「御覧くださいませ、皆様ッ! 役者は全て揃いました! なんとお集まりいただけたのは、二十人近くになっております!」
二人の主演人形は引っ込み、また人形たちの中に戻っていった。観衆は真ん中に立つエンターテイナーに大きな拍手を送る。
すると、主演人形のいくつかが動き出し、エンターテイナーの隣に立った。並び立つは、雲雀杏、諸星凪、そして天羽美琴。四人が並んで見せると、再び声援が上がる。
「これから始まるのが、地獄なんだね。|私の望んだ復讐なんだ」
「私たちが物語を動かしていくんだよねぇ。キャラクターでいるなんてつまんなぁい。ね、みこちゃん!」
「はいっ! 読者の皆様には楽しんでいただけるよう、精一杯努力します!」
四人の黒幕が並び、真ん中に立つ少女は黒い本を閉じた。すると、辺りはただの教室に戻る。空き教室にて、三人が各々らしく座っていた。
杏は爪を眺め、横向きに座って。凪は頬杖をついて、楽しそうに。美琴はぴんと背筋を張って、礼儀正しく。
教団に立つ少女は歯を見せ、にやりと嗤うと、目を見開いて三人に声を張った。
「これからボクは消えてしまう。ちゃんとあの二人を記述するんだぜ?」
「はーい! 二人とも、頑張ろうねぇ!」
凪が黒い髪を揺らして手を挙げれば、杏は面倒臭そうに小さく手を挙げ、最後に美琴がびしっと手を挙げた。
その様子を見届けると、三人の前で、魔女は一輪の彼岸花になって消えてしまった。