「なっ」
 セイバーさんは、焦った表情をする。
 それは当然だろう。
 恐らく俺がプレイヤー相手に初めてしたパリィはセイバーさんとなった。
 つまり俺のパリィ童貞をセイバーさんが奪ったということだ。
 そんなしょうもないことは置いといて、セイバーさんが驚愕するのも当然だろう。
 知っていたとしたら、なぜ成功したのか。
 知らなかったとしたら、これは何なのか。
 どちらにしても、このままでは倒される。
 パリィは攻撃を弾くスキル。
 弾かれた相手は弾き飛ばされるモーションを強制され、絶対に体を動かせない時間を作らされる。
 だからこそのクソみたいな判定の小ささと、タイミング。
「はっ!」
 俺がその大きな隙を逃すわけがない。
 メニューから装備を変更。
 持った武器は、現状一番攻撃力が大きい『クソデカハンマー』
 ネタ武器として作ったはずが、結構使えるのだ、これ。
 どのくらいダメージが通るのかはわからないけど、一応俺の最大火力でなんとかしてみせよう。
 ……なんか俺のレベルアップってSTRの伸びが悪いから、あんまりダメージないと思うけど。
 手を上げながら装備したハンマーが、頭上に現れる。
 いきなり現れたクソデカハンマーに、これまた驚いたのか、は俺の頭の上を見て、口をパクパクさせている。
 力は必要ない。
 ただ落ちる先に少し修正するだけ。
 吹き飛ばされている最中のセイバーさんに向かって、ハンマーを振り下ろした。
 ハンマーはセイバーさんの体全てを、平等に叩きつける。
「かはっ」
 パリィで吹き飛ばされた後の攻撃は、しっかりと慣性が働く。
 そのため、セイバーさんはハンマーの攻撃により、地面に叩きつけられた。
 クソデカハンマーの重みから、地面からもズシン、と音がなった。
 正直、これでやられてくれるとは思わない。
 多分だけど、俺よりセイバーさんのほうがレベルが高い。
 極振りした俺のスピードより少し遅く、更にはあの様な大剣を軽々と振るうのは、恐らくSTR当たりにステータスを振っているからだろう。
 そのおかげで俺は命拾いしたからそれは良い。
 だが、もしSPDを上げてないで俺よrい少し遅い、ということは、だ。
「やってくれた……な」
 VIT……耐久値も、最低でその程度あるということではないのだろうか。
「ダメージはないが、驚かされはした」
 ダメージがない。
 ということはVITにもステータスを振っていることが分かる。
 ……え、ダメージがない?
「もしかして……タンク?」
「このかっこしててそうじゃなかったら格好悪いだろう?」
 いや、ダメージがないということはない。
 あの速度で動けてダメージをゼロにするには極振り級のステータスが必要になるのでは? と考え¥、
「バフスキルとかそんな感じか」
「どうだろうね」
 セイバーさんはゆっくりと自分の武器を再装備することで、手元に持ってくる。
 セイバーさんは先程のやり取りと、俺のクソデカハンマーによる攻撃で、気づいた。
「逃げっよかな……」
「できるかな?」
 俺からセイバーさんに対して反撃する方法がない。
 俺も薄々理解していたけど、俺って攻撃方法がない。
 武器は貧弱、ステータスも貧弱。
 長期戦はできるが、基本オワタ式なのでいつ死ぬかわからない。
 それが、現在の俺だ。
「……じゃ」
「逃さないよ」
 俺は踵を返し、脱兎のごとく逃げようとした……が、それをセイバーさんが追ってきた。
 セイバーさんのバフは、SPDにまで反映しているようで、俺と同等くらいまで速度が出せるっぽい。
 本気でなりふり構わなければ逃げ切れるのかもしれない。
「ま、逃げませんよ」
「へぇ」
 切り返す。
 俺を追っているセイバーさんとの距離が一気に近くなる。
「今度はさせない!」
 セイバーさんはパリィに関しての知識はないだろう。
 というか、持っている人のほうがおかしい。
 だから、パリィに対して対抗するには、俺に攻撃を弾かれないようにすることだ。
 そのために、フェイントをかける。
 下からの切り上げ。
 から、手首を利用することによって横薙ぎに変更。
「あっ!」
 大きな声で、堂々と、フェイントに引っかかり、右手の剣を下に振り下ろす。
「今!」
 セイバーさんの大剣が、俺の攻撃を避ける。
 そのまま、俺の胴に向かって大剣は吸い込まれていき、
「よっ」
 左手の剣に阻まれる。
『セイバーの攻撃、ダンのパリィ、【パリィ】スキル発動、【パリィ】スキル発動、パリィ成功』
 セイバーさんの大剣が、体が、再度弾き飛ばされる。
確認事項
前和→ゲーム無いイベントでセイバーさんがおそってきた。舐めてくれたから少しは助かったけど、少し本気を出すとか言って結構やばめ。先見の瞳スキルの事がバレる前にパリィしとけ
コメントにはなるべく反応できるように致します。
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ぬー(旧名:菊の花の様に)
前話確認をしようとして、テキストチャットのアーカイブ開いたら今の自分のライブ配信が写っていました。一瞬脳がフリーズしました。
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向き
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【毎日更新】本日2回目【39話】
初公開日: 2020年12月10日
最終更新日: 2021年02月06日
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コメント
こんばんわ、菊です。
今回は毎日更新している自作の更新分を書きます。
明日はどうしても執筆に時間を避けず、更新分を書けないと思っているので、ここで書き溜めを行いたいと思っています。
非常に眠いですが、なんとかなりますなんとかします。
というかこの後もさん時間くらい作業あるってマジ……?】(自分のせい)
作業のお供にでもどうでしょうか。
作品URL(なろう)https://ncode.syosetu.com/n0150gp/
Twitter:https://twitter.com/kikunohananoyun
小説家になろう:https://mypage.syosetu.com/419442/
カクヨム:https://kakuyomu.jp/users/kiku_nu
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2023/05/25
キスの日(大遅刻)と大人牛天とのことで
supe2