代わり、大切じゃないお前の大切だけは守る。
悲しいけれど、それが事実。いーっやちょっとこれ以外も真実。
お前がこの世界の敷居をまたいだ時点で、どれだけ吐き気がしようと。
『お前を大切にしない』は、|この私には《・・・・・》あり得ない。
この世界は、星を撃ち落とす|ための《・・・》望遠鏡。
だからというわけではないけれど。
だから私はあなたを守る。
どんなものであろうとお前を守る。
契約だから。仕事だから。間違いなく、これが私のやりたいことだから。
だから。
だから、お前、頼むから。
私は間違いなく、お前の願いを叶えるから。
だから、どうか、どうか。
■■■■。
■■■■■■■■■■■■、■■。
「というわけで、頼む。
俺があいつらに手を出しそうになったら、俺を殺してくれ。」
■。
お前は、星が死ぬときに放つ光だ。
人がお前に焦がれ、空に手を伸ばすときには、もうお前はどこにもいない。
お前は、もう、この世のどこにもいない。
あるのは光の名残だけ。それ以外はもう、どこにもない。
お前はもう、どこにもいない。
何も考えない、感じない、愛することもない、笑うこともない。おまえはもう笑わない。
綺麗な、もう砕けて死んだもの。
それでも、お前がここにいるのは。
お前を死ぬ気でつなぎとめた、誰かがいるからだ。
お前を死ぬ気で待っていた、誰かがいるからだ。
お前の還る場所を待っていた人がいて、お前を当たり前のように支えている人がいて、お前に当たり前のように期待している人がいて、お前が何者であろうと愛している人がいたからだ。
それでも、お前にとっては等価値に無価値なんだな。■■■。
お前にとって価値あるものは、あの|月だけだ。
おれは、それが、心底憎らしいよ。
そしてうらやましい。どれだけの人間を踏みつけにしていても、当たり前のように許される、心底人間ではないお前が。
それでも。
そう、それでも。
おまえは、もう、どこにもいないから。
私は■■に罪を問うほど慈悲深くないから。
だから。
お前の願いを叶えよう。
聞かせて。お前は、何がしたい。