【ネタだししてた時の覚書】
尻尾……細くて長い、紐状、トカゲのしっぽきり、小黑の尻尾は嘿咻に分かれる
【ざっくりした流れ】
无限が尻尾を掴もうとしたけど、嘿咻に分かれて取り逃す
手のひらの嘿咻をぽかんと見る无限、その隙に小黑が迫る?
尻尾を掴もうとするってどんな時?引き留めようとする?普通腕をつかむけども→猫だった?
引き留める、片方が離れようとしているけれど、もう片方は側にとどまっていて欲しい、
気持ちが同じ方向を向いていない、喧嘩?
小黑はある程度の年、反抗期くらいのイメージ
【本文】
喧嘩をした、のだろうか。原因が何であったのかよくわからない。
最近小黑が反抗期なのか、よくぶつかってくる。それで気持ちが昂ると小黑は決まって猫の姿になって口を利かなくなる。反抗期なら離れていくものだろうと思っていたが、大抵の場合私の近くから動くことはない。ただ、丸まって表情も見せないままじっとする。今日も小黑は猫の姿のまま、胡坐を組んでいる私の膝の中で丸まっている。
人の姿をとるときは背も伸びて少年らしくなったものだが、猫の姿での成長はもっと早くに打ち止めとなったようで、膝に納まるサイズ感が出会った頃からあまり変わっていない。
このままでいると、つい頭を撫でて、背を撫でて、できる限り可愛がってやりたくなる。なるのだが、反抗心が出るほど自立しようとしている子にそんな扱いをすればますます拗れてしまうことも目に見えていた。
いずれ小黑のほうが飽きてか、お腹を空かせてか、立ち上がって部屋を出る、少しして戻ってきて、お互い一言ずつ謝ってそれで終い。前の時はそうだった。
壁にかかった時計を見る。多分もう5分はこうしているだろうか。一度時刻を気にしてしまうと、なんとなく時が進むのが遅いように思えて居心地が悪くなる。15分を数えたところで、そろそろ現状を打破せねばという義務感が沸いてきた。
「小黑」
名前を呼べば耳がぴくりと動いた。さて、名前を呼んでみたはいいが、二の句が思いつかない。
今のままじっとしているのが少々辛くなってきただけなのだが、元々こうなった原因がよく分からない以上、私が適当に謝ることが果たして良いことなのか悩む。
沈黙を何か勘違いしたみたいで、小黑が立ち上がる。こっちに目もくれずに立ち去ろうとするので咄嗟に手が出た。
「待ちなさい」
右手が尻尾を掴む。やってしまった、と思ったが、黒猫はつんのめることも引き留められることなく歩を進める。私の手を開けば、嘿咻がこちらに微笑みかけていた。
「hei~」
つい癖で、その横面を指でつつく。柔らかな感触に頬が弛む。不意に影がかかった。
「ねぇ師父」
小黑が、人の姿に戻って私を見下ろしていた。いかにも不機嫌な表情で。
「嘿咻なら触るんだ」
嘿咻なら?
「僕のことは猫になっても触ってくれないのに?」
「……お前は私に触って欲しかったのか?」
そういうと小黑は顔を赤くして、そっぽを向いた。
「別に、そんなことない!」
口ではそういうのに、尻尾はじりじりと私の手に近づいてきている。この様子だと本人は気づいていないようだけれど。
嘿咻を持つ手を近づければ、跳ねてするりと戻っていく。その分伸びた尻尾を空いた手に取って、唇に寄せた。
「小黑、素直になれたらご褒美にいくらでも触ってあげるよ」
ここで一旦完成とします(文庫メーカーに入れながらの調整は続きますが)。お付き合いありがとうございました。