私が楽しいクロスオーバーもどき。少女☆歌劇レヴュースタアライトとFGOです。99期生たちがマスターになって、レヴューで戦う裏で鯖同士も戦うという、?な設定ですが、私がやりたいだけ。お試しで考えてみたら99期生と召喚される鯖考えるのが思いのほか楽しくて…書きたい場面だけ書くので、シーン間での繋がりとかは特にないです。設定も何もただやりたいだけなので、深いことは考えちゃだめです。スタァライトのアニメストーリーを軸にするので、そっちを知らないと分からない可能性大。あと特に聖杯戦争じゃないので、クラス被りがあっても気にしない方向で書いてます。本当は被らせたくなかったんですが、ばななとかれんちゃん、真矢様はやっぱり……剣がいいなぁって思いまして………我ながら組み合わせは結構好きです。
以下、99期生とそれぞれが召喚した鯖です。
大場なな→アーサー・ペンドラゴン(FGOよりも蒼銀くらいの彼をイメージしてます)
愛城華恋→ベディヴィエール
神楽ひかり→呪腕のハサン
露崎まひる→サロメ
天堂真矢→シュヴァリエ・デオン
西條クロディーヌ→ニトクリス
星見純那→アタランテ
石動双葉→坂本龍馬
花柳香子→フィン・マックール
特に恋愛感情とかは絡まず、それぞれバディみたいにやっていく感じです。スタァライトはもうお互いがお互いにでかい感情を向けてるから…
~再演n回目、地下劇場、大場なな~
「……ねぇセイバー」
 ポジション・ゼロ。そう呼ばれる立ち位置に向けて片方の刀を突きさすマスターが唐突に口を開いた。
「あなた、何か私に聞きたいことがあるんじゃない?」
「………………」
 眩しい黄金のライトを背にして、肩にかけられた上掛けをふわりと舞わせながら彼女がこちらを振り向く。その表情に怒りや嫌悪といった様子は見えない。いつもの笑顔をたたえながら、こちらに振り向く。
 ただ、見透かされている。
 僕の中にある「何か」を見透かして、純粋にそれを炙り出すように。気になりつつも、確信を持てず言い出せずにいる僕のことを汲み取るように。
「……いいのかい? 僕が聞いて」
「いいわ、ここまで勝てたのはあなたのおかげでもあるんだもの。だから、答えてあげる」
 にっこり微笑む彼女は、それまでの激戦を伺わせることもない。それがより彼女の強さを引き立たせるようで、ついごくりと喉を鳴らす。
 今回のオーディション「も」、彼女は優勝した。
 見事な戦いだった。彼女は先ほど、今回の勝利は僕の貢献もあると言ったが、果たしてそうだろうか?
 彼女は、自分などいなくともこの勝利を手中に収めているのではないだろうか。そう思わずにはいられない。
「…………君は、あと何度繰り返すつもりなんだい?」
「…………」
 彼女は微笑み続ける。「何が」と聞くこともしない。言わずとも分かっているのだろう。
 少し経って「そっかぁ」とのんきな様子の声が響く。
「『あなた』は、分かるのね。他のみんなのサーヴァントたちも気づく様子がなかったから、あなたもてっきりみんなと同じなんだと思ってた」
「……僕も、最初は気づかなかった。でも記録は残っている。僕と君はもう何度もこの戦い……『オーディション』を繰り返している。今ここにいる僕は、君と初対面のはずなのに君と何度も会話をし、共に戦い勝利を勝ち取った……そんな感覚が、記録として残っている」
「ああ、記憶としては残らないってやつね。話には聞いてたけど……『私』の召喚したサーヴァントだから、他のサーヴァントたちと違って影響を受けたのかしら」
 そこですっとマスターが上へ視線を向ける。その先には舞台をぐるりと囲むように並ぶ座席と、舞台をのぞき込むようにそびえ立つ一体のキリン。
「あなたの仕業?」
 感情を出すことなく、キリンへと淡々と問いかける。
「さぁ、どうでしょう」
 間もなくキリンから短い返答がおりてくる。それに対してマスターはまた「そう」と短く返した。
「まぁいっか。前向きに考えたらいいことなのかも。毎度毎度初めましてって言うのも大変だったし、セイバーが私のことを知った上で協力してくれるのならこれからも勝ち続けやすくなりそう」
