「じゃあ先行く?」
 新屋が問うた。
「手伝ってもらえる?」
「勿論」
 イケメンと紅一点の間に、甘い空気が漂う。
「見てるかあ? 早川」
 樋口が茶々を入れてくる。
「うるせえよ」
「あらあら怒っててらっしゃる」
 揶揄うも、樋口はカメラを鷺宮さんのほうへと移る。
 先に門を跨ぎ、向こう側にいる新屋に視線を交わしながら彼女はそのひ弱な腕で、自身の身長大はある門を越える。その時、徐々にクローズアップするカメラワークに俺は文句を言った。
「おい」
 樋口は意地が悪そうに、さらに寄っていく。
「いい尻だろ」
「やめろって」
 お尻につけられたポケットが、彼女の足が屈むことによって、伸びる。お尻から緩く伸びた先には、引き締まった太ももがあった。
「樋口」
 禄郎がそこで制止する。
「はいはい」
 間が悪そうに樋口はそこで、カメラを引いた。
 鷺宮さんが門を越えると、あとの二人は軽々と飛び越えた。
「よし、じゃあ行くか、」
 新屋の掛け声によって、一同は廃校舎へと進んだ。
「幽霊に会いに」
 幽霊に会う。事は二日前に遡る。統廃合によって、去年廃校となった校舎に幽霊が出る、という噂を聞きつけた樋口が様子を見に行こうと誘ってきた。しかし、俺は幽霊というものがある種トラウマ的なもので苦手だった。
 樋口がその話を持ち掛けた時、俺の斜め前の席の鷺宮さんは興味津々で、こちらの会話に入ってきた。そのあと、新屋と禄郎も混ざり、今回のメンバーとなる。
 俺はやんわりと断るが、樋口が「ならカメラ通話で実況してやるよ」と言い始めたので、断るに断れなかった。本当に出たら、見なきゃいいだけだし、通話を切ればいい。
「じゃあ、決定だな。明後日の夜、例の場所に集合ということで」
 俺の席に集まった一同は固く結束し、えいえいおーの要領で手を重ねた。俺の視界の端には鷺宮さんがいて、手を重ねた時、俺の右腕にもにゅんとした感触があった。俺はその感触を頼りに、その夜抜いた。
 
 それに気づいていた樋口は、げん「じゃあ先行く?」
 新屋が問うた。
「手伝ってもらえる?」
「勿論」
 イケメンと紅一点の間に、甘い空気が漂う。
「見てるかあ? 早川」
 樋口が茶々を入れてくる。
「うるせえよ」
「あらあら怒っててらっしゃる」
 揶揄うも、樋口はカメラを鷺宮さんのほうへと移る。
 先に門を跨ぎ、向こう側にいる新屋に視線を交わしながら彼女はそのひ弱な腕で、自身の身長大はある門を越える。その時、徐々にクローズアップするカメラワークに俺は文句を言った。
「おい」
 樋口は意地が悪そうに、さらに寄っていく。
「いい尻だろ」
「やめろって」
 お尻につけられたポケットが、彼女の足が屈むことによって、伸びる。お尻から緩く伸びた先には、引き締まった太ももがあった。
「樋口」
 禄郎がそこで制止する。
「はいはい」
 間が悪そうに樋口はそこで、カメラを引いた。
 鷺宮さんが門を越えると、あとの二人は軽々と飛び越えた。
「よし、じゃあ行くか、」
 新屋の掛け声によって、一同は廃校舎へと進んだ。
「幽霊に会いに」
 幽霊に会う。事は二日前に遡る。統廃合によって、去年廃校となった校舎に幽霊が出る、という噂を聞きつけた樋口が様子を見に行こうと誘ってきた。しかし、俺は幽霊というものがある種トラウマ的なもので苦手だった。
 樋口がその話を持ち掛けた時、俺の斜め前の席の鷺宮さんは興味津々で、こちらの会話に入ってきた。そのあと、新屋と禄郎も混ざり、今回のメンバーとなる。
 俺はやんわりと断るが、樋口が「ならカメラ通話で実況してやるよ」と言い始めたので、断るに断れなかった。本当に出たら、見なきゃいいだけだし、通話を切ればいい。
「じゃあ、決定だな。明後日の夜、例の場所に集合ということで」
 俺の席に集まった一同は固く結束し、えいえいおーの要領で手を重ねた。俺の視界の端には鷺宮さんがいて、手を重ねた時、俺の右腕にもにゅんとした感触があった。俺はその感触を頼りに、その夜抜いた。
 
 それに気づいていた樋口は、玄関から一列となって歩くとき自然と最後尾になり、全体を俯瞰しながら、ぼそっと俺に胸が当たったことを言った。
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