一通り思い出(?)語りをしました。ありがとうございました おわります
二次創作BL同人企画本に寄稿させていただいた短歌の再録です
カップリングは國笹です
企画本には短歌と解説文を併せて掲載していただきました。
●印はその時の解説文で「この短歌はどういう中身なのか」という部分をメインに書いています。
なので「どういうことを考えながらつくったか」みたいな話もしたかった
受信拒否、別居、絶交、解雇、どのかたちでもなくあいてるあした
●何の連絡も何の別れもなく早乙女に死なれてしまった笹塚。流石にここまで音沙汰が無いのは妙だ、と思いつつも、そもそも早乙女と自分がどのような関係なのか明言できないために「(早乙女に)飽きられたかもしれない」がうまく意識にのぼらずに、ただ「(自分に)空白がある」と認識している。
○お題「あき」部門に提出させていただいたうちの一つ。
たぶん他の方々みたいに國笹をうまくやるのは難しいだろうから、(自分の國笹歴があまりわからないのでいつまでも新参者という気がしている)、せめて二つ以上の「あき」を使おう。みたいな気持ちでとりくんでいたと思います
これは「飽き」と「空き」ですが、字面で「空き」感を出したくて、「空いている明日」が「あいてるあした」になってる。
ひらがなのほうが開いている部分が多いので。あと字数。
どの関係でもなく……ということを詠みたかったけど、なかなか575に合わなかったような思い出が漠然とある
受信拒否はすぐ出たけど、解雇は実際にはあったかもしれないしなかったかもしれないレベルがつよい(?)(考えるな感じろ)ので、なかなか
立ち枯れる夏至の清潔凍てついて芽吹かぬ種を常冬に抱く
●明るい光の指す笹塚の前途は唐突に立たれて、過ごしやすい秋の時期がぽっかり空き、唐突に真冬の時期が最期まで続くことになる。復讐の手立てがまだ何も見つかっておらず芽吹けない冬の時期の笹塚の傍にいる早乙女。
○こちらも、お題「あき」部門に提出させていただいた短歌。
「秋」が「空き」になっている、の短歌のつもり。
たしか主催の乙さんは冬が似合うとおっしゃっていた気がするんですが、私は夏を連想しがちで、じゃあ被りにくいだろうし、夏、するか~。とかいう動機だったような
芽吹き、が、一応春要素。
私は笹塚に夏の、特に向日葵のイメージが強くあって、太陽というか自分を焼くものに強烈に惹かれているが明確にそれに手を伸ばす手段を持たない棒立ちの男、とかそういうイメージです
だから「立ち枯れる」はわりとするっとでてきた言葉だったような
「清潔」も、凍てつくのは不能になる、とか、使えなくなる、とかそういうイメージで、清濁併せ呑むようになる、の比喩として選んだ気がしている
記憶だけでしゃべっています
宅飲みでくしゃくしゃ笑う悪人のシャツの裾のくしゃくしゃくしゃの皺
●笹塚の部屋に入って陽気に酒を飲んでいるとき、「暑い」などと言って一日仕舞っていたシャツの裾を引きずり出すことがある早乙女。その無防備な酔っ払いの笑顔を見て、悪人のくせに威厳が全くないなと思っている笹塚。
○これは自由詠部門に提出させていただいた短歌その1。
自由詠部門は、直球で國笹っぽくしようと思いました。
どこかにいる男二人、じゃなくて、早乙女と笹塚、にしたかった。短歌でやるの難しいのはわかってるんだけど、せっかくそういう企画に参加させていただこうとしているので。
で、どういう手段で達成しようか考えたとき、まあ原作から分かることを入れるっきゃないかなあ……となりました
裾をしまうキャラデザが入っています
短歌にするにあたって、その裾をネタにして國笹書くとしたら、まあ宅飲みの話になるだろうと。
裾がくしゃくしゃ、で、その裾が引きずり出されている、ということは、くしゃくしゃくしゃだろうということが真っ先に決まりました
引きずり出されているんだから字余りもするでしょう。というガバガバ認識です
そうすると自然と早乙女が酔っぱらってくしゃくしゃ笑い出したのでそんな感じになりました。
持ち出した備品でつくる『恋人』のラベルをフック・棚・脛などに