「マスター……君は」
「さっきの質問に答えるわ、セイバー。……私が、満たされるまでよ」
 カシャン、と足元に転がってきた王冠をマスターが拾い上げる。細い金属の線で織られたような、宝石をちりばめられた王冠。オーディションの優勝者の証。
「本来なら、あなたの望みの一つでも叶えてあげればいいんだけど……そこはごめんなさい」
「……僕の、望み」
「国を救いたいんでしょう?」
「⁉」
 とっさに目を見開く。心臓を掴まれたかのような心地に、気が動転してしまいそうになる。なんとか冷静さを保つことに集中して、「今」の再演の記憶を走るように思い出す。
「どうしてそれを……僕は、話した覚えはないんだが」
「ああ、ごめんなさい。でも、あなたが教えてくれたのよ」
「? いつ……」
「二回前……だったかな。以前の再演でね、あなたが教えてくれたの。自分の国を破滅の運命から救いたいって」
「…………」
「あれ、違った?」
 違うことなど、ない。まさしくそうで、それが僕自身の願いで、望みで、使命で。
「ふふ、セイバー。私はね、みんなのことならなんでも知ってるのよ」
 少女の微笑みは深く深く、深く。光源が眩しくなるほど、影をたたえる。
「……なんでもね」
「………………」
「あら、怒った?」
「…………いいや」
「そう。てっきり私はあなたに切られるかと思っちゃった」
「…………」
「あなたを見ていると、いろんな物語に出てくる王子様を思い出すの。誇り高く、自分よりも誰かのために何かと戦う王子様……あなたみたいな王様、今度脚本を書く時の参考にしたいなぁって」
「…………」
「でも時々思うの。あなたも英霊だけど、結局は私と似てる。過去の栄光と、高揚と、苦難と、歓喜……私たちは見ているものは違うけど、追い求めているのは同じ過去……だから分かるでしょう?」
「……次の再演で、満足できそうかい?」
「…………分からない」
 目蓋を下ろし、持っていた王冠を髪にさしてマスターはその場でくるりと一度回ってみせる。
「何度も繰り返したわ。あの舞台を、あのきらめきを、あの一瞬を追い求めて……でも、足りない。まだ私の心は満たされない。再演を繰り返すほどに、遠ざかっているんじゃないかって気さえしてしまう」
 
「届かなくて、眩しいの」
 ゆっくりと開かれる目蓋の奥で、ゆらりと炎が燃えるような錯覚をうける。でもその瞳に、決して光は差していない。
「呆れるでしょう? あなたのマスターの貪欲さに」
「いいや、ここ最近頭の中でかかっていた靄が晴れてすっきりしたよ」
「そう? 私だったら、こんなマスター嫌になっちゃいそうだけど」
「僕としては君が何を目的としているか分かった分、君を信頼しやすくなったという印象かな」
「あら、意外と正直なのねセイバー」
「君が僕のマスターである以上、もちろん信頼はするが……さすがに、今までの再演の記録が頭の中をよぎるのはどうも気分が悪くて。自分が経験した覚えはないのに、身体が覚えている。君と初めて会ったはずなのに、初めてではないという意味が解決したからね……これで、君の剣として僕はより一層戦いに打ち込める」
「……それって」
「ここまで乗りかかった船だからね。マスター、僕は君が満足するまでこの戦いに付き合うよ」
「…………あなたの願いはいいの?」
「……そもそも、君の運命の舞台が続く限り『ここ』にはいずれ戻ってくる。なら僕の願いは、君が満足した後に叶えてもらうのでいいかなと思うんだ」
「なるほど?」
 納得したマスターは、僕の前にすっと右手を差し出す。何だろう、と思ってしばし様子を見ているとマスターが「握手だよ」と再び口を開く。
「ならセイバー。私が満足するまで、よろしくね」
「……ああ、もちろんだマスター」
 赤い上掛けと白の衣装をまとう二刀流の少女。この「舞台」における、僕のマスター。
 その小さな手を握り、どちらからともなく笑う。
 次も彼女に、約束された勝利を。
