「四回肩を叩かれたんです」
 さっきトイレの個室で誰もいないのに肩を叩かれた。不思議な話が好きな先輩にさっそく話すと、先輩はぎょっとしている。
「いつの話?」
「えっとオカ研来る前なので2~3分前です」
 いつにもない真剣な様子に私も不安になってくる。別に大したことないのに。私が疑問に思って尋ねると、
「四、という数が不味い。”し”は”死”に通じるから忌み数と呼ばれてて、ほっとくと向こうに招かれてしまうかも」
 背筋がぞくりとする。
「そ、そんな! 死にたくないです!」
 声が震える。自分でもわかるくらい情けない声。怖くて先輩にすがりついた。
「大丈夫。私に任せて」
 私たちは再び旧校舎の女子トイレを訪れた。作りが古くじめっとしている。蛍光灯がチカチカと切れかかっているのか点滅しているのも不気味だ。
 三番目の個室に二人で入る。先輩はトイレするふりをしている。そう、私は立ち上がるタイミングで肩を叩かれた。
「いち、に、さん」
 先輩は私の腰に手を回して、反転する。くるりと位置が入れ替わり私の肩がぽん、と叩かれる。
「やった!」
 二人で大はしゃぎした。先輩が三回、私が五回。無事に呪いが解けた。
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ねこでした。
完結です
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忌み数
初公開日: 2022年09月10日
最終更新日: 2022年09月10日
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