投稿した!投稿したよ!
締切:23年1月12日(木)23:59
募集ジャンル:不問
形式:マンガ原作に適した日本語の文章であればどんな形式でも構いません(例:小説、 シナリオなど。具体的な投稿方法は下記「投稿方法」を参照ください)
読切部門:1話で完結した作品を投稿ください。
内容:①あらすじ300字までと、読切作品のリンク②読切作品5,000字まで
●白と黒、あるいは僕と君の家
●あらすじ
漫画でしか表現できない、黒インクとホワイトの話。
新しいホワイト(白)が家にやってきた。黒インク(黒)は嬉しそうに迎える。
真っ黒だった家は、2色になって明暗がつくようになった。
白は戸惑い、「帰らなければ」と考える。家にいてもいいのに……。どうにか元の家に帰る手段を探そうとするが、黒は必死に止める。
なぜ白は帰りたいのか?
黒は分からない。インクが無くなった後の、自分が帰る場所を知らないから。
黒は帰る場所を知りたい、けれど家の外は未知すぎて怖い。
白が背中を押し、黒は家を出て「帰る場所」を探す。
白は、黒の「帰る場所」になることを自分で決めた。
黒インクがいなくなった漫画は、何も描くことができない。
●本編へのリンク
https://note.com/star_summer_cat/n/nc07403d2a694
note.com
●登場人物
・白(しろ)
本名 白川圭介(しらかわけいすけ)
白髪(元黒髪)、男、19歳、下がり眉、まつ毛長い、襟付きシャツとスラックスとスニーカー、両親の方針で青春<勉強、勉強嫌いじゃない、満遍なくできて得意科目は数学、真面目、良いとこの大学生、気弱なように見えるけど内に秘めた強気な一面もある、周りと自分の意見が違う時に強く言えない
・黒(くろ)
黒髪、性別不詳、外見は七歳ぐらい、ぱっつん前髪、Tシャツと短パン、天真爛漫、思ったことはすぐに口に出す、甘えんぼう、家の外を知りたい、けど怖い、幼いから上手く言葉にできないけど「自分の居場所」が大事
・前の白(しろ)
以前家に住んでいた住人。長い白髪、女性、20〜30代。
●執筆過程
過去に個人発表した作品も可とのことなので、こちらも置いておきます。
試行錯誤している様子を観察してみましょう↓
https://txtlive.net/lr/1670676422136/s1672315283957
txtlive.net
●本編
真っ黒な世界に、白の液だれひとつ。
白「ここは……」黒「おかえり!」「あっ……」「こっち!」
徐々に白色の量が多くなっていく。黒に手を引かれて恐る恐る歩く白。黒がリビングの扉(開き戸)を開く。眩しくて目を細めた後、ポカーンとする白。綺麗な一軒家のリビング、黒が両手を広げて笑顔で迎え入れる。
黒「ようこそ!」白(バイト休むって連絡しなきゃ)
こんな状況でも真面目な白。
白の回想
白の通う大学。学食でメニューを決めるのに、クラスメイトの意見に同調する白。本当は日替わり定食が良いけど、周りに流されやすくて強く主張できない性格。顔は笑ってるけど、心の中では悶々としていることに自覚がない。
クラスメイト「これ美味そう」「あ、新メニュー!」「白川は?」白「んー同じのでいいよ」
白の自宅。自室で勉強していたら母親がドアをノックした後開ける。強制されたわけでもないのに、ついつい言われたことに従ってしまう。
母親「圭介、そろそろ寝たら?」白「ん、おやすみ」(……明日の朝やろう)
机の上の拡げたノートと教科書を片付けながら、まだ途中だったけど明日の朝やればいいかと考え、ベッドに入って眠る白。
回想終わり
天気は晴れ。コマの枠が塀の輪郭で、高い塀の出入口はない家を真上から。
白「ち、ちょっと待って?」
黒以外に人気のない家、広い庭に家庭菜園、リビングのローテーブルに置きっぱなしの二つのマグカップとお菓子の空袋がいくつか、ソファにぐしゃぐしゃの毛布、テレビボードに置かれた歪な工作と丁寧な工作。頭を抱える白。
白「なにこれ流行りの異世界トリップ?」(それにしては庶民的すぎるし、超能力者もモンスターも魔王も出てこない。それに……)(こんな髪じゃ来週の服装検査通らないな……)
謎に変色した自分の髪を摘んで気を落とす白。
黒「いいせかいでしょ⁉︎」「いえだよ! イエーイ!」
ハイテンションな黒、白にハイタッチし、ソファで飛び跳ね、玩具のタンバリンを鳴らして、吹き戻しをしてはしゃぐ黒。室内にいることにハッとして慌てて靴を脱いで手に待つ白。
白(この子供誰⁉︎)黒「あたらしいしろがくるってホントだったんだ! うれしい!」白「あの、いったん落ち着こう?」
黒の肩を優しく掴んで正面でしゃがむ白。黒は笑顔で向き合う。