 いつしか僕の「真名」すら忘れてしまった彼女に、次も「再演」という名の勝利を。
 心の中で自分自身へ誓いを立てる。
 例え君が僕の「真名」を口にしなくなったとしても、君が大切な何かを見失っているとしても、僕がサーヴァントとして行うことに変わりはない。
 マスターにとっては今、再演が全てなのだ。あそこに、彼女の求める何もかもが詰まっていて、眩しくて、彼女の目は眩んでいく。
 君がその手に掴めなかったとしても、君が満足できなくても。ならば僕は、何度でも君に勝利をもたらそう。何度でも、この舞台を演じよう。
 トスッ。
「え?」
 唐突だった。何かが足元に刺さる音と、マスターの短い声が耳にやけに大きく響いた。
 同時に、目下の目印へ視線を向ける。ピンク色のテープで床に記された、ポジション・ゼロ。そしてそこに刺さる、一本の短剣。
「これ……」
 柄のにつけられたワイヤーを走るように目で追っていく。少し離れた先に一本の木が見えた。それと、人影。
 長い黒髪をたたえ青い衣装を身にまとう少女と、影のよう黒い布と白い仮面をまとった何か。
「…………だれ?」
 
 マスターの言葉を最後に、僕らの意識はかき消えた。
 再演が、始まる合図だ。
・あとがき
アーサーは推しっていうのもありますけど、純粋にばななと相性よさそうと思いました。二人とも過去に囚われてる感があって、その辺ばななの心情が彼なら分かるんじゃないかなとか何とか。あるいは、過去を繰り返すばななに同じく過去を求める自分を重ねるか…どっちでも面白そうと思って。あとひかりちゃんと呪腕のハサンの組み合わせは結構気に入ってます。ひかりちゃんは殺がいいという気持ちもありつつ、以前のレヴューで長い剣だったのに、今回は短剣になっていることからも小さなきらめき=(FGOのランク的に)星の数が少ない鯖が召喚されそうだなぁって思いました。でもハサン先生なら星の数は少なくても、普通に強いしきらめき再生産すればアーサーにも勝てるでしょうと思う。ひかりちゃんと呪腕のハサンは性格的にもうまが合いそうな気がします。ひかりちゃんのお部屋の掃除とかしてくれそう。
~嫉妬のレヴュー、開幕直前、露崎まひる~
「あらマスター? 随分気合いが入っているのねえ」
「えっ……わ⁉」
 震える両手を握りしめて、深呼吸。すると頭上から綺麗な緑色の髪の女性が、私の顔をのぞき込む。
「あ……サロメさん。ごめんなさい、びっくりしちゃった……」
「ふふっいいのよマスター。でも眉間に皺が寄ってしまっているわ。そんなに次の相手は強いの?」
「……強い。強いけど、それ以上に緊張しているのかも。私、華恋ちゃんがいなきゃ、何もないの。華恋ちゃんがいなきゃ、何にもなれない。だから、勝たなくちゃいけなくて」
「まぁ……とっても大切な相手なのね」
 そう言って目の前で大きな髑髏の上に座りながら、サロメさんは私の頬をするりと撫でる。
「うん……大切。とっても大切なの。サロメさんにとってのヨカナーンさんみたいに」
「……まぁ」
 サロメさんの紫色の瞳が徐々に大きく開いていく。宝石みたい、初めて彼女に会った時に最初に感じたこと。今も眩しく輝くその瞳が、よりまばゆく、光を吸い込むようにきらめいていく。
「まぁ! まぁ! まぁ! あの子が! 彼女が! あなたのヨカナーンなのね、マスター⁉」
 陶器のように滑らかな肌に薔薇のような赤みがさしていく。そんな彼女もとても綺麗で、ついうっとりと見とれてしまいそう。
「ああそうなのね、そうなのね! それならマスター、私は一層頑張らなくちゃ! ヨカナーンの首だもの、どうしたって手に入れなくちゃ!」
 サロメさんは傍らに浮かぶ髑髏を愛おしそうに愛おしそうに撫で上げる。
「ああ……素敵。素敵ね、マスター。運命の人と踊り続ける素敵な舞台……そこにヨカナーンと立てるだなんて夢みたい」
「……お願い、サロメさん。私、まだこの舞台を降りたくないの」
「ええ、ええ、分かっているわマスター」
「ヨカナーンの首だもの。大事に、大事に……あなたの元に届けて見せるわ!」
