コンビは「水奈瀬コウと汐崎かずき」「MANAと羽ノ華」
単語は「風呂」「本」「メガネ」
21時から
21時でした!
 
 配信開始押せてなかったけど一切進んでないのでセーフ
 図書館とか、本屋とか、そういう場所に付き物のシチュエーションがある。一冊の本を二人が同時に手に取ろうとして、みたいな。
 言いたかないけど、現実味のないものだ。見るたび心の中ではどんだけ周りが見えていないんだと少し毒づいてしまう。
 でも、実際あるもので十進分類で言うと、八類の棚。指を本の背表紙に当てて滑らせながら、心の中では目当の本の名前を呟きながら、視野を狭くさせながら、どんどん、どんどん奥へ奥へ向かう。
 あったと思って滑らせていた手を止めて、手を伸ばす。
 その瞬間、見知らぬ手と当たった。
うわーん!!!!
書けん!
ひー、なんも進んでない
 月に一度、自分へのご褒美を用意する。
 例えば、アフタヌーンティーだったり、いつもは買わない化粧品だったり、小旅行だったり、まぁ色々。でも、なんというか、ご褒美というのは違うような気がしなくもない。
「なんというか、やっぱ、私にとってこれって麻の着物なんじゃないかなって思うんですよ」
 ちょっと高いお風呂用品が今月のご褒美だと決めたのは昨日のことで、専門店であれにしようかこれにしようか悩みながら、一緒に悩んでくれる先輩へと声をかける。
「……一ヶ月生きるための?」
 先輩は太宰治は趣味ではないと言っていたが、一応知ってはいたらしい。
「はい」
 ふーんと声を漏らした後、噛み締めるようにいう。
「それは、責任重大だなあ」
「ですよ」
 一度ため息をついて、私に黄色いバスボムを渡してくる。
「どう?」
 渡されたバスボムは先輩の香水みたいな匂いがする。なんというか、ちょっと爽やかな匂い。
「あー、いいですねこれ」
「じゃあ、これともう一個かなぁ」
 そう言ってもらったカゴに追加。すでに入った石鹸と合わせてもう幸せになってきている。
 一つの棚の前で立ち止まって白いバスボムと、青いバスボムを両手に持ち悩んでいるようで、少しため息が聞こえる。
 だけど、会話は途切れない。
「でもさ、そんな大切なご褒美ならさ汐崎自身が選んだほうがいいんじゃないの?」
「それもいいんですけど」
「けど?」
「人に選んでもらうのって、嬉しくないですか?」
「あー……どうだろうなぁ」
「……まぁ、人それぞれですもんね」
「だなぁ」
 そんなことを話しながらも先輩は青いバスボムに決めたらしく、カゴへと入れ私へと振り返える。
 あぁ、もう終わりか。
 二人でレジの方へと歩きだす。
「今日はゆっくりお風呂に浸かります」
「俺もそうするかぁ」
「先輩のご褒美も買っていきます?」
「……いや」
 カゴを差し出しながら先輩はいう。
「俺は、麻の着物が無くても生きてけるよ」
 その言葉は、少しだけ寂しい。
「……そうですか」
 少し笑いながらカゴを取る。
「じゃ、買ってきます」
「おう」
 月に一度、会うのだってきっと私にとっては麻の着物なのだと思うけど、そこは黙っておいた。
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