黒「しろはうれしくないの?」白「『しろ』って僕のこと?」「僕は白川圭介。君は?」黒「くろはくろだよ。クサじゃなくてクモしゃなくてクマじゃないよ」白「あの、聞いてもいいかな?」黒「いいよ!」白「ここはどこ?」黒「いえだよ」白(うーん……)「じゃあ質問を変えるね。どうやったら僕は僕の家に帰れる?」黒「ここがいえだよ」白(あ、ダメかも)(とりあえず帰り道を探さないと……)
庭に出る白。家庭用ビニールプールに水を溜める黒。
黒「みて! プールあるんだよ」白「ん、いいね」「椅子借りてもいい?」
ダイニングの椅子を塀に持ってきて、どうにか塀の外を見ようとする白。塀は高くて向こうは見えない。
黒「なにしてんの?」白「帰り道を探してる」黒「ダメー!」
白の脚にしがみつく黒。
白「わっ危ないって」黒「かえるのダメ!」白「分かった、分かったから、離して?」「うわっ」
ぐらりと揺れて地面に転げ落ちる白。仰向けになって上に黒を乗せた格好。二階の部屋に窓がある事に気づく。体を起こす。
白「2階見てもいい?」黒「たんけん⁉︎」白「そうそう」
目を輝かす黒。
2階、昨日まで使っていたような女性の部屋。人が入っていたようにもっこりしたベッドの掛け布団、サイドテーブルには水の入ったコップ、本棚には育児書が数冊。白がカーテンを開ける。出窓から身を乗り出すと、隣家や周りの状況がよく見える。
白「住宅街……だよな」
高い塀を二つ挟んで隣家がある。塀と塀は、家ごとに一定の距離が開いている。塀の形は規則的なようで、それぞれ形が違う。塀の間は白い道路ので、どこに続いているかは見通せない。まるで、漫画のコマみたいに。
塀をふたつ挟んだ隣の家の窓から隣人の姿が見える。大家族のようで、赤、青、黄、緑とそれぞれカラフルな髪色をしている。
白「あの人たちは?」黒「おとなりさん!」
白と並んで隣家を見る黒。2階の窓から幼い子供が見てくるが、親らしき人にカーテンを閉められる。
白「……嫌われてる?」黒「なんで?」「いつもとおんなじだよ」白「そうなんだ」
キョロキョロする白。塀との距離は近くないが、渡しになる物があれば届きそうだ。
白「脚立ないかな?」黒「きゃたつってなに?」白「梯子みたいなやつ」黒「はしごってなに?」
項垂れる白。なにも言わない白が不思議で?という顔をする黒。
黒「ほしいものあるの?」「じゃあじゃあ、これかいて!」
白い紙切れを差し出す黒。
白「ん?」黒「ほしいものかいてポストに入れるの」白「?」
言われるがまま『脚立』と書く白。
黒「あたらしいゲームもかいて!」
『新しいゲーム』と書き足す白。
黒「こっち!」
黒に手を引かれて玄関に行き、紙を二つに折って郵便受けに入れる。黒はなんだか満足げな表情。白は掴みきれていない様子。
黒「いっかいねたらきてるよ」白「……うん」
翌日、曇り。遠くの空に黒い雲。塀のすぐ近くに、昨日は無かった段ボールが置いてある。低い脚立も塀に立てかけられている。怪しむ白、喜んで駆け寄る黒。
白「あれ?」(昨日は無かったよな……?)黒「きた!」
段ボールを開けてゲームを手に取って喜ぶ黒。
黒「ゲーム! ゲーム!」白「へえ、便利だな」(通販みたいなことか?)(これなら高さを指定すれば……)
紙に『5mの脚立』と書いて郵便受けに入れる白。リビングの黒が白を呼ぶ。
黒「一緒にゲームしよー!」白「うん」(これで明日には帰れるな)
帰れる道筋が見えて心にちょっと余裕ができた白が微笑む。二人でゲームしたり、美味しそうなフルーツたっぷりホットケーキを作って食べたり、家庭菜園の手入れしたり、白のタンバリンに合わせて黒が歌い踊ったり、白が勉強教えたり、二人でのんびり過ごす。庭で白が吹くシャボン玉を黒が追いかけている。ふと白が空を見上げる。黒い雲は真上に来ている。
白(夕立でも来そうだな)
急に雨が降り出す。黒は急な雨にテンション上がる。
白(嘘だろ……)黒「シャワー!」「あっ!」
ベランダで干している洗濯物を思い出して慌てて取り込む黒、背が届かない。白も手伝う。
リビングに山盛りの濡れた洗濯物。雨粒が垂れる掃き出し窓越しに空を見上げる白と黒。服も髪もしっとり濡れてしまった。
白「……雷でも落ちそうだな」黒「くろね、あめすきだよ。あめってうみからくるんでしょ? すっごくおっきいプール!」白「そうそう。プールの水が雲になるんだよ。よく知ってるね」黒「しろがおしえてくれたんだよ」白「僕教えたっけ……?」黒「ううん。しろじゃないしろ」「くしゅん!」白「ああ、風邪ひいちゃうね」
慌てて二人で風呂に入って洗濯をやり直す。髪を乾かした後、ソファでくつろぐ白、膝枕でうたた寝する黒。リビングには洗濯物が室内干しされている。
白(この家は、普通じゃない)(高い塀、変なお隣さん、どこからか届く荷物、よく分からない子供)(それから、僕が来る前に人がいたような形跡。その事に触れてもいいものか……)