・あとがき
まひるちゃんは狂枠でしょ~~~!と一人でうきうきしながら考えました。狂鯖の中でも恋に狂うサロメさんは適任な気がして、この二人にしよ!って割と早い段階で思いました。レヴュー後だったらまた二人の関係性はちょっと変わるんだろうけど、まひるちゃんの優しさで円満な関係を築いていくのではと勝手に思ってます。まひるちゃんならサロメさんのヨカナーンへの愛情にハワワ…となりつつも、あったかく見守ってくれそう。
~約束のレヴュー、開幕直前、石動双葉~
「なぁ双葉」
「なんだよ」
「お前、本当にいいのか。あの『かおるこ』ってやつとやりあうんだろ?」
「…………」
「まぁまぁお竜さん。その辺り、いろいろ決着をつけるって意味でもこれから僕らは戦うんだから」
 白い帽子と白の詰襟服をまとう青年と、長い長い黒髪とマフラー、真っ黒なセーラー服を着てふよふよ浮かぶ女性。そんな二人の間に挟まれながら、アタシはハルバードを握りなおす。
「いいんだよ別に。アイツもアタシも、このオーディションに参加してる時点で戦うことなんて分かり切ってんだ。今更怖気づくこともない」
「ふーん……ま、お竜さんはいつも通り目の前の敵を倒す。それだけだ」
「まぁ相手が相手だからね……参加者全員手ごわいけれど、顔なじみというのはそれだけで厄介な相手にもなる。気を引き締めていこう」
「龍馬の言う通りだ。おい、双葉。お前の目標だか何だか知らんが……絆されることだけはないように気を付けるんだぞ」
「……おい、絆されるってどういうことだよ」
「言葉の通りだ。お前、何だかんだあの『かおるこ』ってやつにめちゃくちゃ甘いだろ。そこに付け込まれないようにしないとその上掛け、落ちるのはお前の方になるぞ」
「…………」
「……ああ、えっとマスター? どうか気を悪くしないでね。これ、お竜さんなりの励まし方みたいなものだから……」
「…………うん、分かってるよ。アタシだって、何もせずにここまで来たわけじゃない」
 ハルバードに落ちていた視線を上にあげる。それを待っていたかのように突き刺さるような眩い光源が、舞台にアタシを浮かび上がらせる。
「アタシは、あいつのファンでいるだけじゃもう嫌なんだ。アタシは、あいつの隣に立つためにここまできた。だから、今日はアタシがそれを……香子に、見せつけてやる」
 アタシと香子、二人の花道。深呼吸を一つして、アタシはまっすぐ歩きだす。
・あとがき
双葉ちゃんはバイク乗りだし、騎だな~っていうのは最初からありました。じゃあどんな騎を……と考えた結果、全体的に面倒見がいいが旧知の仲だと更に面倒見の良い坂本さんがいました。二人の性格的には意外だなって気はしましたが、面倒見の良さとか放っておけない感じは二人ともそっくりでは…と。個人的に結構好きな組み合わせ。双葉ちゃんの苦労も坂本さんならきっと理解してくれるし、お竜さんと影からあたたかく見守ってくれる。
~約束のレヴュー、閉幕後、花柳香子~
「実に見事な戦いっぷりだったよ、マスター」
 パチパチ、というゆっくりとした拍手と共に響く男の声。なんや今のレヴューの後とは思えぬ情緒の無い声音に、たまらず「はあ」とため息がでる。
「当たり前どす。うちのこと、なんやと思うておりますの、フィンはん?」
「はっはっは。私は素直に褒めたつもりさ、いや実に見事な戦いっぷりだったからね」
「はあ、そらどうも」
 金色の長い長い髪。うちよりもずっと長くて、天堂はんやクロはんらと同じくらい……それ以上でっしゃろか? とにかく長い長い髪が眩しい。そして見事に綺麗な髪であるがゆえ、一人の女としてその髪にぐぬぬ……と歯噛みする。何をしたらあんなんなりますの?
「……言いたいことは終わりはった? なら、もうさっさと帰りますえ。今日はうち、一段と疲れましたわ……」
「うん、マスター。実に良い顔になったと思うよ、とても良い瞳になった」
「はあ?」
 今日何度目かの気の抜けた声が口から出る。何を言っておりますの、この方?
