光。黄色い。
最近の1日は木々の木漏れ日で目が覚める。
黄色い木々が視界に見える。土の匂いもする。
この風景にも慣れてきて好きになっている。
ピチャッ
濡れている。お腹のあたりだ。手を見ると青紫色をしている。また今日もビチョビチョになったみたいだ。
最近はいつもこうだ。顔も多分泥がついているだろう。顔を触ると案の定、ビチョビチョの泥が付いている。ふう、これは少し嫌だ。濡れてない日は歓喜するくらいには珍しい。
そして、横にはいつも通り大蛇姫がすやすやと寝ている。ゴテゴテとした魔改造を己に施している。大木が横たわっているかというぐらい大きい。また、昨日よりも少し大きくなった気がする。この風景は1万回は見たから、そろそろバリエーションが欲しい。と思いながらも、すやすやと寝ている姿を見て尊い気持ちになる。何だかんだ可愛いんだ。
視界のピントを合わせて彼女を観察してみる。身体のいたる所にセンサーを不規則に埋め込んでいる。また不規則に金属アームが尻尾からいくつも生えている。
全く、、、もし自分が彼女の改造虫だったら、もっと綺麗に配置するのになあ。金属アームも取り付けるなら、もっと配置しようがあるのに、何でもかんでも身体を改造していれば良いと思ってる、、、どんだけ芸術的なのさ、、
いつか改造させてほしいと頼んでようかなー。
そう思考するのも日課だ。
「いってくるね。大蛇さん。」
そうこう思いながら、起きてその場を離れることにする。
まずはビチャビチャとペリペリになった服を綺麗にしたい。いっつも目覚めの感触が気持ち悪い。
川へ行く。これも日課になっている。なるべく川辺で就寝につくような癖さえついている。明日も濡れるだろう。ふう、、もう考えるのはよそう。
黄色い木々をかき分けて川を探していると、不規則に移動する緑のドローンを見つけた。
ドローンは塔で生活をしている時に配達をしているのをよく見ていた。ただ、このフォルムは見たことがない。4つのプロペラを使って飛んでいたみたいだけれど、1つが壊れている。可愛そうだな。
「ドローンさん。直してあげよう。」
そう言って近づいた。そうするとドローンはこちらに気づき、触わられるのが嫌なのか飛行高度を上げた。こちらをじっと観察している。警戒しているのだろう。
無理はない、捕まえられて分解されるのが、この場所では当たり前のルールなのだ。警戒するのが一番正しい。
「大丈夫。直してあげるから。」
手を広げてドローンを待ってみる。
ウィーーーンーー
ドローンは不規則に揺れながら、こちらに近づいてきてポトッと地面に落下した。
「あっ」
そうなるとは思わなかった。
ガシャッと音がした。ドローンの本体がひしゃげていた。あーー。これは派手に行ったな、、、直せる気がしないや。
飛び散った破片を集めてみる。
うん。やっぱり修復無理だ。
あーーやっちまったな。
ズルズルズル
巨大なものが引きずられている音がする。そして近づいてくる気配を感じる。大きな影が被さる。後ろを見上げると、大蛇姫がこちらを見下ろしていた。
「あ、大蛇姫さん。」
彼女は私と壊れたドローンを見て何か考えたのか、口からポトポトと改造虫を落とした。いつ見てもこの光景は慣れない。
口にクマノミを飼っているイソギンチャクの気持ちはこんな感じなんだろうか。
彼女と改造虫がいつ交信したのか分からないけれど、改造虫はニョロニョロと動いてドローンに纏わりついて修復を行う。終わるまであっという間で、終わったあとに「あっ」と言ったくらいに早かった。ドローンは修復された。
「ありがとう。」
彼女と彼女の口に戻っていく改造虫に告げる。こんな風に、彼女の虫が他の機械生命体を修復するのは見たことがなかった。これも変化の1つなんだろう。
ウィーーーンーーー
そんな風に思っていると、ドローンは気づいたかのように起き上がった。空中でグルグルと回ってみせた。ありがとうと言っていた。それが嬉しくて少し笑ってしまった。
「どういたしまして!けど直してくれたのは彼女なんだ。彼女にもお礼を言ってねー」
そう言ってドローンに彼女を紹介する。
「」
ドローンはしばらく止まっていた。
恐らく理由はこうだろう。え?その巨大で歪な人造人間がですか?本当ですか?え?ちょっと待ってください。考えさせてください。
、、、、読み込み中、、、、
、、、、エラー、、、、、、
、、、、読み込み中、、、、
などと思考していることはバレバレだ。
ドローンも色々考えた末に、彼女に対しても空中でグルグルと回ってみせた。それを見た彼女がコクリと首を傾げていたのが印象的だった。