●笹塚に合鍵を渡した早乙女は、帰ってきた笹塚が玄関に鍵を置くときのことを考える。玄関に合鍵置き場を新設するべきだろうか。もしそうするとして、より馬鹿馬鹿しいのは、“おなまえ”のシールか? それとも無意味な『恋人』の表記か? 寝間着からはみ出す笹塚の脛に貼るテプラの色を早乙女は考えかけて、我に返る。
○こちらも自由詠部門に提出させていただいた短歌。
原作要素って言ったくせに、原作からそのまま拾い上げてる要素じゃないじゃないか、って感じですが、これは社長の要素が入っている、つもり。
早乙女金融にテプラがあるってのもヘッドキャノンでしょうか。どうでしょうか。あるんじゃないかな……鍵も閉めるし整理整頓はたぶん好きでしょう、ラベリングも……
短歌のおもしろいところ、肝心なところを書かなくてもいいところだと思ってるんですが。
そういうやつが作ると「合鍵」のワードが出てきません。でもちょっと比喩的でこれはこれでいいんじゃないかなあと思っている。
多分、恋人ってレッテル?認識?を素直にできずに、変なところを迷走してる素直になれない國笹。みたいな読み解きかたもできなくはないと思う。「持ち出した備品」だから、仕事の付き合いから始まった関係。とか。
でもそういうふりをして、実は本当にラベルをつくってる様子を詠んでる。とか、そういうのが好きみたいです私は
出揃ったカードは強い わらう月 ディーラーの名は笹塚衛士
●自分の手札を見て笹塚に笑いかける早乙女と、その手札を仕組んだ笹塚。笹塚は早乙女を操っているのかもしれないし、うまく操れるように機嫌をとっているのかもしれない。何のゲームが始まるのかは早乙女と笹塚しか知らない。
○こちらは、元となる短歌を提出して、その上の句だけを主催者・乙さんが他の参加者に伝え、別の方が下の句を考える。のコーナーに提出させていただいたもの。
元となる短歌、誰かが続きを考える前提、ということで、被らなさを優先しようと思って作っていました。
で、流石に「笹塚衛士」をそのまま詠み込む人はそうそういないんじゃないかな……ということで、下の句はすぐ決まった。え? 被らなさ優先の上の句はどうした?
ええと、國笹短歌という前提なら、「わらう月」で十人が十人早乙女を連想するだろう(と思う)。
……ので、國笹の早乙女を詠む一首になるかもしれないな、私はカメラを振って笹塚を映します。と、そういう意図でやっていた思い出です
恋色が息づき灯る暗がりに「マルゲリータのLを一枚」
●笹塚が寝ようとしたまさにそのとき、早乙女が押しかけてきて出前を取る。こんな時間にピザ、しかもL。笹塚は、我関せずを決め込むべく部屋の明かりをつけずに煙草を吸い、うんざりだと内心呟いてすらいる。つまり、わざわざ起き上がって早乙女の夜食の動向を気にすることが恋の証左だとは絶対に認めようとしていない。
これも上の「出揃った~」と同じコーナーに提出させていただいた一首。
被ってたまるか、という意図が見えますね。
拙作「宇宙人問答」でもやったんだけど、暗い寝室に煙草の先が赤くちらちらしているのが私は好きみたいで、そういう景色がまた浮かんだので。
宇宙人問答とは違って、この煙草は笹塚ですが。
あと、乙さん(主催のかた)の、食べ物を美味しそうに食べる國笹にめちゃめちゃ影響を受けているので、何かたべもの……と思っていたこともいなめません
茶柱の立った真水に口をつけ醒めた悪夢の続きのぬるさ
●受け取った側が「俺はまだ夢の中にいるんじゃないか」と錯覚するように、酔った相手へ差し出してやる水にわざわざ茶柱を立たせておく。そんな意味のない悪ふざけがだらだら続いていく國笹。
○これは、三首一セットで短歌を提出して、それが他の方に伝えられ、國笹三次創作がうまれる。のコーナーに提出させていただいた短歌1。
自由詠のときは割と國笹の、キャラに付属する設定を入れるか。という気持ちだったんですが、ここでは、創作の余地が広い方がいいのかなあ……と思い、ちょっと抽象?じゃないけど、シチュエーションを詠むような短歌を三首提出しています
テプラの短歌でもそうだったけど、実は実景、みたいなのをやりたがる時期だったようです。
あと、國笹といえば二日酔い! の意気込みでつくっていたんですが、よく考えたら自分でもそんなに二日酔いネタ書いた覚えが無かった