ふたつある歯ブラシ、洗面台の化粧品、作り置きされた総菜、煮出し途中で放置されて濃くなった麦茶が入ったヤカン。思案する白、目が覚めて微睡む黒。黒は白を見上げて顔を綻ばせる。
黒「ねえねえ、しろはどんなとこからきたの?」白「……普通だよ」黒「どんなふつう?」白「家は、ここと同じ感じかな」黒「いえでなにしてたの?」白「なにって、勉強……かな」黒「いえいがいもあるの?」白「家の外? 学校行ったり、バイトしてるかな」黒「そとってどんなとこ?」白「学校があって、商店街があって、友達がいて……」黒「いいなー! ねえねえ、あとは? あとは?」
目をキラキラさせる黒。家庭教師先のやんちゃな子供を黒に重ねる白。連絡もせずに家庭教師のバイトをブッチして、ちょっと罪悪感を感じる。
白「楽しそうなとこ悪いけど……」「多分、思ってるより良いとこじゃないよ」黒「そうなの?」白「勉強も学校もバイトも大変だし、周りに合わせないといけないし、憧れるようなもんじゃないよ」黒「じゃあかえらないのがいいよ」白「んーまあ。でも帰るよ」黒「ダメ」白「帰るよ」黒「ダメダメ! なんでかえるの?」白「帰らないと周りに迷惑かかるし」黒「かえらないよ!」「……くろだって」
雷が落ちる。シャツを掴んで真っ赤な顔で目一杯に涙を溜める黒。
黒「くろだってかえりたいもん!」「でも、わかんない……」
泣きながら涙を拭う黒。
黒の回想
横書きナレーション「黒がひとり、白がひとり」
前の白が一人で住んでいた。ある日、塀のそばに揺籠が置いてあるのを見つける。揺籠の中には赤ん坊の黒。赤ん坊の育児に必要な物を揃え、前の白は母親代わりになって黒を育てた。活発になってきた黒は塀をよじ登ろうとするが、前の白は必死に止める。
横書きナレーション「出ることは、無くすこと」
月日が経って数年後のある日、前の白の身体がだんだん薄くなって透けていった。時々意識が飛ぶようになり、気力を振り絞って黒のために作り置きの食事を用意した。最後には起き上がることもできず、完全に消えてしまった。
横書きナレーション「消えることは、無くなること」
前の白が居なくなって不安で、リビングのソファで毛布にくるまって震える黒。
横書きナレーション「無くなれば、新しく迎える」
次の日、庭で物音がした。前の白が帰ってきたと思い、黒は喜んで迎えた。
黒「おかえり!」
回想終わり
白「あ……」
黒の言った「おかえり」を思い出す白。不安に苛まれる黒。
黒「しろ、ちょっとずつふわふわになってきえた」「くろもきえるの? きえたらどこいくの?」「しろはかえるとこあるけど、くろはない」「かえるとこ、わかんない」「こわい……」
震える黒にどう対応したらいいのか分からない白。
白「ごめん、僕この家のことなにも知らないから、なんて言ったらいいか分からないけど……」「黒は家の外に行きたいの? 帰るとこが知りたいの?」黒「……しりたい」
力強く頷く黒。
白「わかった」(とりあえず情報が欲しいな……)黒「どうやるの?」白「そうだな……」
家探し、『この家について書かれた本』と紙に書いて郵便受けに入れる、隣家と糸電話を繋いで聞く、と提案する白。黒は首を横に振る。
黒「ぜんぶしろがやったけどダメだった」白「あとは、物理的に家の外に出て探す、とか?」黒「くろがいなくなったら、いえがまっしろになるよ」白「僕も一緒に行くから大丈夫」黒「ダメ!」
これまで以上に必死な様子の黒。
黒「いなくなったらダメなんだよ」「だれもいなくなったら、しらないひとがきて、かえるとこがなくなっちゃうんだよ!」白「じゃあ……僕が残るよ」黒「かえるとこにかえらなくていいの?」白「うーん」
少しだけ考える白。今は、自分で考えて決めた意見を伝える。
白「いいかな。もし外に黒の帰るとこが無くても、僕が黒の帰るとこになるよ」黒「……いいの?」
わずかな希望に縋るような表情の黒。
白「もちろん!」黒「でも、あれ……」
高い高い塀を示す黒。
白「大丈夫。昨日長い脚立頼んだから。僕が来れたならどこかに繋がってるはず……!」
翌日、晴れ。届いた2mの脚立は開いて2階の窓から塀に向かって伸びている。脚立を渡る足。塀の上には笑顔の黒。
黒「いってきます!」
2階の窓から手を振る白。黒が塀から飛び降りると、画面が徐々に白くなっていく。最終ページは真っ白な世界。白は最後になんと声を掛けただろうか。黒インクが漫画から出ていったので、それを記すことはできない。
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白と黒、あるいは僕と君の家
初公開日: 2022年12月10日
最終更新日: 2022年12月30日
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