関卍サン 甘々部分(試し書き)
 武道はいつも可愛らしい行動をしてくれる。それが武道にとって何という事も無い、ただ自然な行動であろうとも、武道が取る行動の全てが春千夜にとっては可愛らしく、愛しいものだ。
 その感情が余りにも大き過ぎて、思わず武道の肩を掴み、その形の良い耳にそっと唇を近づける。
「なあ、武道。今日は何処にも行かず、ここに居ろよ?」
 俺の家のソファーに深く腰掛けた武道は、少しばかり動揺したように肩を揺らし、こくりと小さく頷いた。
 未だ慣れない様子で落ち着きなく視線を動かす武道は、膝の上に乗せた拳をぎゅっと握り締め、そして小さく息を吐き出した。
「…春千夜君」
 ふっと吐息と共に呟かれた言葉に、俺は直ぐ様反応した。
「どうした、武道」
 まるで意を決したように一度口を開き、そして勢い込んだ武道は、「俺、やっぱり此処に居るべきじゃないと思う!」と叫んだ。
「は? 何それ」
「だって春千夜君、ずっと俺ばっかり見てるじゃないですか。少し外に出ませんか…? あ、いや、外っていうか、俺の家っていうか、兎も角毎回春千夜君の部屋で待ち合わせするっていうのは、俺にはハードルが高過ぎると思うんだけど…」
「何もおかしい事は無いだろ。お前と俺は恋人。で、俺の部屋に来るのはお前の家がお前のゴユウジンとやら達の溜まり場になってて落ち着かないから。そうだろ?」
「それは、そうなんだけど…」
「お前と一緒に居てえのに、なんで有象無象のヤカラと一緒の空間に居なきゃなんねぇんだ? お前は俺のモンだろ?」
 そう約束したよな? そう問いかければ、武道は小さく頷いて、「でも、」と小さく否定する。
「でもじゃない。俺はお前とマイキーだけ居ればそれで良い。だから俺の側から離れようとすんな」
 俯く武道の顎を掴み、その固く閉ざした唇にキスを落とすと、薄く開いた唇に自身の舌を差し込んだ。
「うむぅっ」
 くぐもった声を上げる武道を無理矢理押さえつけ、ぐっと体重を掛けて押し倒せば、簡単にソファーの上に寝転がった。
「愛してるって言ってんだろ? お前はただ此処に居りゃあ良い」
 武道は俺の言葉に数瞬瞬きを繰り返した後、諦めたように目を閉じた。それを肯定とみなした俺は再びその唇を塞ぎ、自身の愛を注いでいった。
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