「あんさん、何が言いたいん」
「言葉通りのことさ。今日のレヴューを通して、君は実に良い表情をもてるようになった。……彼女のおかげだね」
「……別に、双葉はんのおかげだけやあらへん。うちの意地を、ほんのすこぉし思い出しただけどす」
「それが大きな変化だということさ。ミス双葉……彼女の存在はとても大きい」
「…………」
「人の上に立つ者の役目ということだ。君を信じ、その背中を追う者のために君は輝き続けなければ」
「なんですの、フィンはん。まさか、うちが輝いていないとでもおっしゃりたいん?」
 横目でにらみつけると、フィンはんはこれまた大層なお声で「はっはっは!」と笑いだす。
「ちょっ……何がおかしいんどす?」
「はっはっは……いや何、私は君が輝いていないとは思っていないさ。この輝けるフィン・マックールを召喚した時点で、君は私と同じくらいの輝き、眩さを持っている。あとは経験の違いさ……宝石の原石は、磨かれてこそ真の輝きを発揮する。マスター、君の場合はようやくその輝きが見え始めたということさ」
「…………いや、あんさん。それってやっぱり、今のうちにきらめきが足りないって言うのと同じやあらへん?」
「む、そうかな? はっはっは、これはまいったな!」
「な、アンタ! またうちのことわろうて‼」
「まぁまぁ、いいじゃないかマスター。とにかく今日の勝利、おめでとう!」
「な⁉」
 誤魔化すように適当な感じで今日の勝利を再び祝うフィンはんの言葉に、またうちの頭に血が上っていくのを感じた。
・あとがき
香子ちゃんは薙刀だしランサーだね~!という安直な思いつきから。(他の人も大体安直な思いつきからですが)香子ちゃんと言えば、やはり6話の双葉ちゃんとのいろんなやりとりが印象的です。追ってくる者のために意地を見せる香子ちゃん、双葉ちゃんにブラフをかけるとこもめちゃめちゃ好きでしたね…。召喚するなら、美しさに意識を持ち、人の上に立つような鯖がいいなぁと思いました。そこにぴったりだったのがフィンだったという訳です。どっちも口八丁手八丁なイメージがあり(香子ちゃんは手よりも口が上手いイメージですが)、フィンに香子ちゃんがキィーッ!ってしながら二人でわちゃわちゃしてたらかわいいな…と思いました。双葉はんやったらここでうちを甘やかしてくれるのに!ってじたばたしつつ、「はっはっは、まぁ頑張りたまえマスター!」とさらっと突き放すフィン氏のバランスの良さ…(個人的見解です)。でも何だかんだ息の合った戦いをしてくれる二人なのでは、とも思います。この組み合わせも結構好きです。
~星罪のレヴュー、開幕直前、愛城華恋~
「……本当に、行かれるのですか」
 舞台袖に立つ背中を見つめて、呼びかける。
「行くよ。だって、あそこにひかりちゃんがいるんだもの」
 赤いきらめきを携えた剣を片手に立つ我がマスターは、振り返ることなく返す。きらりと頭の上の王冠が光る。
「私は……ううん、私たちは約束したの。絶対、二人でスタァになるって」
「……戦えるのですか、神楽殿と」
「…………」
「私も見ました。神楽殿の『運命の舞台』を……他の参加者たちのきらめきを一身で補い、積み上げ、あっけなく崩されていくあの姿を」
「…………」
「彼女にも、相応の覚悟があってのことだと私は思います。マスター、あなたはそれを……踏み越えていくことが出来るのですか?」
「……そうだね」
 ふわりと彼女の肩にかかる上掛けが舞う。マスターがくるりと舞うように、こちらを向いた。困ったような表情をたたえ、マスターの顔が視界に映る。
「本当はね、不安だってちょっぴりあるの。ちょっぴりだよ?」
 えへへ、と年頃の少女相応の笑み。
「…………」
「でも、今はそれだけじゃないの。スタァライトは、悲劇じゃない。悲劇なんかで終わらない」
 マスターが日々戯曲スタァライトの原典の翻訳を行っていたのは知っている。今まで彼女らが見てきた結末と、異なる結末が描かれていたことも知っている。
 それを知ったからこそ、彼女は今ここまで道をこじ開けてきたことも。己が取り戻すべき存在を思い出したからこそ、今マスターはここにいる。
「私の夢には、ひかりちゃんが必要なの。二人でスタァになる。だから私は、ひかりちゃんを取り戻すの。だから、ここに迎えにきたの」
 その瞳はあまりにも凛々しく。決意が既に宿った瞳は、らんらんと輝き私の眼すら焼いてしまいそうな情熱をたたえる。