どういう認識だったんだろう
赤黒いものを背負って屋上でゆらめく影に気づいてしまう
●生き急ぐ笹塚は余所見をしないようにしているけれど、早乙女がその屋上を気に入っているとわかってからは、たとえ沈む夕日の逆光に塗りつぶされた姿であったとしても、どうしても早乙女を見つけてしまう。
○上の短歌とセットにした短歌。
早乙女と屋上、大概切り離せないからな~ってことでこうなっています
早乙女金融の、吾代さんのほうに結び付いているものと思うけど、でも早乙女にも関わることであるので、くにささでもつかいます。
拙作「心中マニア」でも、劉一吊るすのが屋上だったんで、屋上を接点にした回とかやりましたねえ
解説じゃなくて自分語りになっている
結露する窓になぞった満月をまた曇らせる吐息の形
●見たままに任せて指が動いてしまうほど、すべきことが何もない時間。体温の低い笹塚一人では結露しない部屋に今は二人分の体温があり、吐息がほどける前にその形を感じ取れるほど近くにいる。吐息は余所見をする相手を責める形をしているかもしれない。
○上二つの短歌とセットにした短歌。
これも、「こういう要素が國笹にはあるよ」って言わずに、「國笹なのは大前提としてこういうシチュエーションが俺はいいと思うぜ」というつくりかたをしている
全年齢本なのでぼやっとしましたが、最初に思い浮かんだのは、車内でやましいことをする國笹だったことを強く覚えている。
いらんこと言わなくていいのが短歌のいいところだと思います
あ、あと、三日月ってしちゃうと早乙女要素が強くなりすぎるので、日の下ではないんだけど欠けてはいない月、っていう匙加減になんか当時執着していました
笹塚もどっちかというと新月なので、満月ってどういうシチュエーションなんだろうね、って自分が他所様の國笹を見てみたかったというのもあり。
拙作だと祈りの庭が月出てたっけ あれも三日月だっけな……
もう一首
地獄行き 同じ列車に乗っていた肉片に挿す二本のたばこ
●シックスが地獄行き列車に乗り合わせていたら、体は粉々でもう抵抗できないだろうし、笹塚もたばこ押しつけるくらいしてもいいんじゃないかな、という短歌にしました。早乙女には「こいつが笹塚の殺したかったやつね」などと朗らかに雑談しつつ、でも笹塚の悲願を否定せずに聞いて、じゃあそろそろ、と一緒に下車してもらいたい。
○こちらは、主催乙さんがつくった短歌から上の句をお借りして、下の句を私が別にかいたもの。
上の句を振り分けてもらってつくった短歌はもう一首あるんですが、私の一存で転載するのも、と思っていたりします
この短歌は、サンプルページ(https://www.pixiv.net/artworks/77197258)に掲載されているので、そこからの引用ということでどうか一つ。
この上の句を見た時に、切れ方がきれいなので、「乗っていた。」なのかなあと思ったんですが、天邪鬼なので、「乗っていた○○」の短歌にしようかな。と思いました
たぶんそこまで具体的に考えてはなかったんですけど、乗っていた肉片ってワードがなんか急に、しかも鮮やかに思い浮かんだので、どうにもならなかった。
地獄行きってことは死んでるので、全部たぶん終わってるし、じゃあそこにはそいつもいるだろう。という連想、かなあ……
思い付いたらそれ以外を考えられなくなったので、実際に元の短歌を見た時にアーッそういうのもあるのか!!!とデカい声が出ました
というか、ツイートで前以て聞いていたはずなんですが、まったく思いつかなくて膝をバンバンうちまくっていた
この短歌のときも、自分が元になる短歌作る側だったときと同じようなこと、被らなさについてはちょっと考えていて、だから肉片とかそういうやや露悪的なかんじになったような気もしています
普段からそういうところもあるんですけども。すきなので
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短歌の自歌解説する
初公開日: 2020年10月18日
最終更新日: 2020年10月18日
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