ナナミンは大人だ。それは分かっている。いつだって俺の方に選択肢を与えてくれる。
それが、今はこんなにも歯がゆい。
「お好きな方をどうぞ」
冷たい声だった。聞いたことのないような、そんな声で俺に迫るのか。
「なん、で。今そういう酷いこと言うの」
「酷いですか? 本当に酷いのはどちらでしょうね?」
ナナミンとの付き合いは短くない方だが、こんなに怒っているナナミンを見るのは初めてで俺は竦んでしまう。悪いのは俺の方なのかもしれない。分かっている。でも弁解くらい聞いてくれたっていいじゃないか。
そう、思っても、まともに言葉が出なくて。
「俺が悪かった、かもしれないけど……俺が一番に好きなのはナナミンだよ」
「随分と身勝手なことを言うようになりましたね。私を弄んで楽しかったですか?」
「そんなことしてないし、そんなふうに考えたこともない」
ナナミンは怒っている。
里親が来る明日の朝まで預かることになった猫と、一日中遊んでいたことに。
「私とその猫、どちらを選ぶんですか? お好きな方をどうぞ」
こんなにナナミンが拗ねるなんて、思ってもみなかったんだ。
終わり!
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20211130「お好きな方をどうぞ」
初公開日: 2021年11月30日
最終更新日: 2021年11月30日
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二次創作。診断メーカーからお題を頂いて短文の練習をします。