 星摘みの塔で目を焼かれた「フローラ」は、こんな気持ちだったのだろうか、と。
「だから、見ててベディヴィエールさん。私が約束を果たすところを」
 眩しい。
「約束……」
 うん! とマスターはひと際明るい声と笑顔で言葉を紡ぐ。
「きっとベディヴィエールさんのことも、スタァライトさせちゃうから!」
 ……ああ、やはり眩しい。あなたの存在は、太陽のように明るく、暖かく、きらめいていく。目が焼けてしまいそうなほど。身体を燃やされてしまいそうなほど。心をとらえ、離さない。
「…………これは、神楽殿も苦労いたしますね」
「えっ」
 一歩近づき、おもむろに彼女の首元へ手を伸ばす。
「あ、え⁉ ベディヴィエールさん⁉」
「上掛けが少しずれています。少々失礼いたしますね。……はい、これで良いでしょう」
 少し背中側にずれた上掛けを引き戻し、元の位置へ。最後に金色のボタンの向きを軽く整える。
「あ、ありがとうございます」
「私も、楽しみにしていますよ」
「……え?」
 不思議そうな表情をしたマスターと目が合う。
「マスター。今のあなたは私と出会った頃とは違う。覚悟と勇気、野望(きらめき)を持ち、そのために今必死に手を伸ばさんとする。……あなたと神楽殿の舞台は、さぞ素晴らしいものになるのでしょうね」
「ベディヴィエールさん……」
「私も、輝くようなお二人の舞台をぜひ拝見したい」
 やや口角を上げてそう告げると、マスターは一拍置いてその顔を花のようにほころばせる。
「……うん、見ててベディヴィエールさん。私たち、最高の舞台を演じてみせるから!」
「はい。不肖ベディヴィエール、そのためにも今、この舞台で全力を以ってあなたの力となりましょう」
 舞台の中心へと目を向ける。中央に立つのは、青い衣装を纏う少女。その傍らには一騎のサーヴァント。
「行こう、ベディヴィエールさん」
「御意、マスター」
 私たちは歩き出す。舞台の中心へ、
 舞台の幕が上がる。舞台装置が動き出す。突き刺すような照明の光に負けず、一歩ずつ踏みしめてマスターは大きく息を吸う。
「九十九期生、愛城華恋!……みんなを、スタァライトしちゃいます!」
 幕が、上がる。
~あとがき~
かれんちゃんは主人公というのもあるし、やっぱ剣がいいなというのがありました。ひかりちゃんとの約束をもつかれんちゃんと、アーサー王との約束をもつベディ。ハッこれはいい組み合わせなのでは…⁉と一人で盛り上がっていました。約束繋がり。しかもベディなら対ばなな戦でアーサーと戦うことになる……異世界とはいえ我が王との戦い、これはいい組み合わせなのでは⁉と更に一人で盛り上がったり……個人的にかれんちゃんにベディに対して「ベディヴィエールさんのことも、スタァライトしちゃうから!」っていうのは言ってほしいセリフで……鯖たちが霊体化して劇場の外にも行けるとしたら、絶対ベディは朝かれんちゃんを叩き起こす役。干渉できなくても、毎朝起こしてくれるまひるちゃんに感謝の念が積みあがっていくと思います(?)対まひるちゃん戦で「……マスター、本当に露崎殿を倒す必要がありますか?私としては、露崎殿には日々の恩がありますし、無下に刃を向けたくないのですが……」とか言ってほしい。「え⁉ 恩⁉ どこで⁉ どこでまひるちゃんとそんなに関わったの⁉」ってかれんちゃんにあたふたしてほしい。
 
~???のレヴュー、開幕直前、西條クロディーヌ~
「ねぇ、ニトクリス」
 レヴューの幕が上がる前の緊迫した空気。舞台装置のエンジンが温まっていく音、まるでスタァを探すかのように光りだす光源たち。舞台が今まさに始まろうとする、そんな時に私の同盟者は口を開いた。
「何ですか、同盟者。何か懸念でも?」
「自分より後に、自分よりも優れた存在が現れるってどんな気分?」
「え……」
 チャキ、と彼女が剣を握り直す音が僅かに耳に入る。
 自分よりも後に、自分よりも優れた存在が顕現する……。何において、どういった意味で優れた存在なのか。それはきっと誰が誰に対して問いかけたかによって意味は変わるのだろう。だけど、事彼女においてその問いかけが何を意味するか。それは何よりもよく分かってしまう。理解できてしまう。
 同盟者、あなたにとっての主席に座る「彼女」。私、ニトクリスにとっての何よりも神に近い、いいえ。もはや神とも言うべき世界の敵であるあの「お方」。
