夢はだれしもが体験したことのあることだと思う。頻繁にみる人、まったく見ない人、白黒である人さまざまだろう。僕、大沢は夢をみていると思っていた。
「なんだこれは」
いや本当に何なんだ。ゆ、夢なのか?
「正方形の部屋ですね、しかも5人いる」
「どういうことでしょう」
横を振り返るとそこには痩せこけた男性が僕に向かって話しかけている。
「いや、、僕にもわからない」
「なるほど、会話はできるのですか、ますます意味がわからない」
「ついには眩暈で倒れたせ以下と思っていたのですが」
「なぜ白いのでしょうか、誰もあったことがない人たちだ」
「あの人は男でしょうか、女でしょうか」
「昨日は何をしていたのか思い出せないですし、それが関係しているのでしょうか」
返答もまたずに独り言をぶつぶつとつぶやいている。
見渡すと確かに自分と隣の男性が以外に3人の男女がいる。今風のサラリーマン、パンクな恰好の人(おそらく女性だろう)、主婦のような女性。彼らも目が覚めてきょろきょろと見渡していた。僕たち5人はこの部屋を調べていったが何もない四角い部屋以外はわからなかった。サラリーマンの人は栗林さん、パンクの格好の女性は神森さん、主婦のような女性は海里さん、隣でぶつぶつ呟いているのは田中さん、そして僕、大沢の名前だけ唯一わかったことだった。
「君たちはどうしてここにいるか思い当たるのはいますか」と栗林さん。
「まったく思い出せないぜ」と神森さん。
「私も思いあたる節はないですね」と海里さん。
「僕も思い出せないです」
一人だけ田中は答えない。
「田中さん、もしや思い当たる節があるのですか?」
「・・・・いいえありません。あるとしてもこの場では言えない理由だと思うので、その質問は無意味かと思います」
「それより、皆さん昨日のことはおぼえていますか?」
「無意味ってどういうことです?昨日は、仕事を終えて帰りの電車に乗っていたはずですが」
「昨日は短縮バスで実家に帰る予定だったはずだぜ、あんまし覚えてないけど」
「私は祖父の料理を作って、明日の農作業ですでに就寝していたはずです」
「僕はおぼえてないですが」
「ふむ、おぼえている人と覚えていない人がいる」
「しかも皆さんの名前になぜ地名がはいっているのか、、何かひっかかる」
「それより無意味ってどういうことですか?」
栗林さんが話しかけたっきり、田中はぶつぶつとつぶやいたまま返答しない。それからどのくらい時間がたったのだろう、田中と会話できないことに疲れたのか、僕たち4人だけで話をつづけた、恨みをかっていないか、なにか変なことはなかったか、共通点はないか。ただ、、まったくといっていいほどなかった。むしろ共通点がないことが不思議なぐらいない。
不思議とおなかがすかないことは幸いだが、これ以上話をすると気がおかしくなる。みな同じことを思ったのか、今は隅で横たわっている。
「あの人の髪はなぜ赤いのですか」
ほかの3人と話せないと思ったのか、田中は僕に聞いてくる。
「よくわからないけど、ただ単に染めているんじゃない?ピアスしているし、、バンドか何かしてたんだと思うけど」
「ピアス?バンド?なるほど・・・知らない単語、、そういうことですか」
「しらない?いったいどんな田舎にすんで・・・」
「もう一つ思い出しました。昨晩は私は寝てました。ただ直前ゴーっとした音がでていたと思います」
「あれはもしかして、、、でもそうすると・・・ここは」
田中はそうすると、意味ありげな動作をして中心で天を仰ぐような動作をし始めた。
「何やってんだ、あんた・・・」
そんな矢先だった、田中が消えたのは。
「あっ」
声をだした。ど、どこにいったんだ田中は。
「ねぇ、みましたか、、田中さんがどこかに行きましたが」
「田中さん??だれですかそれは、私たち4人以外ここにはいませんが」
「それより明日から長く生活をするかもしれないので、騒がないでほしいのですが」
「ぇ?何をいってるんですか」
「うっさいな!あねたいんだけど!」
「静かにしてもらえますか」
あれを見たのはどうやら僕だけだったようだ。しかも皆田中さんのことを忘れている。
ほらいたじゃないか、変な男の・・・・いたよな。。。
僕の記憶もだんだんあいまいになってくる。
「何か直前で言っていたような、、、ゴーっとした音?ここはもしや・・・・?」
なんだったのだろうか。ほかにもなにかいってただろうか。
ああ、そうだなんで赤く髪を染めていたのかだっけか・・・・いや、、なぜ髪が赤いのか・・・だったか。。。
赤い赤い・・・?そういえば、僕も昨日そんな音を聞いていた気がする。
あれは雨の多い日によくあるダムの放流・・・
もしかして僕は、、〇〇〇〇〇〇のか?もしかしてあいつはそれにきづいて、、、、
僕も天を仰ぐ。
もしそうなら僕は戻らなくていい。
いつもつまらない日常だったから。
そんなことを思ったのが僕の最後で、これからの始まりだった。