さとうささらとフリー
お祝い、フリー
21時開始
何書くか全く決めてない!!!
あと二分
あと一分
うおお
マジで何書こう
わ、開始
さとうささらと、すすきつづみ
誕生日というのは、その人が主役になる日だと思っている。
勿論その日以外でも主役なのは当然なのだが、それを再認識させる儀式、みたいな。その人がどれほどの人間に愛されてて、誕生を喜ばれるのか改めて教えるような、そんなイベントだと私は思っている。
「ささら、誕生日おめでとう」
「ありがとうつづみちゃん!」
そういうイベントを、今年も友人は絶賛体験中である。
たくさんの人間にお祝いされて、プレゼントにケーキ、お祝いの言葉。たくさんの喜びがそこにあって、それを受け取ったささら自身も喜んでいる姿を見ると私も何だか嬉しくなってしまう。
比喩でも何でもなく、ささらは今、本当に輝いているような気がする。
「じゃあ、写真撮ったしケーキ切ってもいい?」
「うん!」
無邪気な彼女に笑いながら、皿と包丁を用意して、上に乗ったものを渡す。
「はい、プレート」
「わーい、ここ好きなんだ」
「主役の特権よね」
「だねー」
そんな話をしながら、ひい、ふう、み、よ……と切れ目を入れる。少し、歪になってしまったがそれもご愛嬌だろう。
「ささらには大きいのね」
そう言いながら、他と比べると少しだけ大きな一切れを皿へと移す。
「やったー!」
ささらに渡した後自分の分もさらに乗っけてしまう。残りは6切れだ。
「後はタカハシくん達が帰ってきてから考えましょうか」
「そうだね〜。やっぱりみんな忙しいのかな」
「しょうがないけど少し寂しいわね」
「いい加減、つづみちゃんも誕生日教えてよ」
「じゃあ、たくさんお祝いしよ。出会った日とか、なんでもない日とか。色んな日。タカハシくんも、IAさんもONEちゃんも誘って」
「いいのかな」
「いいと思うよ!」
全てが違う気がする!!!
さとうささらとタカハシ
私の誕生日はカレーライスの日なんだと、小さいころにお母さんが教えてくれた。
カレーライスを食べながら思う。子供っぽくってもいいから、ずっと甘口のカレーが食べたいと。できればタカハシくんの作るやつが。
わからん!
さとうささら、アイちゃん
誕生日プレゼントに何を貰ったら一番嬉しいかという話を昔友達としたことがある。現金なんていう子もいたし、普段は手が出せない物を買ってもらえると嬉しい子、実用的なものが嬉しい子、心がこもってたら何でも嬉しい子、などなど。
実際、私があげる側になった時は迷いに迷って決めたり、これかな、あれかなとギリギリまで考えたり、逆にもう本人に聞いたりと色々と喜んでもらおうと必死になっていた。
多分、アイちゃんもそうやって色々と喜んでもらおうとしたのだと思う。
*
収録先であったアイちゃんは挨拶もそこそこに懐から何かを取り出した。
「ささらおねぇちゃん、これ、どーぞ」
そう言われて差し出されたのは封筒だった。裏面にはハートのシールで封をしてある。
一瞬ラブレターみたいだと思った。貰ったことはないのだが、まるで漫画とかに出てくるラブレターという符号みたいだった。
「なあに、これ?」
「プレゼント!」
プレゼント。私に? 何で? そんな風に少し考えて、すぐに思い至った。
「あぁ、誕生日だから?」
「うん!」
他の、つづみちゃんや、タカハシくん、IAちゃんONEちゃん。琴葉姉妹、その他大勢にもお祝いの言葉やプレゼント貰ったが、まさかアイちゃんまでも知ってたとは思わず、少し照れ臭くなってしまう。それでもやはり物を受け取るというのは嬉しくて顔が綻ぶ。
「ありがとう、開けてもいい?」
「えっ」
少し間が空いた後アイちゃんはうーんと、とかえーっと、とか、言って、答える。
「……恥ずかしいから、あとで!」
そう言って、スタコラさっさと逃げていってしまう。
「……」
そう言われてしまうと見れない物で、鞄の中へ丁寧にしまい込む。
帰ったら、開けてみようと決めて。
*
収録はいつも通り、何の問題もなく終わった。
ゆかりさんや、ずん子さんに別れを告げて、スタジオを出ようとしたところでアイちゃんを見かけた。お兄ちゃん……ショウタくんと手を繋いでスタジオを出ようとしてるのが見えた。ふと、アイちゃんと目があってお兄ちゃんと少し話してこちらに走ってくる。私は、少ししゃがむ。
「あのね、ささらおねぇちゃん」
「どしたの?」
「言い忘れてたの、おめでとうって」
最初何が言いたいのかわからなかった。
「……あぁ! ありがとう!」
が、プレゼントはもらったがお祝いの言葉はもらっていなかったからだろう。それをわざわざ伝えにきてくれたのだ。
義理堅いなんて思いつつ、頭を撫でる。
「アイちゃんから貰ったの、後でみるね」
「うん、後でね」
そんな話をして手を振って、見送り私もスタジオを出る。
近くの駅に行って、改札を通り抜けて帰りの電車がくるまでホームのベンチへと座る。
ほおっとため息をつき、鞄を見る。
丁寧にしまった封筒を取り出して、ペリペリとシールを剥がす。
硬い感触と共に、引っ張り出すとラミネート加工され、パンチ開けた穴からリボンが出てる、歪な丸の紙があった。
何なのだろうこれは。おそらく手作りだということだけがわかる。
不思議に思って裏面を見ると、そこにあった。
四葉のクローバーと、メッセージが。
「……ありがとう」
後で伝えようと思いながらもつい口から感謝が漏れる。
一生懸命作ってくれたのだろう。考えてくれたのだろう。それが、ただただ嬉しい。
電車が来るアナウンスが聞こえて、立ち上がり、人の後ろに並ぶ。
アイちゃんにきちんとお礼と感謝を伝えよう。
用意してくれてありがとうと、覚えてくれてありがとうと、わざわざ作ってくれてありがとうと。勿論他の子達にも伝えるけど、何だかやっぱり特別嬉しいのだ。
私が貰って一番嬉しいのは、あの時話してた時から未だ変わらず、一生懸命選んでくれた物らしい。
なに!?!?
なんか、違う…?
ひー、違和感!