 どちらも「私たち」よりも後に現れた。「私たち」は前を歩いていたはずなのに、追い抜かれていった。
 何も臆することなどないのに、杖を握る手に僅かばかり力がこもる。
「私は……私を、未熟者だと思います。そんな私にとって、あのお方は誰よりも、何よりも見習うべき存在であらせられる。それ以上でも、それ以下でもありません」
「悔しい、とか。そいつを蹴落としてやりたい、とか思わないの?」
 蹴落とす。
 その言葉が聞こえた瞬間、ハッとして私は杖を同盟者の顔の前に突きつける。当てるつもりなど毛頭なかったけれど、それでも鼻先に肉薄した我が杖に対し同盟者は顔色一つ変えず、むしろ不敵に微笑んだ。
「な、何てことを言うのです! あのお方を失脚させようなどと……不敬にも程がありますよ!」
 僅かに速度を速めた鼓動を誤魔化すかのように、やや大きい声が舞台袖に響く。
「ふぅん? 私だったら、私の方が凄いってところを認めさせようとするけど?」
「で、ですから! あの方はそういったことを全て超越しているのです! 全ての世を統べるファラオの中のファラオなのです! 私など、到底……」
「……ああ違う違う。私はあなたにそんな顔をしてもらいたいわけじゃないのよ」
 同盟者は右手で私の杖を掴んで軽くいなし、そのまま一歩、二歩と距離を詰める。
「そんな顔って……だったらなんだと言うのです。このレヴュー、同盟者にとっても大事なものでしょう? そんな大事なことの前に……」
「だからこそ、よ」
 ね? と彼女は私の目の前に立ち、軽くウィンクをしてみせる。
「私は、勝ちたいわニトクリス」
「…………」
「最初は、私の方が勝っていると思ってた。子役の時からずっと一番だった。だから今度も、私が一番になれる。なるに決まっているって」
「……同盟者」
「でも、現実は違ったわ。悔しくて、憎らしくて、でも現実はただただ平等に冷酷に私に事実だけを突き付けた。あの女……天堂真矢が、私よりも上にいることを」
 ふと天井を見上げる同盟者。つられて私も目線を上げる。多くの機械が上空を埋め尽くし、その光を浴びる舞台少女の到来を今か今かと待っている。
「でも、だからと言って私は歩みを止めない。上を目指すことを止めない。私は、あいつにだって勝ってみせる。ポジション・ゼロに……スタァになるのは、この私だって」
 すぅ、と息を吸う音が静かに聞こえた。
「証明してみせる」
 力強く、凛々しく、確かな決意と覚悟を宿したその瞳。どこからともなく落ちてきた一筋の光が、その胸元のボタンをきらりと輝かせる。
「だからそのために私は、自分よりも上にいる者に食らいつく。剣を向ける。何度敗れたとしても、何度だって向かっていくわ」
「…………」
「舞台がそこにあれば、私は……舞台少女は何度だって生まれ変われるの。私の心臓が、鼓動が、血が、あそこにはあるのだから」
 迷いのない瞳。何者の反論も許さない、そんな瞳がまっすぐに私を射抜く。
 しばしの沈黙の後、はあと口からため息が零れた。
「……あなたの、その野望はとても恐ろしいですね」
「そうかしら」
「ええ、全く。ファラオに対してそんな態度、不敬以外の何物でもありません。一歩間違えれば極刑ものですよ」
「まぁ。それは大変ね」
 何でもないことの様に口元に手をあて、大げさに驚いた真似をする同盟者。そんな彼女に私はただただ苦笑を浮かべる。
「はぁ、全く……結局、あなたは何が言いたいのです。私に、闘う意気地がないとでも言いたいのですか?」
「まさか。ただ気になっただけよ、純粋に。あなたの考えに意見をする気はないわ。ただ……」
「ただ?」
「私のスタンスをはっきりさせておこうと思っただけよ」
 そうしてまた、彼女は不敵に微笑む。私は思わずこぼれるため息を、隠すことなく吐き出す。
「あなたの野心はよく分かりましたよ、同盟者。スタァになるために、あの舞台の中央に立つために超えるべき障壁は全て超えていく……そうでしょう?」
「Exactement. 分かっているじゃない」
 ひらりと上掛けが目の前を掠める。彼女のブロンド色の髪が、それに合わせて揺れていく。
「スタァになるのは、この私。だから、私はあいつを倒す。倒して、あの高みへ手を伸ばす」
 裾を翻した同盟者の目線の先には一人の舞台少女。首席として、同盟者の上を行く者。
 今宵、私たちが倒すべき相手。
「いいでしょう。ファラオに対する態度はともかく……同盟者、あなたの勝負への姿勢は目を見張るものがあります。ならばこのニトクリス、あなたに手をかしましょう」
 ひたりひたりと足先を出して、彼女の隣へ。
「ふふ、頼もしいわ。そうこなくっちゃ」
 再び浮かべた彼女の不敵な笑みに、私も不敵に微笑み返す。
「ええ。冥府の恐ろしさ、思う存分に見せてさしあげます」
 一歩踏み出す。
 ここはもう、舞台の上。誰も私たちを無視できない。ここはもう、彼女の舞台。
〜あとがき〜
 クロちゃんとても好き。なんだろう、スタァライトはみんないろんな意味で貪欲だと思うけど、クロちゃんの貪欲さが好き。最初クロちゃんにキャスターか…とは思ったけど、ライダーとか迷ったけど、でもそっちは双葉ちゃんいるしなと悩んで。でも逆に考えればクロちゃんは自分で結果を掴み取れる人だし、本当に隣に立てるのは真矢様だしなと考えたところ「むしろ鯖を呼ぶならサポート系の方がいいのかな?」とか思ったりして。どんなキャスター合うかな〜と妄想して、一番個人的にしっくりきたのがニトちゃんでした。異論は認めます。理由は気が合いそうだなとかもあるけど、まぁ話の中で書いた通りかなと。
 思ったより長くなって私がびっくりしてます。残り真矢様と純那ちゃんの話書いたらまとめて支部に投稿したいな。いつになるんだろうね。
 クロちゃんの出るレヴューって、はっきりとクロちゃんの戦闘シーンが出てるとこは少ないので映画めちゃくちゃ期待してます。いやもう予告編の「私のセリフを無視……するなぁ!」がばちくそイケメン過ぎてもうそれだけで満足してる自分もいますけど……あとキャラそれぞれの名乗り口上はクロちゃんのが一番好き。3rdライブの「C'est moi, la star! (スタァになるのはこの私!)」の言い方かっこよすぎて惚れた。あと殺陣もかっこよかったです……もうこれあとがきじゃないな。
〜???????、?????、星見純那〜
「お前の星は、そんなにも遠いのか?」
「……え?」
「お前の星は、そんなにも遠く、高く、手を伸ばさないと届かないものなのか?」
「あ、アタランテ……? なに、言って」
「お前の周りには、いくつも星が輝いている。きらきら、きらきらと目が痛くなるほどの星々が」
「そ、そんなの……わかってるわ、私が一番。だから私はっ」
「だからお前は手を伸ばすのか?」
「…………そうよ」
「だからお前は他人の言葉を借りてまで、掴み取ろうとするのか?」
「…………『いつか空の飛び方を知りたいと思っている者は、まず立ちあがり、歩き、走り、登り、踊ることを学ばなければならない。その過程を飛ばして、飛ぶことはできないのだ。』……ニーチェの言葉よ」
「ほう?」
「舞台の上に立ちたい。スタァに、私はなりたい。だから私は学ぶの。舞台の上で歩くことを、走ることを、登ること、踊ることを…………そして、演じるということを」
「そうして? お前は何になる。星見純那は、何になれるという」
「ただのスタァじゃない。…………ただのスタァじゃ、いけない。意味がないわ。私がなりたいのはただ一つ……舞台の真ん中、ポジション・ゼロに立つトップスタァ」
「誰よりも眩しく、きらめく存在というやつか」
「誰かに与えられた星じゃだめ。誰かに教えてもらった星じゃだめ。私が、私で見つけた星を掴まなきゃ、だめ…………だめ、なのよ」
「………………」
「……貴方達英霊の存在もそういう意味ではトップスタァの一つなのかもね」
「幾年月離れた今も語り継がれるからか?」
「ええ。だってそれだけ、貴方達の存在は人の世にとって大きいものだったってことでしょう? 実際、あなたの逸話だってすごいものばかりじゃない。舞台じゃないけど、でもそれってとてもすごいことだと思うわ。尊敬します」
「尊敬、ね」
「……嬉しくなかった?」
「どうだろうな」
「……でも、私は少し羨ましく感じるわ。
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クロスオーバー「聖杯のレヴュー」
初公開日: 2020年12月31日
最終更新日: 2021年06月27日
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コメント
私が楽しいクロスオーバー。少女歌劇レヴュー☆スタァライトとFGOです。ちょっとだけやるよ